ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

11月2日、年金生活者のデモ行進

2020-11-02 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 11月2日はベラルーシでは日本で言うところのお彼岸に当たる日です。休日にはなりませんが、墓参りをする日です。

 

 11月1日から、ベラルーシは年金を引き上げました。つまり今月から年金生活者はもらえる年金が増えました。

 これで文句はないだろう・・・と政府が思ったかどうかは分かりませんが、月曜日恒例の年金生活者の反政府デモ行進が予定通り行われ、多くの高齢者が参加しました。数ははっきりしませんが、1万人近くでしょうか。

 「国営テレビBTは嘘つきだ」「ルカシェンコ大統領なしの正月を迎えたい」といったプラカードを掲げて高齢者が大勢独立大通りを行進しています。

 政府からしたら、年金額を上げたのに、文句ばかり言う年寄り・・・でしょうか。

 もともとこの人たちは年金(お金)が問題なのではありません。自分の子どもや孫が治安部隊から暴力を受け、留置所に入れられていたとしたら、どうでしょう?

 おじいちゃん、おばあちゃんは政府から年金を多めにもらえるようになったから、これからは政府のやり方に文句は言わないことにする・・・と子や孫に言えるでしょうか?

 もらえる年金が少しばかり増えたからって、自分の良心を捨てるわけにはいきません。

 もちろん、世の中には前々から大統領を支持している人たちもいます。子ども世代が、「この国には自由がない。」などと言いながらデモ集会に行くのを、「やめなさい。頭を冷やしなさい。」と止める親世代もいます。

 

 今日、月曜日に「退学処分を受けたのを不服とする保護者は午後1時半に来てください。」としていたベラルーシ医大。

 保護者がみんなミンスクに住んでいるとは限らないのですが、ともかく来られる保護者は今日、大学に集まりました。

 すると「あなたの子息は別に退学になんかなってない。6−7ヶ月病院で看護師か衛生士の仕事してればいいのですよ。退学処分を取り消せ、ということ自体がおかしい。退学処分なんかしてないんだから。」と学長は保護者を説得しました。

 一方で200人以上のベラルーシ医大の教職員が、退学処分になった学生の処分取り消しを求めて署名を提出しました。

 するとこの署名を提出した教職員に対して、罰が与えられるのかブラックリスト作成中という噂が大学内で流れています。

 ベラルーシ医大では夕方大学前でデモ集会が行われました。その後治安部隊が来て、8人が身柄拘束されました。

 

 ミンスク言語学大学では、学生側に立っていた教員が解雇されたことに対してその取り消しを求める学生の署名運動が始まりました。

 他の大学でもデモ集会が始まりました。

 

 高齢者のデモ行進に医療従事者が合流しました。

 

 グロドノ・アゾトの従業員がビデオメッセージを発信し、退職すると宣言しました。

「もう働きたくない。働いて税金を払い、その税金が治安部隊の弾になり、国民に向けられるのが嫌だからだ。」

と話していました。

 他にも国営企業で働く従業員が、

「私はもう奴隷ではない! 君は?」

と書いた紙を掲げた画像をメディアがネット上で公開しました。もちろん自ら退職したということです。

 

 大統領はベラルーシ経済について「隣国諸国と比較して、ベラルーシの景気は上向きである。」と言及しました。

 

 ベラルーシ・ルーブル安が今日も進みました。

 

 夕方、複数の銀行のカードでの支払いができなくなっていることが分かりました。理由ははっきりしません。

 

 10月26日に閉店していた飲食店がその後営業停止処分を受けていましたが、今日、数軒が営業を再開しました。

 一方でブティックが一軒、営業停止処分そして罰金を課せられています。

 

 IT企業がBySol基金を2ヶ月半前に立ち上げましたが、これは治安部隊、警察、軍、KGBなどを「もう国の命令を聞きたくないから」退職した人のために、生活費を支援する基金です。

 上からの命令とは言え、旗を持っているだけで殴って拘束しないといけないなんてこんな仕事もういやだ、と思っている人や、治安部隊員というだけで、家族まで近所の人から白い目で見られ、責められる、もう嫌だ・・・と思っている人もいるわけです。

 しかしやめたら、収入がなくなるしと思っている人の背中を押すためにこの基金が作られたわけです。

 その基金の代表が今日、

「11月8日までに退職してください。それまでに退職した人には支援金を渡します。そうしなかった人たちは、暴行罪、傷害罪などで訴えます。」

と告知しました。

 軍人や警官などがどのような反応をするのか、今月8日以降に明らかになるでしょう。

 いや、ベラルーシの裁判長は政府寄りなのだから、裁判で絶対勝つ、と思っている人もいるでしょう。

 しかし、もしも社会が一変したらどうなるのでしょうか? 現大統領は不死身ではありません。いつか大統領は変わります。変わりようによっては、今デモ参加者を警棒で殴っている人たちは、暴力行為を実行したことは事実なのですから、そこのところを責任通級されて裁判にかけられる可能性もあるわけです。

 このまま現政権が永遠に(少なくとも現役治安部隊員が寿命を全うするまでの時間)続けば、デモ参加者つまり社会に騒乱を起こした無法者たちを厳しく取り締まった英雄として残りの人生を生きられます。しかし死ぬまでに社会が逆転したらこの治安部隊という英雄はどうなるのでしょうか? どうなるのか想像したことはあるのでしょうか?

 BySol基金の代表は「これが最後のチャンスです。」と明言しました。

 


ベラルーシのコロナウイルス感染者10万400人。死者数989人

2020-11-02 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 11月2日の書き込みです。

 ベラルーシのコロナウイルス感染者数は100400人になりました。とうとう10万人台になりました。1日の新規感染者数は941人です。

 死者数は989人です。

 87400人が回復しました。

 253万件の検査数となりました。