企画脳 (PHP文庫) 価格:¥ 560(税込) 発売日:2009-05-02 |
評価 (3点/5点満点)
作詞家、映画監督、総合プロデューサーなど多彩な顔を持つ秋元康さんによる企画・発想術。
発想や企画のヒントは、日常の中に転がっていて、それを「記憶」するところからはじまる。また、「忘れる」というフィルターがかかることによって、不必要なもの、重要性のないものがどんどんこぼれ落ちていく。
つまり、まず当たり前のことをできるだけ考えて、それをどんどん外していくことが、差別化を生む秋元流の方法論だと言います。
また、秋元さんくらい有名な方になると、”秋元康”の名前を出せば「非常に企画性が強いとか、あるいは何かを狙っている仕掛け的な受け取られ方をされる」「売ろうという意図のほうが注目されすぎてしまう」といったデメリットが発生するので、敢えて名前を出さない(違う名前で出す)こともあるそうです。
企画・発想力はビジネスマンすべてに必要なスキルであり、本書はそのセンスを磨くヒントが満載です。
【my pick-up】
◎すべての人間にいい顔はできない
少しでも、勝てる発想・企画をものにしようと思うのなら、人の眼は気にしないことだ。中途半端に好かれるよりは、むしろ、嫌われるほうがいい。誰からも愛される人間ではなく、ある種の毒や、独特の個性を持つことが大切なのだ。
与えられた仕事のノルマをこなし、酒を飲みに行って帰るという日常のリズムから、どうやってはみ出すか。新しい発想や企画が生まれるかどうかは、その決断にかかっている。
◎街へ出たら、いつもとは違う行動をとること
一駅手前の駅で降りて出勤する、職場以外の人と出会う、新たなレストランを見つけるなど、「昨日」とは違う「今日」をつくること。それが、勝てる企画を生む発想の原点になるのである。
◎自分の中に「引き出し」をたくさん持つ
僕の場合、取材などで、「アンテナは、どんなふうに張っているんですか?」とよく聞かれるが、僕はアンテナを張っているわけではない。
高精度のアンテナで情報をキャッチすることよりも、自分の興味とか関心を、どれだけ頭のなかに蓄積できるかが問題なのだ。
◎「お前に乗った!」と言わせるキャラクターつくり
僕自身はあまり表に出るのが好きではない。こう見えても、ほんとうは人見知りするタイプなのだ。
では、なぜテレビに出演するかと言えば、単純に「企画が通りやすい」からである。
◎ヒットしたものから何を学ぶのか
『脳を活かす勉強法』(茂木健一郎)は、なぜビジネス書のベストセラー・ランキングで1位となったのか?みんなが勉強をしたい時代に勉強のノウハウを教えているところなのだ。
◎「勉強」「勉強」と身構えてはいけない
時間をつくれないという人は、すべてにおいてプロデュースをする能力に欠けるということだ。時間をつくることは、自分をプロデュースすることだからである。
そういう人は、まず自分の時間をつくるための「勉強」からはじめるのがいいだろう。
◎何を捨てるかを考える
人間は大人になればなるほど、「何を捨てていくか」「何をしなくていいか」それを考え実行するのが、テーマになってくる。
それができない人間が、個性のない「幕の内弁当人間」になってしまうし、「帯に短し、たすきに長し」というタイプになってしまうのである。
◎人から嫌われる勇気を持つ
社会人になったら人間関係で全勝することは不可能である。嫌われるということは、個性が何らかの形で放出されているということである。
恋愛も仕事も、どれだけ自分というものを持ちながら、嫌われる勇気を持っているかということだ。
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