ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

子どもが対象であることを表示している食品 (3)

2011-10-19 | 放射能関連情報
 こちらはベラルーシで売られているコーンフレークです。
 いろいろなタイプのコーンフレークが売られています。
 左はカロリーの低いタイプの商品です。
 英語で書いてあるのですぐ分かると思いますが、商品名は「フィットネス」
 低カロリーなので痩せられる、パッケージの白いイラストのシルエットのようなスタイルになれ、きつかったジッパーも上がるようになる、というデザインですね。右下の女性はテレビ司会者が「これで簡単にスリム体形に!」と微笑みかけています。

 右の箱はクマの宇宙飛行士のデザインです。コーンフレークはロケットや星の形をしています。「はちみつ入り!」とありますね。さらに動物の写真がデザインの三角定規がおまけについている、とあります。
(個人的にはこのカエルの三角定規ではなく、左下のようなきれいな熱帯魚のデザインの定規が出てくることを期待しながら、この箱を撮影後開けてみましたが、ものの見事にパッケージのと全く同じカエルの定規が出てきました。赤い目が怖い・・・。わが娘はカエルでも喜んでいましたが・・・。)

 このようなコーンフレークが並んで売られていると、普通子どもは右のコーンフレークを買ってほしいと思います。
 つまり、これはコーンフレークでも子どもが対象であることを表示している食品として分類されます。
 子どもが太り気味だから、この「フィットネス」のほうのコーンフレークを子どもに食べさせています、という親もいるでしょう。しかし、普通はこれは子どもが対象である食品とはされません。

 以上のように一般的な常識で判断して子ども向けなのかどうか分類しています。
 もちろんおまけがついていない板チョコなどのお菓子もあります。
 ベラルーシ人は甘いものが好きで、大人でもお菓子をたくさん食べます。
 全てのお菓子イコール子ども対象、というわけではありません。
 またおまけがついていないお菓子イコール子ども対象ではない、というわけでもありません。

 スーパーに行くと、アニメキャラクターがパッケージデザインにつかわれたグミキャンディーが売られていました。グミはカラフルで、形はミミズでした。おまけはついていませんでしたが、これは明らかに子ども向けの食品です。
 シンプルなデザインで上品な色使いの箱に入ったチョコレートの詰め合わせも売られています。これは大人も子どもも食べますので、子ども向けの食品扱いにはなりません。

 ちなみにベラルーシでは子ども、というのは17歳までを指します。
 (17歳にもなっておまけほしさに子ども向け商品を買う高校生は少ないと思いますが・・・。) 
 
 ベラルーシが定めた基準値の中に「子どもが対象であることを表示している食品」という枠があることの意味、具体的にはどういう食品のことをさしているのか疑問に思った日本人の皆さんにもご理解いただけたら・・・と思います。
 

 

 

子どもが対象であることを表示している食品 (2)

2011-10-19 | 放射能関連情報
 次にこちらの画像をご覧ください。
 真上から撮影したので分かりにくいですが、これはベラルーシで売られているヨーグルトの画像です。
 左は普通のヨーグルトです。4個で1セットになっています。大人も子どもも食べます。
 右もヨーグルトですが、6個で1セットになっており、さらに厚紙製の包装でパッキングされています。厚紙の部分には
「この線にそって切り取るとカードになるよ。カードを集めてあそぼう!」
と印刷されています。
 このようなヨーグルトが隣同士に並べて売られていると、普通子どもはカード(おまけ)のついているヨーグルトのほうをほしがります。
 そうするとこれは「子どもが対象であることを表示している食品」に該当し、基準値「1キロあたり37ベクレル以下」でなければ販売できない、ということになります。
 もちろんこのカードを集めたくて、このヨーグルトを買ってきて食べています、という大人もいるでしょう。でもそういう大人は非常に少ないので、やはりこれはヨーグルトはヨーグルトでも子どもが対象であることを表示している食品になります。

 
 

子どもが対象であることを表示している食品 (1)

2011-10-19 | 放射能関連情報
 10月17日に放映されたNHKの番組「あさイチ」で、食品における放射能がテーマとして取り上げられました。
 その中で番組放送中寄せられた視聴者の方からの質問で
「ベラルーシの食品の基準値の中にある『子どもが対象であることを表示している食品』とは何ですか?」
というものがありました。
 確かに分かりにくいですよね。
 詳しくこのブログ上でお答えしたいと思います。
 
 (ベラルーシが定めた、子どもが対象であることを表示している食品の基準値は1キロ、あるいは1リットルあたり37ベクレルです。)

 まず「子どもが対象であることを表示している食品」で一番に挙げられるのは
「粉ミルク」
「ベビーフード」
です。
 これらはふつう大人は食べませんから・・・。
 そのほか「赤ちゃん用クッキー」「赤ちゃん用のお茶」などが売られていますが、もちろん包装に
「乳幼児向け」であることが表示されており、またデザインにも赤ちゃんの顔写真などが使われています。
 このような食品は全て、子どもが対象であることを表示している食品に含まれます。

 次に画像のほうをご覧ください。(クリックすると拡大します。)
 左に写っているのは「普通の牛乳」です。子どもが対象である、といった表示はありません。年齢に関係なく飲みます。
 この牛乳を子どもが飲むこともありますが、これは子どもが対象であることを表示している食品、ではなく、基準値と照らし合わせるときは、「牛乳」の基準値を参照します。

 その横にある青いパックの商品ですが、これは商品名が
「子ども牛乳」
です。これは子どもが対象であることを表示している食品になります。
 子ども牛乳にはいくつか種類がありますが、普通の牛乳商品とちがう点は、子どもの成長に必要なビタミン類が添加されているものもある、といった特徴があるほか、やはり「子どもが対象であることを表示している食品」なので「1リットルあたり37ベクレル以下」という基準値をクリアしているということです。
 普通の牛乳の基準値は1リットルあたり100ベクレルですので、もしかすると1リットルあたり99ベクレルの牛乳を子どもに飲ませているかもしれません。
 しかし子ども牛乳なら、1リットルあたり37ベクレル以下であることになりますから、より安心できる可能性が高くなります。
 普通の牛乳を子どもに飲ませるのは違法ではありませんが、より安心したい、という保護者は「子ども牛乳」のほうを買いなさい、ということです。
 購買者側の判断にゆだねられます。

 ちなみに我が家ではうちの子(小学4年生)が飲んでいる牛乳のほとんどは「子ども牛乳」です。普通の牛乳はあまり飲まないです。(どうして? ときかれると「うちはそういう方針だから。」とお答えするしかありません。)
 それから学校の購買でも牛乳が売られていますが、全て「子ども牛乳」で、普通の牛乳は販売されていません。

 それから画像の左側に写っているのは「ココア飲料」です。
 お湯でかき混ぜるだけでココアができる商品がいろいろ売られています。
 しかしこの商品をよく見ると、包装の上部に
「おまけつき! ミニカーを集めよう!」
とあり、蓋の上にさらにプラスチックの蓋がついていて、中におもちゃのミニカーが入っています。
 このようにおまけがついていて、明らかに子どもに買ってもらうようなデザインであると、中身は普通のココアであっても、子どもが対象であることを表示している食品である扱いとなります。
 もちろん大人でもおまけがほしくてこういうココアを買って飲んでいる人もいますし、逆におまけがついていない普通のココアを飲んでいる子どももいます。
 しかし、パッケージのデザインが明らかに子ども向けである場合や、ふつうおまけをほしがるのは子どもである、ということを考えると、今回の例のような商品は「子どもが対象」の食品に分類されます。