僕のほそ道   ~ のん日記 ~

  
これと言ったテーマはなく、話はバラバラです。 つい昔の思い出話が多くなるのは年のせい? 

「男はつらいよ・寅次郎相合い傘」 と 船越英二

2017年07月17日 | 映画の話やTVの話など

いま、またBSテレビで毎週土曜日に「男はつらいよ」のシリーズが放映されています。一昨日の土曜日は、第15作「寅次郎相合い傘」が放映されました。

僕も寅さんファンの一人ですが、2013年から14年にかけても同じTV局で全シリーズが放映されており、当時のブログにも寅さんのことを書いています。

その時、僕がもし全48本の寅さんシリーズの中で一番好きな映画はどれ?と尋ねられたら、浅岡ルリ子が出ていた15作目の「寅次郎相合い傘」を挙げる、と書きました。

浅丘ルリ子演じる旅回りのキャバレー歌手・リリーがとてもいいんですよね~。

リリーは第11作「寅次郎忘れな草」で初登場し、「相合い傘」の後も第25作「寅次郎ハイビスカスの花」、そしてシリーズ最後となった48作目の「寅次郎紅の花」も、寅さんの相手役だった。このシリーズに4本も出演したのはリリーだけですね。

中でも「寅次郎相合い傘」はシリーズでの最高傑作だったと思います。


  

で、一昨日の土曜日、その「寅次郎相合い傘」が放送されました。

もちろん僕も見ました。もう何度も見ているんですけど、やっぱり見てしまうんですね。

中でもクライマックスはこういうシーン ↓

それまで女性にフラれ続けていた寅さんだけど、リリーは寅さんのことを本当に好きになる。それを察知した妹のさくらが、リリーに、
「リリーさんがお兄ちゃんのお嫁さんになってくれたらどんなに素敵だろうなぁって。ま、冗談だけど」
と言う。するとリリーは真剣な顔になり、
「いいわよ、私みたいな女でよかったら」
と答えるのだった。さくらは目を丸くして驚き、大喜びする。

寅さんの「結婚」が手に届く瞬間だった。
そしてそれに続く名場面…

そこへ寅さんが帰ってくる。
さくらは寅さんに飛びつくようにして、

「リリーさんがね、お兄ちゃんと結婚してもいいって言ってくれたのよ!」
と伝える。リリーは奥の部屋で、真剣にそのやりとりを見ている。

しかし

「オレと?」と、ここからの寅さんのリアクションは、まあ寅さんらしいと言えば言えるが、素直に喜ばない。
「えっ? えっ?」と戸惑いながらも、すぐに目が覚めたような顔になり、
「あ、あんな気性の強いしっかりした女が、俺みてえなバカとくっついて、幸せになれるわけがねえだろ!」
と言い放つのである。

そしてリリーのほうを見て「こっちへ来いよ」と呼び、
「お前、冗談なんだろ?」
と、少し戸惑いながらも、リリーに問い詰める。

リリーはそんな寅さんの顔をしばらくじっと見つめながら、フッと笑い、
「そう…、冗談よ。冗談に決まってるじゃない」
と言うのだった。

あぁ~。映画館でこのシーンを見た時、寅さんって本当にバカだ、これじゃ誰とも一緒になれないのは当たり前じゃんと、思ったことを覚えています。後にも先にもこれほどのチャンスは巡ってこなかった。それを照れてしまい、まぜっかえしてしまい、せっかくの話を壊してしまうのでした。

そのシーンを再現します。


 
さくらが「リリーさんがお兄ちゃんのお嫁さんになってくれたら」と。


 
「いいわよ。私みたいな女でよかったら」とリリー。


 
そこへ寅さんが帰ってくる。
「リリーさんが結婚してくれるって」とさくらが興奮。


 
しかし寅さんは照れ臭いのか、
リリーに「おまえ、冗談なんだろ」と。


 
一瞬、リリーの顔がこわばる。
このシーンは見ていてハラハラ。


 
次の瞬間、
「そう、冗談よ。冗談に決まってるじゃない」

あぁ、万事休す。でした。

 

そういう映画だったのですが。
寅さん、ほんと、絶好のチャンスを逃してしまったなぁ。

さて、この映画の前半も、なかなか面白いのです。

映画の始まりは青森。そこで寅さんは、冴えない中年男と知り合います。寅さんは彼を「パパさん」と呼んで一緒に旅を続けます。パパさんはどうやら一流企業に勤めるエリート社員で、資産家のようでしたが、会社や家庭でしっくりいかず、グズグズしながら昔好きだった女性を訪ねて、はるばる東京からやって来たのでした。なんだか頼りなく優柔不断な性格のパパさんは、寅さんの奔放な生き方に惹かれています。そして2人は北海道に渡り、函館のラーメン屋の屋台で、寅さんは、なんと2年前に恋をしたことのあるリリーと再会し、パパさんを含め3人で気ままな道中を楽しむ、というところから物語が展開して行きます。

そこから、後半は、前述のような寅さんとリリーとの話になるのですが、東京へ帰った後もパパさんは柴又の「とらや」にやってきたりして、この映画を盛り上げる重要な役柄を演じていました。

そのパパさんを演じていたのが故・船越英二でした。あの気の弱くて人のよさそうなパパさんは船越英二だからこそ、あれだけの味が出せたのだと思います。

言うまでもありませんが、船越英二は、船越英一郎の父親です。

そして息子・船越英一郎は、ご存知のように、今や松居一代というヒアリより恐ろしいと言われている女の夫です。(実際にワイドショーで『松居一代とヒアリのどちらが怖いか』というアンケート調査を行い、6~7割の人が『松居一代』と答えたそうです。ホンマでっせ)。さらにこのヒアリより恐ろしい女は、英一郎が住むマンションの前に、紙袋に入れた船越英二らの位牌などを捨てて行った、ということです。う~む。よう、そんなことするなぁ。バチ当たるで。

折も折、そんな騒動の真っ最中の時期に「男はつらいよ・寅次郎相合い傘」が放映され、船越英二が登場するとはね~。つい先日のこのブログで、お父さんの船越英二は「男はつらいよ」でも名脇役を演じた、と書いたばかりでもありましたので、今日もまたこの話に触れることとなった次第です。

最後に、話はまた変わりますが、「相合い傘」は昭和50年に公開されたので、今から42年前になります。浅丘ルリ子は今、僕も見ていますが「やすらぎの郷」という倉本聰の連続ドラマに出演しています。最近はその顔が目に焼き付いてしまっているので、この「相合い傘」を久しぶりに見て、あまりにも浅丘ルリ子が若いので、ビックリしました。まぁ、42年も経っているのだから当たり前の話ですけどね。

ということで、今日はこれで終わります。

ちなみに本日のブログに登場していただいた人物は

寅さん
リリー
船越英二
船越英一郎
松居一代
現在の浅丘ルリ子
そして 
特別出演 → ヒアリ

の皆さんでした。
チャンチャン。

 

 

 

「寅次郎相合い傘」の1シーンです。
2分ほどですけど、よろしければご覧ください。

函館のラーメン屋で、寅さんとリリーが再会するところです。
真ん中にパパさん(船越英二)がいます。


 

 

 

 

コメント
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