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2015年12冊目『佐藤可士和の打ち合わせ』

2015-01-11 14:31:01 | おすすめビジネス書

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評価 (4点/5点満点)

あまりに仕事のど真ん中にあり、あまりに身近で、ゆえに何気なくやりがちな「打ち合わせ」。その打ち合わせのクオリティを上げ、仕事の質を上げるにはどうすればいいのか。

アートディレクターの佐藤可士和さんが提言します。

打ち合わせの心構えから、設計、イメージの重要性、時間管理、気遣い、ファシリテーターの役割、ブレインストーミングの大切さ、社内の打ち合わせ、そして夜の会食まで、可士和式・打ち合わせの極意が詰まっています。

クリエイティブ系らしい内容も含まれていますが、どの業種・職種でも使える打ち合わせ術として、改めて私も効率的かつ効果的な打ち合わせのあり方について考えさせられました。

打ち合わせを変えることで、無駄を減らし、仕事のクオリティ・全体量を上げていきましょう!

【my pick-up】

◎打ち合わせでは、かならずしゃべる

黙っている人は、本人にその気がなかったとしても、打ち合わせの場に「負のオーラ」を漂わせてしまうのです。黙っているから反応がわからず、相手は不安になっていく。これが、しゃべるパワーを邪魔します。しゃべらない人が入らない打ち合わせを事前にお願いすることもあります。そのくらい「しゃべらない負のオーラ」は大きいのです。

◎否定をするなら、かならず代案を出す

否定をするのであれば、代案を出す。しかも、その代案は、相手のアイデアを凌駕するような、相手よりもレベルの高いアイデアでなければいけません。出したことによって、相手や周りの人が、「そうだよね」「そっちのほうがいいよね」と言えるくらいの意見を言うのが、代案です。

◎「打席に立つのは誰か」をはっきりさせる

席順を決めることには、「打ち合わせの意図をもたせる」というメリットもあります。「今日は、あなたが決めるんですよ」「君がやるんだよ」ということが席でわかるようにする。

◎まずは「イメージ」をやりとりする

アイデアという言葉を安易に使わない。それよりも、「イメージ」という言葉でやりとりをする。このほうが、正しいか正しくないかはさておき、打ち合わせに入っていきやすい。打ち合わせの場を、イメージしてきたことを出し合う場にするわけです。アイデアの一歩も二歩も手前でまったく構わない。方向感でもいい。感触でも感覚でもいい。そういうものを出し合う。そうすることで、いろんなことが言い合えるようになる。みんなのイメージが次第にひとつの方向性になっていく。

◎すぐ作業に移れるよう、なるべく具体的な指示を出す

打ち合わせの最後の5分では、何をいつまでにやるのか、実作業に落とし込めるまで伝えます。打ち合わせに出席して話を聞いているのだから、具体的なことは言わなくてもわかるだろう、という楽観的な考えは危険です。打ち合わせで決められることは、意外に抽象的なことが多いからです。具体的に何をしなければいけないか、はっきりと伝えたほうがいい。そうでなければ、スタッフは間違ったタスクを理解しかねないのです。上司やリーダーは、バンバン具体的な指示を出すのです。それでは部下の成長につながらない、という声が聞こえてくることもありますが、学び取れる部下というのは、それで十分学び取ります。これは僕の経験ですが、だんだんと僕が言った以上のこと、「プラスα」のことをやってくるようになります。仕事のステージがひとつずつ上がっていくのです。少し不安があるようなら、「この先、やるべき作業が見えていますか?」と僕はかならず尋ねます。

◎ファシリテーターになると「仕事」が「自分ごと」になる

自分でファシリテーターをやりたいと思うということは、少なくとも「これは自分の仕事だ」と認識しているということです。思わないということは、自分の仕事ではないと認めているようなものだからです。他人事だと思っているということです。ファシリテーターを早く経験することが意味を持ってくるのです。ファシリテーターが出てこないプロジェクトは心配です。それこそ、仕事を「自分ごと」にできる最も簡単な方法が、ファシリテーターに手を挙げることです。ポジションの序列は、ファシリテーターをやるかどうかに関係はない、と思っていたほうがいい。上司は部下に、どんどんファシリテーター経験を積ませることです。

◎最後はプロジェクトのリーダーが決断する

リーダーは「意見は割れているけれど、こうしよう。なぜなら、こういうことだからだ」とはっきり言えるかどうか。作らなければいけないのは、「そうか、リーダーがそういうなら、それでやってみようよ」という空気です。実際には、正解はわからないのです。だから「とりあえず、これでやってみよう」と言えるかどうかが、実はリーダーには問われます。

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