評価 (3点/5点満点)
現在の自分の慣れ親しんだ世界(コンフォートゾーン)からゴーアウト(外に向かって出て行くこと)する。
そうすると思いもよらない「何か(イノベーション=新結合)」が生まれ、自分のキャリアが広がっていく。
それが、これからの不確実で変化の激しい社会を生き抜くための唯一の方法だと、本書は言います。
「時代は変わりました。変なことをする、合わせない、空気を読めない人のほうが結果を出し、評価されているように思います。ゴーアウトするとは、そういうことなのです。」(P100)
T型(深化と探索)人材が推奨されて久しいのに、いまだにT型人材がごくわずかしかいないという現実に対し、ゴーアウトという考え方とその具体的な方法を提示します。
【my pick-up】
◎「忙しい」は自分の可能性をつぶす魔の言葉
忙しいと口にする人は、自分をどのように規定しているのでしょうか。「自分は今、誰かに命じられてやらなければならないことがたくさんあり、自分の思いどおりの人生を送っていません」
一方、忙しいと言わない人は、自分を次のように規定します。「自分は今、やることがたくさんありますが、それは自分がやりたかったことをやっているので、とても充実しています」
どちらも自分を規定していますが、自らの時間の使い方に主体性があるかないかの違いが表れています。ここで私が言いたいのは、誰かが定めてなんとなく従っている規定からは、ゴーアウトしたほうがよいということです。
◎T型人材で「世界一」を目指す
現在の日本企業が殻を破れないひとつの要因として、私は「前年対比」を指標にする発想があると考えています。過去の自社と比較してアップしたとしても、それで世界のなかでの立ち位置がわかるのでしょうか。立ち位置がわからず、生き抜いていけるのでしょうか。そして、なんとなくこじんまりとまとまっている状態が、本当に自分や自分の会社がやりたいことなのでしょうか。