電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

山響第248回定期演奏会でベートーヴェン、バッハ、ハイドンを聴く(2)

2015年12月01日 20時42分25秒 | -オーケストラ
ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」の後に、第2曲目は、J.S.バッハの「ブランデンブルグ協奏曲第3番」です。ステージ上にはピアノの代わりにチェンバロが置かれ、指揮台とチェンバロの周囲を取り囲むように、左からヴァイオリン(3)、ヴィオラ(3)、コントラバス(1)、チェロ(3)という11人の構成です。



冒頭から、はずむようなリズムの弦楽合奏と、コントラバスにチェンバロの通奏低音とが、あの聴きなじんだ音楽を奏でます。リズミカルな第1楽章もそうですが、とくに中間のチェンバロのソロ(カデンツァ?)がとても見事でチャーミングで、思わず聴き惚れました。第3楽章:アレグロでは、再びリズミカルな音楽に戻りますが、速いテンポで推進力のある演奏と感じました。

ここで15分の休憩です。ロビーに出て、プレトークで話題になっていた、新倉瞳さんと山響との共演で、エルガーのチェロ協奏曲他を収録したCDを購入しました。



本当は飯森さんにサインしてもらいたかったところですが、残念ながら本日は終演後すぐに寺の役員会に出席しなければなりません。まことに残念無念であります(^o^)/

そして最後の曲目は、ハイドンの交響曲第99番です。ハイドンの音楽は、ごく若い頃はともかくとして、中年以降はけっこう気に入って聴いておりますが、この曲もセル指揮クリーヴランド管の録音などで親しんできています。今回は、やや小ぶりではありますが、現代風に古楽器や古楽奏法を取り入れた二管編成での演奏となっていますので、ハイドン時代の響きを想像しながら聴くことができるかもと期待大です。

指揮者の飯森さん、この曲でも指揮棒なしで、プレトークではモーツァルトの39番の冒頭との類似性を指摘していましたが、ほんとにそんな感じの第1楽章の始まり。序奏に続く音楽では、軽やかさと活力と、バロック・ティンパニの軽い一打が締まります。全休止では指揮者が客席のほうを振り向いてみるなどの「仕掛け」を試み、客席からクスクスと笑いをとっていましたので、ハイドンのユーモアはちゃんと現代でも通じていました(^o^)/
第2楽章:アダージョは、優しく美しい緩徐楽章。今回のプログラムの解説によれば、エステルハージ家の主治医の夫人で、優れたピアニストでありハイドンの賛美者であった、マリアンナ・フォン・ゲンツィンガーへの思い出が込められているのだとか。うーむ、なんとなく信じたくなる儚さを感じさせるところのある音楽ですね~。
第3楽章:メヌエットとはいうものの、むしろスケルツォと呼びたいくらいです。第4楽章:速いテンポで演奏される、ダイナミックで複雑なフィナーレです。小規模オーケストラの美点が生きる、ダンディな音楽と言ってよいでしょう。

ふ~。今回も、良い演奏会となりました。来週も、「アマデウスへの旅・リクエスト」の第1回が12月6日(日)に予定されています。妻と二人で出かける予定。寒さや雪はちっとも楽しみではないけれど、演奏会は楽しみな冬の始まりです。



終演後には、とにかく一目散に帰路につきました。到着後には、「ベートーヴェンに至る轍」とはまるで縁遠い、暮れから新年にかけての寺の行事の打合せで、なんとか総代の責任を果たしました(^o^)/

コメント (2)