電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

フォーレの「レクイエム」を聴く

2012年03月12日 06時03分39秒 | -オペラ・声楽
久しぶりの休日となった3月11日、テレビの震災報道特集を、じっと見入ってしまいました。地震発生時刻である14時46分には、妻と一緒に、黙祷を捧げました。

思い立って、フォーレの「レクイエム」を聴きました。エマヌエル・クリヴィヌ指揮国立リヨン管弦楽団及び同合唱団による演奏で、1988年10月~11月、ベルージュ・サントマリーのマドレーヌ教会でのPCM/デジタル録音です。CDは DENON のクレスト1000シリーズ中の一枚で、COCO-70426 という型番のもの。

添付の解説によれば、この曲は1887年の後半に作曲され、翌年の1月9日に、マドレーヌ寺院の「教区のある信者の葬儀」で初演されたものだそうです。この時は、小編成の弦楽とハープ、ティンパニ、オルガンで、第1・3・4・5曲が演奏されたそうですが、その後に曲が加えられたほか、デュカスによるオーケストレーションが施されて現在の姿になったとのことです。

1. 入祭唱とキリエ
2. 奉献唱
3. サンクトゥス
4. ピエ・イェズ
5. アニュス・デイ
6. リベラ・メ
7. 天国にて

もともとの曲自体が、威圧的でない、清澄なものですが、演奏も同様に、心のざわめきを鎮めるような性格のもののように感じます。東日本大震災の被害を前にして、死者の魂の安息を願う宗教的な感情は理解でき、共感します。一方で、地震や津波という自然災害と、原発事故とを混同することはできないと思ってしまうのも確かです。

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