ゴールデンウィークも終わりに近づいた5月5日の午後、文翔館議場ホールでヤンネ舘野ヴァイオリン・リサイタルを聴きました。今回は「ロシアより愛をこめて」と題して、ロシア音楽の特集です。プログラムは、
というものです。
夏日のように日差しが熱い午後、駐車場の混雑を予想して早めにでかけたのが大正解。文翔館の無料駐車場は、ゴールデンウィークの観光客で大混雑でした。少し待って、帰るお客さんと入れ替わりに駐車することができました。すると、こんどはホールの開場前にも長い列。うーむ、皆さん、考えることは同じみたい(^o^)/
入場すると、ホールを横長に使い、中央にステージと反射板をセットして、ピアノとソリスト用の譜面台が設置されています。幸いに、ほぼ中央の席を確保することができました。
最初のリムスキー=コルサコフの「幻想曲」は、オーケストラと独奏ヴァイオリンのための協奏曲スタイルの音楽だったのを、クライスラーがピアノとの二重奏用に編曲したものだそうで、始まりはピアノだけで、これにヴァイオリンが入るところなどは、まさしく協奏曲の始まりをイメージします。けっこう技巧的なところもあり、おもしろく聴きました。
続いて、ひそかに楽しみにしていたプロコフィエフのヴァイオリン・ソナタ第2番。ヤンネさん、演奏の前にマイクを手にして、ヘルシンキ音楽院時代の先生の思い出話をしました。ヤンネさんが師事した先生は、Olga Parhomenko さんといい、オイストラフの弟子で、厳しいけれど実力のある小柄な女性の先生(*1)だったそうです。あるとき、ベートーヴェンのソナタのレッスンの時に楽譜を忘れてしまい、図書館にあるクライスラー校訂の楽譜で演奏したら、先生は知らないはずなのに「クライスラーのにおいがする」と言われたとのこと。へ〜、わかるもんなのですね〜(^o^)/
で、プロコフィエフの第2番のソナタ。もとはフルートソナタだったのを、オイストラフが要望してFlのパートをVnに移し替えて、ヴァイオリンソナタに直してもらったらしい。第1楽章:田園風、叙情的なモデラート、第2楽章:軽快で楽しいプレスト、第3楽章:静かで優しい、瞑想的なアンダンテ、第4楽章:活発なアレグロ・コン・ブリオの4楽章構成です。ピアノがほんとにステキです。
15分の休憩後、こんどはチャイコフスキーです。
作品42の、「なつかしい土地の思い出」は、第1曲:瞑想曲。実は文翔館でピアノの音を聴く機会はあまりないのですが、ピアノがよく響きます。ヴァイオリンは憂愁の表情をたたえます。第2曲:スケルツォ。やはりピアノが活躍します。弦を速く動かして、運動性があり表情も豊かな、チャイコフスキーらしいスケルツォです。第3曲:メロディ。これは聴いたことがある音楽ですね〜。良かった。
プログラム最後は、バレエ組曲「白鳥の湖」からの5曲。ヤンネさんが演奏前にマイクを持ち、東京の某オーケストラでチャイコフスキーのバレエを上演した時の面白い発見を話してくれました。というのは、ダンサーがうまいと、曲のテンポが遅くなるのだそうです。というのは、うまいダンサーほど高く跳ぶ=滞空時間が長くなるので演奏のテンポを遅くしないといけない、ということだそうです。なるほど〜! ピアノ編曲はマクダーモット他となっていますが、第1曲:白鳥から第5曲:ロシアの踊りまで、編曲がいいなあと感じます。ピアノがオーケストラ部を担当しますが、これが勢いがあり、しかもロマンティックに表現していて、バレエ音楽らしい雰囲気が味わえました。
アンコールは、3曲。
ヴァイオリンの流麗な旋律も見事だし、例えばラフマニノフで、ピアノに合わせてPizz.するところなども実に効果的、チャーミング。今年も良い演奏会を聴くことができて、良かった〜! ご苦労されたスタッフの皆様に、感謝を申し上げます。
(*1):Olga Parhomenko in memoriam 〜 YouTube より
Olga Parhomenko-In memoriam
- リムスキー=コルサコフ ロシアの主題による幻想曲 Op.33 (編曲:クライスラー)
- プロコフィエフ ヴァイオリン・ソナタ第2番 Op.94bis
- チャイコフスキー なつかしい土地の思い出 Op.42
- チャイコフスキー バレエ組曲「白鳥の湖」Op.20より (編曲:マクダーモット他)
Vn:ヤンネ舘野、Pf:白田佳子
というものです。
