昔は、様々なLPレコードに収録された楽曲をカセットテープに録音・編集し、自動反転再生で60分を超える音楽を楽しんだものでした。このやり方だと、テーマ別や作曲年代順など、様々な編集が可能ですが、本来の収録時間を超える組み合わせは不可能です。二枚組のCDに泣き別れで収録されたドヴォルザークの交響曲の全楽章を続けて聴くことができるようになった嬉しさを、以前記事にした(*)記憶がありますが、実はそれだけではありませんでした。
例えばバッハのブランデンブルグ協奏曲全曲を、1番から6番まで通して聴いたり、ブラームスの交響曲を1番から4番まで続けて聴いたりするには、パソコンに取り込んだ音楽ファイルの再生リストを編集するだけで可能だ、ということに気がつくと、音楽史的な遊び心がうずきます。30歳になったベートーヴェンが、ウィーンで開催した演奏会のプログラムを再現し、若いベートーヴェンの息吹を確かめたり、モーツァルトと同時代の作曲家たちの、同じ時期の作品を並列して聴き比べたりするのは、たいへん興味深い試みです。
もちろん、CD-Rなどでも、圧縮して収録すれば同じことが可能なわけですが、そのためにはやはりいったんパソコンに取り込む必要があり、ならばそのままパソコン上で再生した方が面倒がなくてよい、とも言えます。
ある程度集まった音楽ファイルについて、「再生一覧(プレイリスト)」を新規に作成し、お目あての曲目を次々に追加していくだけで、あらたにリッピングする必要はない。もしかすると、これはカセットテープ時代の「編集の喜び」を、さらに簡便な形で再現してくれるものなのかもしれません。
(*):パソコンによる音楽再生の意外な恩恵~「電網郊外散歩道」より
例えばバッハのブランデンブルグ協奏曲全曲を、1番から6番まで通して聴いたり、ブラームスの交響曲を1番から4番まで続けて聴いたりするには、パソコンに取り込んだ音楽ファイルの再生リストを編集するだけで可能だ、ということに気がつくと、音楽史的な遊び心がうずきます。30歳になったベートーヴェンが、ウィーンで開催した演奏会のプログラムを再現し、若いベートーヴェンの息吹を確かめたり、モーツァルトと同時代の作曲家たちの、同じ時期の作品を並列して聴き比べたりするのは、たいへん興味深い試みです。
もちろん、CD-Rなどでも、圧縮して収録すれば同じことが可能なわけですが、そのためにはやはりいったんパソコンに取り込む必要があり、ならばそのままパソコン上で再生した方が面倒がなくてよい、とも言えます。
ある程度集まった音楽ファイルについて、「再生一覧(プレイリスト)」を新規に作成し、お目あての曲目を次々に追加していくだけで、あらたにリッピングする必要はない。もしかすると、これはカセットテープ時代の「編集の喜び」を、さらに簡便な形で再現してくれるものなのかもしれません。
(*):パソコンによる音楽再生の意外な恩恵~「電網郊外散歩道」より