3週間ほどブログを休んでしまった。
顔見知りの人たち…特に元勤務先の人たちから、ブログの更新がないことで、
「どうしました? 体調が悪いのですか?」
という意味のメールをいただいたりした。
今ではめったに顔を合わす機会がなくなった元同僚や後輩の人たちが、このブログを読むことで、退職後の僕の近況を確認してくれているんだなぁ…ということを改めて実感した。
昨日も、現役の頃からずっとお世話になってきた方から、
「楽しみにしているノンさんブログですが、最近更新がありませんが…」
とのメールをいただき、有難いことだと感謝した。
ここ数週間、いささか心身のバランスを崩し、ブログ更新の気力が湧かなかったというのが正直な理由だけれども、ここらで立ち直らなければ…。
…ということで、ブログを再開します。
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いまは何といっても、チリの鉱山落盤事故で地下に閉じこめられていた作業員33人が、70日ぶりに全員無事に救出されたというニュースである。とにかく猫も杓子もこの話題だから、ブログでもこれに触れなければ世捨て人のように思われそうなので、いちおう触れることにする。
確かに、この奇跡の救出劇は歴史的な出来事に違いないだろう。
世界中が固唾を呑んでその様子を見守った…というのもわかる。
しかし、どんな「深い感動」も、こんなドンチャン騒ぎのような報道が繰り返されると「ちょっとヤリ過ぎと違うか?」と違和感を覚える。
昨日はほぼ一日、自宅にいたが、朝のニュースやワイドショー、昼のニュースやワイドショー、昼下がりのワイドショー、夕方から夜にかけてのニュース、深夜のニュース…と、テレビはどのチャンネルに切り替えてもチリ、チリ、チリの大合唱である。まあ、70日ぶりの生還は本当によかった。それはどんな人にも共通する熱い思いだろう。今の日本では希薄になりつつある家族の絆というものも、映像を通じて、十分に伝わってきた。しかしその隙間から、マスコミの人間たちが自己陶酔している様子も垣間見えるのである。
何せもう、ナンでもカンでもチリである。
「チリ料理特集」なんて番組まで出てきた。何の関係や…?
「チリの有名な料理って知ってますか?」とリポーターが興奮気味に問いかけるのを見ていると、僕は「知ってるわ、テッチリやろ」と言い返したくなる。
テレビ局のスタジオ内には、33人の顔写真がずらりと並ぶ。
こんな顔写真を並べてもらっても、仕方ないような気がするんだけれど…。
おまけに「迎えに来たのは妻ではなく愛人!」な~んて話題も大きく取り上げている。
これまた、何の関係や…? アホちゃうか。
いろいろな人々の熱意と努力によって、33人全員が生還した。
それを、それぞれの人々が静かに祝福すればいいのだ。
「さあ、どうだ。感動しろ!」と言わんばかりのここ数日の報道は、まるで「24時間テレビ、愛は地球を救う」を見ているようで、げぇ~っとのけぞってしまうのだ。
それと、チリ大統領の見え透いたパフォーマンスにはうんざりだ。
ここぞとばかりええカッコをして、甚だ見苦しい。
まるで自分ひとりで33人を救ったかのごとくである。
昨日あたりから、この救出劇は政治的演出だという批判も出始めている。
ホッとしたことと言えば、生還した作業員の一人が会見で、
「我々は芸術家でも芸人でもない。作業員だ」と言ったことである。
自分たちを英雄視してくれるな…という意味なんだろう。
浮かれ騒ぐ周辺にクギを刺した一言となり、痛快だった。
しかしいったん「有名人」になると、その後の反動も怖いのでは…と思う。
そこは、チリの国民性というものが分からないので、何とも言えないけれど、日本人だったら、一度「英雄」として注目されたら、その後の人生が狂い、身を持ち崩してしまうのでは…などとさまざまに憶測する。
ともあれ、ハッピーエンドとなって、めでたしめでたしである。
それにしても…
チリ…と言えば、去年旅行したアルゼンチンのお隣の国だったなぁ(ちょっとその時に足を伸ばしてチリに寄っておけばよかったかも)。
70日間…と言えば、20歳の時の北海道への自転車旅行も70日間だったなぁ。
33人…と言えば、モミィが9月から途中入園した幼稚園のクラス 「もも組さん」 も全員で33人だなぁ。つまりモミィが33番目に入った園児だったんだ~。
…とまあ、結局、自分のことに結び付けてこの話は終わりです。 ジ・エンド。