ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

キクイモについて

2013-06-01 | 放射能関連情報
 2011年に「自分と子どもを放射能から守るには」(世界文化社)の日本語訳が出版されたとき、日本で著者のバベンコさん(ベルラド研究所副所長)が講演会を行ったとき、キクイモの話をしたのです。
 キクイモは日本でも栽培されており、根っこの部分を食用にするのですが、ロシアやベラルーシでは健康食品として、最近注目されているのです。 

 なぜなら、キクイモは汚染地域で栽培しても放射能を絶対吸収しない、つまり安全な食材とされているからです。
 つまり、汚染地域でも栽培できる根菜で、農業の活性化に役立つかもしれないのです。
 さらにキクイモは食物繊維(ペクチンではなくイヌリン)が多く、これもアップルペクチンのように放射能を排出する作用がある可能性が高いのです。

 そこでベラルーシではキクイモが健康によい食品として浸透してきており、商品化がされています。
 スーパーで売られているセルロース商品にも、キクイモ配合のタイプがあります。
(チロ基金がセルロースを内部被曝が認められた子ども達に配布したときの活動をご参考になさってください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/5d48a74eef693b9246d188dfa277d076


 そんな理由から、バベンコさんは日本でも栽培、摂取を奨励したわけなのですが・・・
 その後、日本で栽培されているキクイモから放射能が検出された、という情報が飛び込んできました。
 栃木県の調べによります。こちらのページにあるリストのうち2012年11月19日から22日測定分のうち、20日更新の表をご覧ください。

http://nasushiobara.ficsc.jp/nasushiobara/search.htm?key=%E3%82%AD%E3%82%AF%E3%82%A4%E3%83%A2

 
 これを見て私はがっかりしました。少ない量で基準値以下なので出荷もできるし食べられる量ですが、キクイモが放射能を絶対吸収しないという確証がなくなったと思ったからです。
 他の時期での検査では「ND」だった結果もあります。一方で2013年3月の検査でも、少しですがセシウム137が検出されています。
 
 ところが先日ベルラド研究所へ行ったとき、この「日本のキクイモから放射能検出」の話をバベンコさんにしたところ、
「キクイモが放射能を吸収することはありえません。それは測定の間違いです。」
と言われました。
 キクイモは放射能を吸収しないというのが、常識だということでした。

 栃木県のキクイモのケースはどうなのか? というと、測定の間違いで、土がついていた、空気中の放射能もいっしょに測定した、などのミスが原因だろうということでした。
 もう一度精密な測定をするようにアドバイスしていました。

 もっとも日本のキクイモは塊茎が小さく、なかなかイヌリンが採取されないそうなので、ロシアやベラルーシと栽培されているものとは、品種が微妙にちがうのかもしれません。

 ロシアやベラルーシでは健康食品として注目を浴びているキクイモです。日本にとっても役立つかもしれません。
 日本でも研究をして、本当に汚染されない食品と証明されれば、汚染地域での農業活性化、安全な食品の提供、さらには放射能排出作用、と一石三鳥にもなる食材ですので、どうか関係者の皆様、キクイモ研究をお願いします。