ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

チロ基金の活動「ビタペクト&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第207回」

2017-03-20 |   ビタペクト配布活動
 3月20日にビタペクト3と「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村への第207目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。
 今回はビタペクト3を7個、そして「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーを2部渡しました。
 これで今までに配布したビタペクト2、ビタペクトT、ビタペクト3の合計は2515個、セルロースの合計は85個、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーは2160部となりました。
 今回で通算223回目の配布となりました。
 延べ人数ですが、2515人の子どもにビタペクトを、約76人の子どもにセルロースを、2160家族に「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります。

(これまでのビタペクト配布運動について、詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/index.html


http://blog.goo.ne.jp/nbjc/c/e1e67d76a4796f3c95377bb7bdabd215


(またこの活動報告を読むにあたり、「チロ基金の活動『ビタペクト2無料配布』について追加のご説明」も併せてご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/67c3b73ea2f30e880c3d4eb8bedded13


(ビタペクト2とビタペクトTについてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/5cab63b65562dd2f64a820a7e4298a0b


(ビタペクト3についてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/922c333857741c5448f66d4fe00b25e1


(「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/chel/index.html



(SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/bb1fb7afb4cac464789e2684181e7d42


(WBCによる測定、ビタペクトを開発、製造、販売しているベルラド放射能安全研究所の公式サイトはこちらです。)

http://www.belrad-institute.org/


(ベルラド研究所について日本語でご紹介している記事はこちらです。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/c382ef7eca8660531e895c8a646e7f2a


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%A9%E3%83%89%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E5%AE%89%E5%85%A8%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%89%80


 チロ基金は以前ビタペクトに代わり、ペクチン入りセルロースを配ったことがあります。セルロースについてはこちらです。

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/43f810eddd1efc451f5171ef3cd35a7a


(家族A)

 グルボーコエ(チェルノブイリ原発から約450キロ)から来た家族。
 この家族にはビタペクト3を2個渡しました。
 この一家は2008年、2014年、2015年にも保養に来たことがあります。
 そのときの様子はこちらをご覧ください。

チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第78回」(家族B)

チロ基金の活動「ビタペクト&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第159回」(家族A)

チロ基金の活動「ビタペクト&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第174回」(家族A)

 それぞれの体重1キロあたりの放射能測定結果はこのとおりです。2008年、2014年、2015年に測定をした子どもはその結果も表記しました。
 ○印の子どもにビタペクト3を1個ずつ渡しています。

母親(事故発生時15歳)17ベクレル ○ → 16ベクレル → 12ベクレル → 14ベクレル
長女(25歳)  4ベクレル → 15ベクレル
次男(19歳) 17ベクレル(2014年) → 3ベクレル → 17ベクレル
三男(15歳) 27ベクレル ○ → 25ベクレル ○ → 19ベクレル → 14ベクレル
次女(10歳)  0ベクレル → 33ベクレル ○ → 17ベクレル → 33ベクレル ○
孫(女・3歳) 11ベクレル(今回初測定)
孫(男・1歳) 17ベクレル(今回初測定)
男子(13歳) 22ベクレル ○ → 6ベクレル → 31ベクレル ○

 孫2人は長女の子どもです。チロ基金としてはこの長女とその娘は別の家族とせず(家族A)といっしょに表記しています。
 三男は急性白血病患者です。13歳の男の子は養子で、肝臓に腫瘍ができています。
 このお母さんとはまたゆっくり話ができませんでした。13歳の男の子がSOS子ども村のすぐ近くにある子ども腫瘍学センター(病院)に通院治療を請けているので、1日2回連れて行っていました。
 ただ、33ベクレルだった次女が、自分の家の水道の水を生で飲んでいるから、一人だけ数値が高いと思うとお母さんが言い出しました。
 何でも自分の家の水道水を測定にだしたことがあるそうです。すると、放射能に汚染されている、という結果だったので、「どうしたらいいんですか。」ときいても、「どうしようもない。」という返事しかもらえなかったそうです。
 もっとも「数値はどれぐらいだったんですか?」と私がきいても、お母さんは、覚えていないと言う返事でした。おそらく高い数値ではなかったと思います。そうでなかったら、とっくにこの町で病人が続出すると思います。

