評価 (3点/5点満点)
この本では、幸福で実り豊かな仕事人生を歩むために、特に20代で意識しておくべきことをお伝えします。
タイトルの『20代は残業するな』というのは、努力(残業)に逃げず、結果にこだわって自分を追い込むというのがその意味で、単純なワークライフバランスではなく、生活全体を仕事と連携させるという主旨で理解してください。
また、幸福で実り豊かなキャリアという観点からは、日本の労働環境は世界最低レベルと言っていいほど悪く、我が国で常識とされている働き方に従っていれば、幸福で実り豊かなキャリアは実現できない危険性が高い。抜きんでるためにはどこかで常識破りをしなければならないとも指摘しています。
そのため、本書に書いていることを実践しようとすれば、世間的な常識に凝り固まっている旧世代の人々とは大きな摩擦を起こすことになるかもしれません。しかし、本当に仕事を楽しくし、圧倒的な成果を出すためには、やはりこの壁を打ち破る必要がありそうです。
【my pick-up】
◎上司の言いなりになる人ほど後でバカを見る
ダメ上司はビジネスセンスがない上に、自社の課題の優先順位づけがメチャクチャなので、そもそも「あれをやろう」「これをやろう」と言い出す仕事の多くが無意味であることが少なくありません。
◎悪口を言わせてこそ、ナンボ
悪口を言うというのは、半分は賞賛の裏返しという側面があります。羨ましかったり、悔しかったりするのだけれど、当人に面と向かって批判するほどの勇気も信念も持たないという、非常に残念な人がやっているのが「悪口」という行動ですから、それに加担しないようにしましょう。これはまた、自分に関する悪口もまた、クールに受け流しておけばよく、むしろ評価のバロメーターとして歓迎するくらいでいい、ということでもあります。組織人の嫉妬には凄まじいものがありますから、活躍するようになると、程度の差はどうであれ、必ず悪口を叩かれるようになります。自然体で能力を発揮して、優秀だという評価が確立される時期にこそ、それを妬む人たちによる言われのない誹謗中傷もまた横行することになる。
◎20代は、読んで読んで、読みまくれ
特に私が皆さんにすすめたいのが、「とにかくたくさんの本を読む」ということです。読書の習慣というのは、それを持つか持たないかで本当に人生の豊かさが数百倍も変わってしまうというくらいに重大なことですが、これは何よりも20代において重要なことなんです。好きなことがわからない、何を勉強して良いのかよくわからない、というのが20代だと思いますが、あまり考えずに、とにかく気になった本を手当たり次第に読む、ということを心がけてください。量の目安としては1週間に1冊くらいのペース、つまり年間で最低でも50冊程度は目を通して欲しいと思います。