ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2022年9月25日。ウクライナ侵攻から215日目

2022-09-25 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年9月25日。

 ロシアからベラルーシへ向かう幹線道路の国境地帯では長い渋滞が起きています。ロシアから車でベラルーシへ出国しようとしているロシア人が急増しているようです。ロシア人にとってはビザ無し・陸路で入国できる国の一つなので、こうなって当然ですね。
 

 ベラルーシ外務大臣は国連総会で演説し、西側諸国は、NATO のメンバーとしても、EUのメンバーとしても、ウクライナを必要としておらず、自分たちの『大いなる遊戯』でウクライナを『ロシアに対して』利用しているだけだと発言しました。さらに質問に対しロシアの「特別軍事作戦」が「戦争」であると答えました。答えるのに15秒かかりました。
 ロシア政府は今でも「戦争」でも「侵攻」でもなく「特別軍事作戦」としていますが、戦争でもないのに動員はするとはどういうことなのか。矛盾しています。
 ちなみにベラルーシ大統領は早い時期からこれは「戦争」と発言しており、今ベラルーシ外相が「はい、戦争です。」と答えるのは別に問題ではありません。


 ロシアのダゲスタン共和国エンディレイ村で、動員を阻止しようと村人らが道路を封鎖し、対応にあたった治安当局が空に向かって威嚇射撃する様子がSNS上に拡散されました。首都マハチカラでも抗議デモが発生し、多くの女性が街に繰り出して警官らと衝突。
 ダゲスタン共和国首長は「動員に間違いがあった」と自らのSNSに投稿し、ロシア政府を批判しているとも取れる発言をしました。

 ブリヤート共和国では、すでにコロナで亡くなっていた男性に召集令状が届きました。(ベラルーシでも2020年に反政府デモに参加したという理由で数年前に亡くなっていた人に出頭命令が出ましたからね・・・。)

 ロシアへの編入の是非を問う住民投票で、ザポリージャ州では投票初日、93%の住民がロシアへの編入を望むと投票していたことが明らかになりました。
 早ければ今月30日か来月1日からロシアへ編入されてしまうでしょう。そうすれば州内の男性はロシア軍へ徴兵することができるようになります。

 ロシア政府の市民社会と人権発展評議会の議長が、ロシアに帰化した外国人がロシア軍の兵役に就けるよう、受入対象年齢を45歳か50歳まで引き上げるよう提案しました。
 つまり、ロシアでは27歳になるまでに兵役に就かないといけません。この経験がある人が、軍務経験のある予備役兵として、今招集されているわけです。
 しかし27歳を過ぎてから、ロシアに来て帰化し、ロシア国籍を取った外国人は兵役に就くことができないので、この27歳という規定を帰化外国人については45歳か50歳までに引き上げたらいい、という提案なのです。
 そうすると、例えば44歳のときにロシアに帰化した外国人は、帰化してからすぐに兵役義務に就かないといけなくなります。
 このように法律が改正され、すぐに施行されると、徴兵できるロシア人の数を増やすことができます。
 このロシアに帰化した外国人の中にベラルーシ人が含まれている可能性は高いです。


 ロシア正教のキリル氏総主教は25日の礼拝で、ウクライナで多数の死者が出ている現状について、
「兄弟殺しの戦争で殺し合う兄弟が1人でも少なくなるよう、教会はこの戦いが可能な限り早く終わることを祈っている。」
と戦争反対・平和希求の言葉を述べましたが、同時に、
「もし職務を果たす義務の遂行中に命を落とした場合、間違いなく犠牲に等しい行為になる。他人のために我が身を犠牲にしているのだ。こうした犠牲により全ての罪が洗い流されるものと確信している。」
とも話しました。
 戦死という犠牲の代わりに全ての罪がなくなるということですか。動員に賛成し、後押しする発言ですね。