企業参謀ノート[入門編] 価格:¥ 1,470(税込) 発売日:2012-07-28 |
評価 (3点/5点満点)
本書は、大前研一さんが以前出された『企業参謀』の短時間習得版として、頭の柔らかい若手のうちに大前流の思考法を身につけることで、確実にビジネスの手法がレベルアップし、ビジネスの面白さを体感できる1冊です。
もちろん原典の『企業参謀』を過去に読んだ、主に課長クラス以上の方にとっても、再度大前理論を復習したり、検索する上で役立つことでしょう。
企業の参謀となるために不可欠な、中期計画の立案やKFS(Key Factor for Success=成功のカギ)の見つけ方などが中心的なテーマとなっています。
~中期計画の戦略ステップ~
1.実現可能な範囲で目標値を設定する。〝絵に描いた餅〟では、永遠に絵に描いた餅のままだ
2.もし何の対策もしないままなら、「どんな結果になるか」という基本ケースを確立してみる
3.原価低減改善ケースを算定する
4.市場・販売改善ケースの算定
5.戦略的ギャップの算定
6.戦略的代案の摘出
7.代替案の評価・選定
8.中期経営戦略実行計画
ちなみに、本書の実践編が11月に出るようです。戦略策定に役立つ6つのツールが紹介されるとか。入門編を読んで良いと思ったら、実践編も楽しみにしましょう。
【my pick-up】
◎<サービスがKFSのケース>勝つためには上位メーカーは「モグラ叩き戦法」、下位メーカーは「地域集約化」が成功のカギ!
上位メーカーは「あまのじゃく戦法」(「モグラ叩き戦法)をとればいい。下位メーカーが集約しようとしている地域をいち早く見つけ出して、その地域では相手メーカーと同等の投資をし、決して下位メーカーが相対的に自社に対して優位に立たないようにするのだ。すると、下位メーカーは打った投資に対し収益が期待したほど上がらず苦しくなる。
したがって、上位メーカーにとっては販売の第一線から上がってくる情報が決定的に重要となる。うっかり、どこかの地域でシェアを伸ばされると、相手の収益構造をよくしてしまう。すると相手は、その地域で得た収益を新たな地域に投入する-。つまり、勢いづかせてしまう結果となりかねない。第一線が目を配って、反撃の根はことごとく握りつぶしていく必要があるのだ。
◎日本のビジネスパーソンよ!後ろ向きの人が多いからこそ、前向きになった人から成功するのだ
TVも新聞もビジネス誌もみな、「デフレだ!」「閉塞状態だ!」「もうダメだ!」のオンパレード。
そうなると日本人はどんどん下向き、内向き、後ろ向きになってしまう。これは日本人の本当に悪いクセだ。
むしろ、「みんなが後ろ向きになっているという状況こそ、俺にチャンスが回ってきた」という発想を持ってほしいし、そんな人が成功をつかむのだ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます