厳選!ビジネス書 今年の200冊

2008年ブログ開設から、紹介したビジネス書は3,000冊超。
1日2,000PVの仕事力を上げる書評ブログ。

2019年88冊目『勝間式超コントロール思考』

2019-03-01 22:33:57 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

この本のタイトルである「超コントロール思考」を分かりやすく言うと「自分と相手の裁量権を見極め、お互いによりよい結果を生み出そうとする」ということです。人の邪魔をしてまで自分の欲求を押し通すのではなく、みんなでより良い方法を考えていきます。

コントロールをするとは、自分も他人も大事にしつつ、時間やお金を効率的に使いながら、自分のイメージどおりに物事を進めること。また、受け身的に生きるのではなく、自分が主役となって主体的に生き、そして環境や周りに働きかけることが本書から理解できます。

・生活のほぼすべてが自分のイメージどおりの労力とスピード感で毎日が進む。

・朝起きた時に人生が楽しくて仕方がなく、毎日がストレスフリーになる。

・自分の時間の使い方が、毎日が、超効率的になる。

・自分でお金の稼ぎ方も使い方もコントロールできていて、毎日の十分なお金があるが無駄遣いもしない。

・おいしい食事と適度な運動で、心も体も疲れなくなる。

・問題にあたるときもあるが、その解決に向けて、毎日前進していくことができる。

このように、仕事、お金、遊び、健康、人間関係などの多方面にわたって、どのようにして人生をコントロールしていけばいいのか、その分野別に具体的なケースを用いながら、説明がされています。

たとえば、なぜ人は昼の12時台のコンビニにわざわざ行くのか?混雑しているコンビニの長蛇の列に並ぶことが苦にならないという柔軟性を持ち続けることは、危険ではないでしょうか。

できるだけたくさんの「コントロールができた」という経験を積み、実際、身の回りでコントロールできている人を見て「自分もああやればいいのだ」ということに、頭ではなく腹落ちすることが必要だと思います。

最近話題にもなった勝間和代さんの本を久々に読ませて頂きました。

【my pick-up】

◎コントロールを不能にする意外な伏兵が「余裕のなさ」

ハーバード大学の行動経済学専門家、センディル・ムッライナタン教授の研究「スラック(余裕)の重要性」の中では、適度な余裕が気持ちにも時間にもお金にもないとさまざまなことについてコントロールがうまくいかなくなる上、頭も悪くなるという衝撃の成果がまとまっています。つまり、わたしたちはスラックがあることで、さまざまな見込み違いや、新しく起きた出来事に対して、コントロールする力をある程度持ち続けることができるのです。

◎コントロールの最大の障害「学習性無気力」

何かチャレンジをしたとき、それがうまくいかないと多くの人は自己肯定感が低くなってがっかりしてしまいがちですが「新しいチャレンジができた自分」を肯定してあげればいいだけです。“分かりにくい”“面倒くさい”“やりたくない”“気が重い”日常生活の中で何かしらの問題にぶつかったとき、わたしたちはこうしたネガティブな感情を持つことが多くありますが、それで終わらせないことが大切です。そのネガティブ感情は、コントロール思考を動かすスイッチです。

◎健康を「自分の意志」に任せるとろくなことがない

これまで世界中で行われたアルコールに関する592の研究を全て統合し、最も信頼できる結果として出てきたのは「一番健康にいいのは1日0杯」という、身もふたもない結論でした。自宅にお酒を置かないこと、そしてなるべく身の回りからお酒を飲む人を減らすこと。アルコールをおいしく飲むために食べ続けてしまい、結果、体重のコントロールができなくなって肥満してしまうのです。

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2019年87冊目『日本進化論』

2019-03-01 22:21:44 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

古市憲寿さん、三浦瑠麗さんとならぶ、最近注目の若手研究者である落合陽一さん。

この本は、2018年7月に落合さんと小泉進次郎さん(衆議院議員)の共同企画で開催された「平成最後の夏期講習」というニコニコ動画の生放送番組と、その現場で展開された議論のまとめがきっかけになっています。

序章:情報技術を取り巻く変遷

第1章:「限界費用ゼロ化」「インフラ撤退」という2つの社会状況の変化、テクノロジーの活用によって可能となる多様な働き方

第2章:「高齢者問題」という漠然とした問題の本質

第3章:育児責任を親に押しつけず社会全体で支援を進めるための課題、コミュニティ整備の必要性

第4章:日本の教育の問題点、教育方針を従来の「標準化」から「多様化」へシフトさせる必要性

第5章:産業構造と行政効率化の問題(デンマークとの比較を通して)

第6章:スポーツについて人とつながれる場としての可能性と、社会に実装するための課題

まずは、「ポリテック」というキーワードを押さえましょう。ポリテックは、政治(Politics)とテクノロジー(Technology)を組み合わせた造語で、テクノロジーによって何が可能になるかといった観点を、政治の議論の中に取り入れていくことです。

第1章で登場する「限界費用」とは、経済学の用語で、財やサービスを生産するとき、ある生産量からさらに一単位多く生産するのに伴う追加的な費用のことです。いまやパソコンやスマホで、データやアプリを一単位多く生産するときにかかる追加的な費用は実質ゼロです。初期投資にこそコストはかかりますが、それ以降は無限にコピーすることができます。限界費用が低下すると、生産手段の民主化が進み、生産者と消費者の境界はあいまいになります。今後はコンテンツ業界に限らず、様々な分野でプラットフォーム的な仕組みが導入されるようになるでしょう。

また、現在の日本のインフラは、建造から50年以上を経て老朽化が進んでいます。今後は地域の将来的な人口動態を踏まえた上で、適正な規模にリプレイスしたり、あるいは思い切って撤退するといった判断が必要になるでしょう。ハードウェア的なインフラが後退した地域でも、ネットワークインフラさえ確保されていれば、何不自由なく仕事ができる環境が整いつつあるのです。むしろ安い家賃や生活費、豊富な自然といった魅力に目を向ければ、新しい事業にふさわしい土地になる可能性もあるのです。

平成の次の時代に、社会や自分自身のために何をすべきなのか?を考えるために指針となる1冊。

議論が一目でわかる「グラフィックレコーディング」(各章の最後に掲載)という手法も、参考になります。

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