ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2022年9月20日。ウクライナ侵攻から210日目

2022-09-20 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年9月20日。
 ミンスクは今日も雨。セントラルヒーティングの暖房が、今日から学校、病院から優先して入るとニュースで言っていたのに、私の職場は今日は入りませんでした。 
 でも、戦争のためにインフラを破壊されてセントラルヒーティングどころではない地域に住んでいる人のことを思えば、何でもありません。

 ウクライナの親ロシア派勢力は今日、ドネツク州、ルハンシク州、ヘルソン州、ザポリージャ州の支配地域で、それぞれ今月23日から27日にかけてロシアへの編入に向けた住民投票の実施を決めたと表明しました。3日後に迫っています。本当に実施されるでしょうか。


 フランス大統領は今日、ウクライナ南東部でロシア編入の是非を問う住民投票が実施されることについて、こうした住民投票は「皮肉なパロディ」であり、国際社会が認めることはないと述べました。


 ロシア大統領はフランスから要請のあった両国大統領の電話会談を断りました。


 エストニア在住のロシア人とベラルーシ人で、銃器を所有している人は、自発的に銃を警察に引き渡さなければならないとエストニア首相が発言しました。あるいは警察が押収するそうです。


 ベラルーシ大統領は、安全保障理事会国務長官に、戦時中の規範に従って警報を発する準備ができていることやな軍部隊から民兵までの全ての軍事力を確認するよう指示しました。
 ベラルーシが戦時中であると想定して準備しておくように、と言っているのと同じです。


 ロシア大統領報道官は、ウクライナ大統領がイジュームでロシア軍が民間人数百人に拷問を加えたうえに殺害するという戦争犯罪を行ったと主張していることについて、「うそだ」と述べ、作り話であるとしたブチャ虐殺を同じだと首長しました。


 ロシアの民間軍事会社「ワグネル」がウクライナでの戦闘に送り込む兵士として、有罪判決を受けた受刑者を採用しようとしている動画が出回りましたが、アメリカ国防当局者によると、1500人の受刑者が対象となっているものの、多くが拒否しているという見方を明らかにしました。
 この動画では、ロシア人(受刑者)だけでなく、タジキスタン人、ベラルーシ人、アルメニア人の受刑者も採用しようとしています。つまりロシア人でなくてもワグネルに採用するということです。
 ベラルーシ人でわざわざロシアの民間軍人会社に採用されてでもウクライナへ行って戦闘に参加したいと言う人はあまりいないと思います。ただ報酬は大きいですよね。もっとも死んでしまってはどうしようもありません。
 受刑者がワグネルの誘いを断るのも当然でしょう。刑務所の中のほうが戦場より安全です。


 ロシアは本格的に外国人部隊を作るようです。国内に外国人部隊を滞在させる場所(そこで登録などの作業をするセンターです)を設置すると発表しました。


 ウクライナのフョードロフ副首相兼デジタル転換相は、同国のIT部隊がワグネルのサイトのハッキングに成功し、「雇い兵の個人情報を全て手に入れた」とテレグラムに投稿しました。


 今夜、エネルホダル市の暫定行政当局(ロシア派)はウクライナ軍がザポリージャ原子力発電所を再び砲撃したと緊急発表しました。砲弾が冷却システムを損傷し、特別施設と原発職員が食事をしていた食堂にも命中したとしています。食堂で食事中だった職員は被害を受けていないと発表しましたが、冷却システムのほうはどうだったのかよく分かりません。


 ロシアの俳優で監督のセルゲイ・プスケパリスが交通事故死しました。
 プスケパリスはドンバスの住民を支援しており、自費で購入したミニバスを運転してドネツクへ行く途中2台のトラックと接触、衝突する事故で死亡しました。
 

 自分を夫と同じく外国のエージェントであると認めてほしいとロシア法務省に訴えたロシアの国民的歌手、アーラ・プガチョワですが、その言動がロシア軍の信用を傷つけたとして、起訴される可能性が出てきました。


 イタリアのイル・メッサジェッロ紙によると、ウクライナ側の義勇兵として27歳のイタリア人男性が戦闘に参加し、ハルキウ近郊での戦闘で死亡しました。
 もともとエアガンを撃つのが趣味だったそうです。


 今日、ロシアの株価が急落しました。動員や戒厳令発令のリスクに対する懸念が出てきたためとする意見もありますが、戒厳令を発動すると、戦時中であることを認めることになり、あくまで今回の侵攻は特別軍事作戦のままにしておきたのなら、戒厳令も強制的な徴兵などはできないと思います。