夏日のように日差しが熱い午後、駐車場の混雑を予想して早めにでかけたのが大正解。文翔館の無料駐車場は、ゴールデンウィークの観光客で大混雑でした。少し待って、帰るお客さんと入れ替わりに駐車することができました。すると、こんどはホールの開場前にも長い列。うーむ、皆さん、考えることは同じみたい(^o^)/
入場すると、ホールを横長に使い、中央にステージと反射板をセットして、ピアノとソリスト用の譜面台が設置されています。幸いに、ほぼ中央の席を確保することができました。
最初のリムスキー=コルサコフの「幻想曲」は、オーケストラと独奏ヴァイオリンのための協奏曲スタイルの音楽だったのを、クライスラーがピアノとの二重奏用に編曲したものだそうで、始まりはピアノだけで、これにヴァイオリンが入るところなどは、まさしく協奏曲の始まりをイメージします。けっこう技巧的なところもあり、おもしろく聴きました。
続いて、ひそかに楽しみにしていたプロコフィエフのヴァイオリン・ソナタ第2番。ヤンネさん、演奏の前にマイクを手にして、ヘルシンキ音楽院時代の先生の思い出話をしました。ヤンネさんが師事した先生は、Olga Parhomenko さんといい、オイストラフの弟子で、厳しいけれど実力のある小柄な女性の先生(*1)だったそうです。あるとき、ベートーヴェンのソナタのレッスンの時に楽譜を忘れてしまい、図書館にあるクライスラー校訂の楽譜で演奏したら、先生は知らないはずなのに「クライスラーのにおいがする」と言われたとのこと。へ〜、わかるもんなのですね〜(^o^)/
で、プロコフィエフの第2番のソナタ。もとはフルートソナタだったのを、オイストラフが要望してFlのパートをVnに移し替えて、ヴァイオリンソナタに直してもらったらしい。第1楽章:田園風、叙情的なモデラート、第2楽章:軽快で楽しいプレスト、第3楽章:静かで優しい、瞑想的なアンダンテ、第4楽章:活発なアレグロ・コン・ブリオの4楽章構成です。ピアノがほんとにステキです。
15分の休憩後、こんどはチャイコフスキーです。
作品42の、「なつかしい土地の思い出」は、第1曲:瞑想曲。実は文翔館でピアノの音を聴く機会はあまりないのですが、ピアノがよく響きます。ヴァイオリンは憂愁の表情をたたえます。第2曲:スケルツォ。やはりピアノが活躍します。弦を速く動かして、運動性があり表情も豊かな、チャイコフスキーらしいスケルツォです。第3曲:メロディ。これは聴いたことがある音楽ですね〜。良かった。
プログラム最後は、バレエ組曲「白鳥の湖」からの5曲。ヤンネさんが演奏前にマイクを持ち、東京の某オーケストラでチャイコフスキーのバレエを上演した時の面白い発見を話してくれました。というのは、ダンサーがうまいと、曲のテンポが遅くなるのだそうです。というのは、うまいダンサーほど高く跳ぶ=滞空時間が長くなるので演奏のテンポを遅くしないといけない、ということだそうです。なるほど〜! ピアノ編曲はマクダーモット他となっていますが、第1曲:白鳥から第5曲:ロシアの踊りまで、編曲がいいなあと感じます。ピアノがオーケストラ部を担当しますが、これが勢いがあり、しかもロマンティックに表現していて、バレエ音楽らしい雰囲気が味わえました。
アンコールは、3曲。
- ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番、第2楽章から、クライスラー編曲
- プロコフィエフ 「三つのオレンジへの恋」より行進曲、ハイフェッツ編曲
- リムスキー=コルサコフ 「シェヘラザード」より「アラビアの歌」、クライスラー編曲
ヴァイオリンの流麗な旋律も見事だし、例えばラフマニノフで、ピアノに合わせてPizz.するところなども実に効果的、チャーミング。今年も良い演奏会を聴くことができて、良かった〜! ご苦労されたスタッフの皆様に、感謝を申し上げます。
(*1):Olga Parhomenko in memoriam 〜 YouTube より
Olga Parhomenko-In memoriam
narkejp様には何度も当リサイタルへ足を運んでいただきまして、感謝を申し上げます。
このシリーズでは毎年何らかのテーマ性を持たせており、今年はこれまで余り取り上げていなかった、ロシアの音楽に焦点を当ててみました。メインにはヤンネさんとして初挑戦となるプロコフィエフの2番のソナタを据え、ほかはアンコールも含め、耳馴染みの良い曲もラインナップしてみました。
お楽しみいただけましたなら幸いです。
2020年は生誕のアニバーサリーになっている、ベートーヴェンをやろうか、と話し合っているところです。