ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2022年9月21日。ウクライナ侵攻から211日目

2022-09-21 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年9月21日。
 
 朝からロシア大統領が部分的ですが、動員を実施するための大統領令に署名したと述べました。対象はロシア軍の予備役で、動員の措置は今日から導入されるということです。間髪入れずという行動力です。
 ベラルーシでも動揺が広がりました。ベラルーシからも軍事要員を提供するようロシアから求められる可能性が増えたからです。
 すぐさま、ベラルーシの安全保障理事会国務長官が、「この動員はベラルーシで行われるものではない。ベラルーシでは動員を行わない。(通常の)徴兵(義務)はすでに実施されている。」と国民に呼びかけました。

 昨日、戒厳令や動員がある不安があるので、ロシアの株価が下落したとこのブログで書き込みましたが、それをすると徳兵衛つ軍事行動ではなく、戦争として認識(立場の切り替え)ができるので、ロシア大統領として認めるかどうか・・・と思っていましたが、その途端、このニュースですよ。ロシアの株価はまた下がるでしょう。でも、株の値段なんか私を含め多くの人には直接影響のないことです。
 それより、気になるのは今回の動員決定により、ロシア大統領は軍事作戦から本格的な戦争へ舵を切ったと言わざるを得ません。
 状況が深刻化しそうで心配です。

 また、ロシア大統領はウクライナ東部と南部で23日から実施するとされるロシア編入に向けた住民投票について、結果を支持すると述べました。この投票が本当に実施されるのかどうか分かりませんし、実施されても、絶対「大多数の住民がロシア領への編入に賛成した」という結果を発表するでしょう。
 そして、これらの地域がロシアに編入されると、そこへウクライナ軍が砲撃すると、ロシア領に攻撃をした、ことにできます。

 さらには、欧米諸国が核の脅威をちらつかせていると訴えましたが、これを読んでいる日本人の皆様は「えー、ちらつかせているのはロシアのほうでしょ?」と思うでしょうね。
 ロシア大統領は、ロシア本土とウクライナにある親ロシア派地域の安全が脅かされた場合は、ロシアが持っている全ての武器の使用も辞さないとして、核兵器の使用も示唆。「これは、はったりではない」と強調しています。

 ベラルーシ大統領は安全保障理事会国務長官との会合で、ロシアと共通の軍隊を実際に持っていると述べました。このことについて、「何を驚くことがあるのか。20年前からある。」とプレス向けに発言。つまりロシアとは20年以上朋友であり、同盟国であり、ベラルーシはロシアとともに、ロシアはベラルーシとともにある、と強調しました。
 ベラルーシは南と西の国境に脅威があり、ベラルーシ軍がウクライナに攻め込むことはなくても、ベラルーシへやってくる脅威は押し戻さなければならず、それをロシアが助けてくれるから大丈夫、という考えを繰り返しました。


 ロシアのショイグ国防相は今日、国営テレビで放映されたインタビューで、ウクライナ侵攻に伴うロシア側の戦死者が5937人に上ったと明らかにしました。アメリカ国防総省は負傷者も含めたロシア軍の損害を「7万~8万人」と推計していますが、逆にロシアはウクライナ側の損害について、10万人以上と主張し、死者数は6万人以上としています。

 また、国防相は軍務経験がある予備役約30万人を段階的に招集すると述べ、ロシアの予備役は2500万人もいるので、動員されるのは全体の1%にすぎないとしています。動員される人の確率は100人に1人だから、あなたに当たる確率は低いですよ、と言いたいようです。
 国防相はさらに、学生は招集しないと述べ、学生は「落ち着いて授業に出続けるように」と呼びかけました。
 徴集兵を前線に送り込むこともしないと述べましたが、これまでに「演習に赴け」と命令して、実際にはウクライナの前線(実戦)に送り込まれれた徴集兵が大勢いたので、信用できません。