信州自由人

のぐケーンのぶろぐ

漸くの出会い葵菫の花

2024年04月13日 | 自然

東御市中央公園の林内は、木片が敷かれるなど快適な散策路が整備れています。
数年前、その道脇でスミレの群生地に出会いました。


5月上旬ですが花はなく、落葉を除いて株元を見ると果実がついています。
短い果柄で、地面に接するように丸い果実をつけ、粗い毛を密生させています。
この特徴から、アオイスミレと分かりました。


多くのスミレの仲間は高い位置に果実をつけ、熟した種子をはじき飛ばします。
アオイスミレははじく機能を持たず、種子の拡散はアリ頼みだそうです。
アリの大好物のエラチオールを含む種枕(種子の突起)が発達しています。
ここの群生地の花が見たくて春を待つのですが、毎年画像右の状態でした。


それが今年、たくさんの花を咲かせてくれました。
うす紫の花を見た瞬間に思わず「オォー」、待ちわびた花との対面です。


花茎が短く、落葉に隠れている花もあります。
目を凝らすと、あちらこちらに花があり、踏まないように気を付けて・・・


上弁はウサギの耳状に立ち、側弁はハグ気味に ‘前へならえ’ の独特の咲き方です。
花の色は淡い紫~白色で、側弁の基部には毛がありません(有毛もあるとか)。
花柱は棒状で先が下方にカギ形に曲がっています。


花を半分に割って子房を見ると、たくさんの毛が生えていました。


距はずんぐり形の円筒形で、多くの花は先が上に反っていました。
萼片は有毛で、基部側は丸く付属体は見られず、先端も丸めです。
花茎には白い長めの毛をつけています。


全体に毛が多く、短い茎があり有茎形のスミレです。
花茎は約3cmと短く、葉の幅は2cmに満たないのですが花後の葉は大きくなります。


花はほぼ終わり、花茎が斜めになり、花の部分は地表につくように下がっています。
他のスミレは、ノジスミレが開花盛期、スミレやタチツボスミレが咲き始めです。
アオイスミレは他のスミレに比べかなり早咲きで、しかも花期が短いようです。
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