ベラルーシの部屋ブログ

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祝!!! ベラルーシの作家アレクシエービッチがノーベル賞受賞!

2015-10-08 | ベラルーシ文化
 ベラルーシの作家スベトラーナ・アレクシエービッチがノーベル文学賞を受賞しました!!!
 感涙。

 毎年「村上春樹が受賞したら翌日からうちの図書館で村上春樹展やろう・・・」と一応準備しているんですが、今年アレクシービッチが受賞しましたよ!
 明日から日本文化情報センターで、アレクシエービッチ展始めます!

 先月このブログ上で「12歳で大学に入学」でも少し書いたのですが、ベラルーシは独立して時間が経っていないこともあり、ベラルーシ人で、ベラルーシ在住でノーベル賞を受賞した人はいなかったのです。

 「母国とその文化への賞」=アレクシエービッチさんが喜び―ノーベル文学賞

 いやあ、うれしいですねえ。
 受賞理由は「我々の時代における苦しみと勇気の記念碑と言える多声的な叙述に対して」だそうです。なるほどねえ。
 アレクシエービッチも、「私ではなく、私たちの文化、歴史を通して苦しんできた私たちの小さな国への授賞だ」とコメント。うれしい。
 でもしかし、アレクシエービッチは「ソ連社会の裏側」を表に出した人だと私は思うんですよ。それはやはり普通なかなかできないことです。

 HP「ベラルーシの部屋」内のスベトラーナ・アレクシエービッチのページはこちらです。

 毎日新聞の記事はこちら
 この記事の最後にいろいろ書いてありますが、アレクシエービッチの著作は、うちのミンスク市立児童図書館の貸し出しコーナーに開架で置いてあり、自由に貸し出しされています。
 日本語訳が読みたい方は日本文化情報センターへ。(^^)

 ベラルーシの出版社もアレクシエービッチの全作品の重刷を決定しました。
 もちろんベラルーシ女性として初のノーベル賞受賞です。
 厳密に言うと、アレクシエービッチの母親はウクライナ人、父親はベラルーシ人ですね。生まれたところは今のウクライナですが、ベラルーシの作家という認識です。
 
 私の頭の中ではソ連の裏側をひっくり返して見せたジャーナリスト(彼女の作品は純粋な文学ではなく、文学とジャーナリズムの間にあるものだと思います。)なので、ノーベル文学賞受賞は実は厳しいのでは? と思っていました。

 しかし予想は外れましたね。
 ある意味、ソ連は大国だったけど、たくさんある世界の国の1つなのです。
 そうであるにも関わらず、翻訳されたものを読んで多くの非ソ連の人が共感したのが、今回のノーベル賞受賞につながったと思うんです。
 ソ連社会なんて聞くと「特殊な社会なんだろ。」と思う非ソ連人(日本人)も多いでしょうが、どうしてアレクシエービッチの作品が人種を越えて、世界的な文学として認められたのか・・・ここに大事な鍵が隠されていると思います。 

  

  
   
 

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