 チェルノブイリ原発事故発生からもうすぐ31年ですが、地面にしみこんだ放射性物質が、地下水にしみこんでいる混ざっている状態なのかもしれません。ベラルーシでは地下水を汲み上げて水道水に使っている自治体が多いのです。
 お母さんの話ではグルボーコエは周りの土地と比べて標高が低く、放射能がたまりやすいと思うと話していました。
 水道から放射能の含まれた水が出ているなんてショックです。
 フィルターを通してろ過した水を飲むようにすればいいのではないかと思いますが、全て放射性物質が取り切れるか分かりません。
 水道水が汚染されているとなると、「きのこをきれいに洗って放射能を取りのぞきましょう。」といったアドバイスが役に立たなくなります。
 何だか心配です。


(家族B) 
 コルマ(チェルノブイリ原発から約140キロ)からお母さんが5人の実子と2人の養子をつれて保養に来ていました。この家族には5個のビタペクト3を渡しました。
 それぞれの体重1キロあたりの放射能測定結果はこのとおりです。○印の子どもにビタペクト3を1個ずつ渡しています。

母親(事故発生時3歳)21ベクレル
女子(12歳) 45ベクレル ○
男子(10歳) 30ベクレル ○
男子 (7歳) 43ベクレル ○
男子 (5歳) 28ベクレル ○
男子 (2歳) 29ベクレル
養子 (3歳) 40ベクレル ○
養子 (2歳) 36ベクレル 
 
 この一家にはさらに3人の実子がいますが、今回はお父さんと留守番をしているそうです。
 お母さんは子どもたちの数値が高かったので、驚いたそうです。
 お話によると、この一家はもともとゴメリ市に住んでいました。お母さんの祖母が病気になり、介護が必要になったので、思い切ってゴメリの家を売って、祖母の住む村に引っ越したそうです。
 それが5年前。祖母は2年後亡くなったのですが、自然環境のいい村で子どもを育てようと考え、養子ももらいました。
 この村は実際には汚染地域に指定されていたのですが、住むことは許されていました。1年前には汚染地域指定から完全に解除されたそうです。
 ところが、引っ越してから家族が病気になるようになったそうです。まず45歳の父親が急に高血圧になり、降圧薬を飲んでいるのに、全く血圧が下がらないそうです。
 7歳の男の子は、生まれたとき健康だったのに、現在心臓に穴が空き、頻脈になって、この冬2回入院したそうです。医師は18歳になったら、心臓手術をするよう勧めましたが、それまでの11年間は、半年おきに入院しないといけないそうです。

 12歳の女の子は慢性頭痛に悩まされるようになりました。
 10歳の男の子は2カ月前、海外へ保養に行ったそうです。それで、この子は数値が低いとお母さんは話していましたが、私からすると他の子どもと大きな違いはないように思います。
 
 他の子ども達は比較的健康だそうです。
 お母さんは被爆の原因を家で飼っているヤギの乳を飲んでいるからだと、主張していました。
 この一家は、森のキノコ、ベリー、野生動物の肉(ジビエ)、販売されている牛乳などは一切口にしていないそうです。
 一度、心配して飼っているヤギの乳を検査してもらったところ、
「6ベクレルだから大丈夫。」
と言われたそうです。それが本当に大丈夫なのか、あまりお母さんは信じていないようでした。

  画像は記念撮影したものです。全員写っているわけではありません。お絵かきが好きな子どもたちが多かったです。(^^)

 今回子どもたちに折り紙、折り鶴、日本のシールなどをプレゼントしました。
 最後になりましたが、ビタペクト3の購入費、そして「放射能と栄養」をコピーするために必要な経費を寄付してくださった方々、折り紙など子どもたちへのプレゼントを寄贈してくださった方、また日本ユーラシア協会大阪府連主催のバザーなどでSOS子ども村への交通費を捻出してくださった多くの日本人の皆様に深くお礼申し上げます。
多くの方々に支えられて、この活動が続いています。
ベラルーシの子どもたちもお母さんたちもSOS子ども村の職員の方々も皆様に大変感謝しております。本当にありがとうございました。