ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

ベラルーシとロシアの放射能汚染地図

2013-06-06 | 放射能関連情報
 現在のベラルーシの放射能の汚染状況はどうなっているのか? ときかれることがあります。
 そういう私自身もとても興味があります。しかしなかなか情報が見つからなくて困っていました。どうやらこの国では汚染の状況は秘密事項になっているにちがいない、と思っていると、実は簡単にダウンロードできることが分かりましたので、皆さんにもお知らせします。

 チェルノブイリ原発事故の後、放射能はどうなっているのか? といった土壌の調査ですが、広範囲にわたるため、細かく毎年行われて細かく公表されていません。大掛かりでしかも公式な発表はこの2009年のものです。
 この本は「Атлас современных и прогнозных аспектов последствий аварии на Чернобыльской АЭС на пострадавших территориях России и Беларуси」というもので、分かりやすく言えば、チェルノブイリ原発事故の被害を受けたロシアとベラルーシの地域の現在の汚染状況を表した地図と未来の予測地図を掲載したものです。

全てロシア語なので分かりにくいですが、こちらのサイトからダウンロードしてみてください。

http://www.chernobyl.gov.by/index.php?option=com_content&view=article&id=26&Itemid=55


 この↑ サイトを開くと、ページの右下のほうに緑色の矢印があり、その横に水色の文字があります。
 これがロシア語の「ダウンロードする」なので、それをクリックしてください。
 そうするとPDFファイルで汚染地図をまとめた本の中身が全部ダウンロードできます。
 ただ全部ロシア語表記で、しかも横向きに地図を掲載している箇所もあるので、分かりにくいと思います。

 また、これは2009年の調査結果を表した地図がほとんどですが、中には過去の汚染地図や、未来の予測地図もあるので、注意してください。
 
 表題からも分かるようにウクライナの汚染地図は掲載されていません。あくまでベラルーシとロシアの両国で共同で作成した物です。
 またロシアは広いので、ロシアの中でも汚染地域になった3つの地域しか地図はありません。
 それとベラルーシがくっついた変な形が「全図」という扱いで表示されているときもあるのですが、見慣れていない人から見ると「これはどこの国?」と変に思うかもしれません。

 ちなみにこの本は、一般には市販されず、関係機関にだけ配られました。そのため一般人が目にする機会はほとんどありません。
 放射能や被曝などに関心を持っている一般人はダウンロードしてみてください、という感じです。
 逆に言えば、関心のない人は全く目にすることなく過ごしているということです。

 画像はミンスク市内のある普通の公立の学校の図書室でこの本が所蔵されているのを発見し、驚いて撮影させてもらったものです。
 ミンスク市立の学校の図書室全部にこの本があるわけではなく、この学校は特別なほうです。
 ちなみに私が勤務している公立児童図書館にはこの本はありません。

 でも、PCで見ることができるのでよかったです。
 このように毎年ではありませんが、ロシアとベラルーシは公式に汚染地図を作成しきちんと発表しています。
「ロシアやベラルーシの国なんて信用できない。」と穿った見方をする日本人もいるかとは思いますが、私としては
「これが公式発表された地図で、現在のところ最新版ですよ。」
とこのブログでも情報提供したいです。
 日本の皆様の疑問への回答に少しでもなれば幸いです。
「このページの地図の意味が知りたいけど、ロシア語なのでどうしても分からない。教えてほしい。」と言う方は、私宛にメールでページ数などご連絡ください。