電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

山響第248回定期演奏会でベートーヴェン、バッハ、ハイドンを聴く(1)

2015年11月30日 21時21分33秒 | -オーケストラ
このところ、なんだかご多忙モードが続いておりますが、その合間をぬうようにして、11月29日(日)、山形交響楽団第248回定期演奏会(2日目)に出かけました。



会場の山形テルサホールに到着すると、ロビーコンサートの案内が出ておりました。今回は、トロンボーンとバス・トロンボーンの二重奏です。パイプをスライドして音程を作るという楽器の構造上、ピアノのようなカチッとした音程は難しいわけですが、二本のトロンボーンの音が重なり合うと、なんとも魅力的な響きが生まれます。なるほど、これこそハーモニーの基本なんだなと納得でした。



そしてホールに入ると、恒例の西濱事務局長と飯森範親音楽監督のプレトークがありました。来年の新シーズンの紹介と定期演奏会の二回公演の復活、ベートーヴェンの交響曲の全曲演奏、今回の曲目の解説と新譜CDの紹介などでした。

今回のプログラムは、「ベートーヴェンに至る轍(わだち)」と題して、

  1. ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調「皇帝」、小林有沙(Pf)
  2. J.S.バッハ ブランデンブルグ協奏曲第3番 ト長調、BWV1048
  3. ハイドン 交響曲第99番 変ホ長調、Hob.I:99
       飯森範親指揮 山形交響楽団

という、なかなか魅力的なものです。



第1曲、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」は、ステージ中央にグランドピアノを置き、ピアノと指揮者とを囲むように対向配置となっています。具体的には、左から第1ヴァイオリン(8)、チェロ(5)、ヴィオラ(5)、第2ヴァイオリン(7)が並び、正面奥にはフルート(2)とオーボエ(2)、その奥にはホルン(2)、クラリネット(2)、ファゴット(2)、トランペット(2)が並びます。さらにその奥の正面にコントラバス(3)、トランペットの右奥にはティンパニという楽器配置です。もちろん、ホルンとトランペットはナチュラルタイプ、ティンパニはバロック・ティンパニで、これまでの「アマデウスへの旅」の実績を生かした、当時の時代背景を再現することを意識したものです。

今回のコンサートマスターは、高橋和貴さん。チェロの首席の小川さん、2nd-Vn首席のヤンネさんはいつもと同じですが、今回はヴィオラに客演の木村恵子さんが座ります。
そして、今回の独奏者の小林有沙(ありさ)さんが登場します。髪を後ろに束ね、片方の肩が開いた朱色のドレスで長身を包み、颯爽と登場する姿には、独特のオーラがありますね~。
指揮の飯森さんは、今回は指揮棒なしで、「皇帝」から若いベートーヴェンの優しさや叙情性を引き出していました。特に第2楽章、ゆるやかなテンポで、優しく繊細な緩徐楽章を味わいました。続く第3楽章では、この曲が巨大な音楽と言うよりは二管編成のオーケストラのための音楽であることをたいへんよく納得できる、活力と美しさに満ちた演奏でした。とくに、バロック・ティンパニの歯切れの良い音が、たいへん効果的に感じました。

聴衆の拍手に応えて、小林有沙さんのアンコールは、ラフマニノフの「ひなぎく」Op.38-3 を。ほんとにステキな曲、演奏ですね~!

今回は、時間がないのでここまで。続きはまた明日といたします。
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