ノーヴァヤ・ボロヴャヤという団地で断水が起こってから今度は暖房(セントラルヒーティング)も止まりました。団地全体ではなく一部の住宅だけだそうですが、今日はミンスクは積雪もあり、暖房なしはつらいですよ・・・。
この団地は以前から反政府団地デモを活発にしていた住民が多かったのですが、水も暖房もない現状が報道され、すぐに他の反政府デモ集会をしていた団地の住民が、ペットボトルに入った飲料水や、組んできた水道水などを車やトラックに乗せてノーヴァヤ・ボロヴャヤに運びました。
日本だと震災のときの助け合い運動に似ています。
反政府派は反政府派を助ける、というわけです。
もちろんノーヴァヤ・ボロヴャヤ団地に住んでいる人全員が反政府派というわけではないでしょう。そしてもちろん、政府派の住人は、反政府派からの水をもらえないわけでもありません。
ベラルーシのフリースタイルスキー、2019年世界大会金メダリストのアレクサンドラ・ロマノフスカヤ選手は、大統領選挙後のベラルーシ情勢に自分の見解を述べたところ、ベラルーシのナショナルチームから除名されました。
ロマノフスカヤ選手は自分の金メダルをオークションに出品して、落札されました。得た収益は全て、現在リトアニアにあるベラルーシの反政府派選手が集まって設立した組織に寄付するそうです。
来年の東京五輪、ベラルーシ代表選手はどうなるでしょうか。つまり、予想してみるとこうなります。
パターン1 もし現政権が続くと、今ベラルーシ・ナショナルチームのメンバーの中からオリンピックの代表選手が選出され、現国旗を手にして入場行進。反政府派選手が設立した組織に所属する選手は、もちろんどんなにメダルに近いところにいる選手でも、ベラルーシ五輪代表として選出されない。
パターン2 もし現政権が倒れた場合、ナショナル・チームのメンバーではなく、反政府派選手組織のメンバーからオリンピック代表が選出される。白赤白の旗が正式に国旗として認められ、それを手にして入場行進。
今日も国営工場の従業員が次々と退職願を出しています。大学では学生デモが続いています。今日は国際学生の日です。
国立ドラマ劇場の俳優が検閲に抗議して退職しました。
新聞社「ナロドナヤ・ヴォーリャ(訳すと「民族の意思」)」が紙媒体での発行を断念し、ネット配信だけに切り替わりました。この新聞を印刷してくれる印刷所がベラルーシ国内にはないからです。
雪がうっすら積もったところでは、雪の上に線を引いて、反政府スローガンを書いている人もいます。
有名人気俳優アレクサンドル・ジダノヴィチさんが今日、釈放されました。早速マスコミのインタビューを受けて、刑務所では、IT企業の社長、数学者などさまざまな経歴の人が拘留されていて、特にすることもないので、時間が早く過ぎるよう、同じ檻房の人といろんな話をしたそうです。みんな自分が知っている話を順番に話して、聞いていたそうです。ジダノヴィチさんは、オー・ヘンリーの短編を語って聞かせたとか。俳優だから物語も上手でしょうね。何の話をしたのでしょうか。「赤い酋長の身代金」かな?(あくまで私の勝手な想像です。)
今日の午後、ようやくノーヴァヤ・ボロヴァヤ団地に水道と暖房が戻りました。水道は三日ぶりです。