評価 (3点/5点満点)
この本のタイトルである「超コントロール思考」を分かりやすく言うと「自分と相手の裁量権を見極め、お互いによりよい結果を生み出そうとする」ということです。人の邪魔をしてまで自分の欲求を押し通すのではなく、みんなでより良い方法を考えていきます。
コントロールをするとは、自分も他人も大事にしつつ、時間やお金を効率的に使いながら、自分のイメージどおりに物事を進めること。また、受け身的に生きるのではなく、自分が主役となって主体的に生き、そして環境や周りに働きかけることが本書から理解できます。
・生活のほぼすべてが自分のイメージどおりの労力とスピード感で毎日が進む。
・朝起きた時に人生が楽しくて仕方がなく、毎日がストレスフリーになる。
・自分の時間の使い方が、毎日が、超効率的になる。
・自分でお金の稼ぎ方も使い方もコントロールできていて、毎日の十分なお金があるが無駄遣いもしない。
・おいしい食事と適度な運動で、心も体も疲れなくなる。
・問題にあたるときもあるが、その解決に向けて、毎日前進していくことができる。
このように、仕事、お金、遊び、健康、人間関係などの多方面にわたって、どのようにして人生をコントロールしていけばいいのか、その分野別に具体的なケースを用いながら、説明がされています。
たとえば、なぜ人は昼の12時台のコンビニにわざわざ行くのか?混雑しているコンビニの長蛇の列に並ぶことが苦にならないという柔軟性を持ち続けることは、危険ではないでしょうか。
できるだけたくさんの「コントロールができた」という経験を積み、実際、身の回りでコントロールできている人を見て「自分もああやればいいのだ」ということに、頭ではなく腹落ちすることが必要だと思います。
最近話題にもなった勝間和代さんの本を久々に読ませて頂きました。
【my pick-up】
◎コントロールを不能にする意外な伏兵が「余裕のなさ」
ハーバード大学の行動経済学専門家、センディル・ムッライナタン教授の研究「スラック(余裕)の重要性」の中では、適度な余裕が気持ちにも時間にもお金にもないとさまざまなことについてコントロールがうまくいかなくなる上、頭も悪くなるという衝撃の成果がまとまっています。つまり、わたしたちはスラックがあることで、さまざまな見込み違いや、新しく起きた出来事に対して、コントロールする力をある程度持ち続けることができるのです。
◎コントロールの最大の障害「学習性無気力」
何かチャレンジをしたとき、それがうまくいかないと多くの人は自己肯定感が低くなってがっかりしてしまいがちですが「新しいチャレンジができた自分」を肯定してあげればいいだけです。“分かりにくい”“面倒くさい”“やりたくない”“気が重い”日常生活の中で何かしらの問題にぶつかったとき、わたしたちはこうしたネガティブな感情を持つことが多くありますが、それで終わらせないことが大切です。そのネガティブ感情は、コントロール思考を動かすスイッチです。
◎健康を「自分の意志」に任せるとろくなことがない
これまで世界中で行われたアルコールに関する592の研究を全て統合し、最も信頼できる結果として出てきたのは「一番健康にいいのは1日0杯」という、身もふたもない結論でした。自宅にお酒を置かないこと、そしてなるべく身の回りからお酒を飲む人を減らすこと。アルコールをおいしく飲むために食べ続けてしまい、結果、体重のコントロールができなくなって肥満してしまうのです。