電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

山形弦楽四重奏団第62回定期演奏会でハイドン、バルトーク、ドヴォルザークを聴く

2017年02月01日 19時05分49秒 | -室内楽
厳冬期の山形市ですが、珍しく大雪には見舞われず、演奏会にはありがたい天候となった月末31日(火)、文翔館議場ホールで、山形弦楽四重奏団の第62回定期演奏会を聴きました。余裕を持って会場に入り、プレコンサートを聴きます。今回は、珍しく山形大学の地域教育文化学部でヴィオラを専攻している二人の学生さんによるヴィオラ二重奏でした。演奏会のパンフレットにスタッフとして名前が記載されてもいる三浦奈々さんは現在四年生だそうで、卒業を前にして記念の意味とこれまでの協力に対する慰労も兼ねているのでしょうか。もう一人、平山燎さんは一年生だそうです。曲目は聞き漏らしてしまいましたが、フランスの作曲家でD.F.ナントカさんの「ヴィオラ二重奏曲」とのことです。プロの演奏家と比べてしまうと、音程やらいろいろと不満も出てきますが、でもけっこう頑張っていました。とくに、後半は落ち着いて伸びやかに演奏できていたと思います。平山さん、一年生なのに音色がきれいです。高校時代にも部活動などで演奏していたのかな、と思いました。

いつものように、ステージ左から1st-Vn(中島光之さん)、2nd-Vn(今井東子さん)、Vla(倉田譲さん)、Vc(茂木明人さん)です。そして本日の曲目は、

  1. ハイドン 弦楽四重奏曲ヘ短調Op.55-2「剃刀」
  2. バルトーク 弦楽四重奏曲第3番Sz95
  3. ドヴォルザーク 弦楽四重奏曲第12番ヘ長調Op.86「アメリカ」

というものです。

ハイドンは、1st-Vnが伸びやかに歌い、メンバーがそれに合わせる形の、いつもの明るくウィットに富む長調の曲想ではなくて、短調で少し異色の曲調です。ハイドンの実験的な作品? もしかしたらこの曲は、演奏者の楽しみのための曲、という面もあるのかもしれないと思います。

次のバルトーク。演奏前の四人のメンバーに、なんとなく緊張感が感じられます。Vcから静かに始まりますが、次第に活力とヴァイタリティを増して、濃密な音楽に変わっていきます。CDではわからないこととして、2nd-Vnが刻むリズムの上に乗って進行する面があるのだ、と初めて気づきました。Vcの音が良いなあ。ほんとに良い生の音楽体験でした。

休憩後は、ドヴォルザークの「アメリカ」です。出だしのところで、Vlaの旋律を奏する倉田さんが、なんだかとても嬉しそうで楽しそうだと思ったら、メンバーがみなさん真剣でかつ楽しそうな表情です。この曲、私も大好きな音楽ですが、多くの演奏家に愛される→しばしば演奏される→聴衆に親しまれる→後世に残る、ということなのでしょう。名曲の由来とはこういうところか! と思わず納得してしまいました(^o^)/

アンコールは、ドヴォルザーク「糸杉」より。静かなしっとりした雰囲気の音楽で、弦楽四重奏の響きを堪能しました。

公私ともに超多忙な中での演奏会参加とそのレポートとなりました。次回の第63回定期演奏会は、4月23日(日)、18時30分より、ハイドンのOp.64-4、黛敏郎「弦楽四重奏のためのプレリュード」、ブラームス「弦楽四重奏曲第1番ハ短調Op.51-1」だそうです。今からしっかり予定を調整しておかなければなりません(^o^)/

コメント