そよ風つうしん

小さな自然の発見をご紹介してきましたが、転居で環境が激変。内容を一部変更し日々の雑感を綴ったりもしています

ありがとう・・・

2006年11月26日 | ポエム&好きな言葉
夜半ふと目覚めて ラジオに手を伸ばす。
ダイヤルはNHKに合わせてあるので、スイッチを入れると聞こえるのは「ラジオ深夜便」という番組。

音楽が流れている。
流れてくるメロディは、
さだまさしの新しいアルバム『美しき日本の面影』の中の「向日葵の影」という曲。
こんなことが、この2ヶ月の間に、もう何度あっただろうか。

“ラジオ深夜便の歌”に選ばれていて、毎夜電波に乗せられるから不思議はないと言ってしまえばそうなのだが、
それにしても、なぜその曲が流れている時間に・・・あまりの偶然。


この歌は、さだの親友の奥様が急死されたのを悼んで創られたとか。
長崎の盂蘭盆会の夜に、精霊船を送るときの気持ちが唄われていて、
グレープ時代の相棒、吉田政美のギターが心に沁みてくる。




その歌詞の一節に

命とはかくも重しと知りながら 日々の軽さを悔やむ夕暮れ

面影の君を背負いて明日から 生きてゆくから生きてゆくから

さようなら 声を限りのさようなら 僕と出会ってくれて ありがとう

          ☆   ☆   ☆

私が愛する人の命を見送ってから、もう何十年にもなる。

明日もあさっても、ずっと一緒に生きていられると信じて疑わなかった日々。
突然の別れ。
その人の面影と一緒に生きてきた、ずっと、ずっと。
でも、ひたすら悲しかった。


そして深夜、
ラジオから流れてくるギターとヴァイオリンの静かなメロディとともに聞いた
僕と出会ってくれてありがとう
と言う一言に、改めて涙がこぼれた。


この広い世界で、偶然に巡り会った一人の人。
いい人だった。
あなたと過ごせた時間は、かけがえのないものだった。

今はもう、あなたの姿は見えなくなってしまったけれど、
あなたがくれたたくさんの幸せの記憶は、私の宝物。
そんな時間を与えてくれたあなた、ありがとう。

そう感じることで、その人の命も輝くし、自分も癒される。

悲しみは悲しみとして、
声を振り絞っての「さようなら」と、心からの「ありがとう」
なんてすばらしいのだろう・・・

私に、このことを気づかせ、その気持ちをしっかりと心に刻むようにと、かみさまは、何度も深夜に目覚めさせてくださったのだろうか。

そうとしか思えない。


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21 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
写真が胸にせまります (moka)
2006-11-26 15:22:24
「さようなら」と「ありがとう」と。

心から言える幸せ。
深い思いが、身にしみます。

平凡な日々ですが、大切に生きていかなければと思いました。
返信する
涙が止まりません・・・ (chiemi)
2006-11-26 16:54:57
どんぐりさんの、気持ちが切なくて。
私は、母を亡くしたばかりです。
花模様のブログは、母と私が大事にした花を、
一日一花、母に捧げたくて始めました。
『悲しみは悲しみとして、
声を振り絞っての「さようなら」と、心からの「ありがとう」』
私は、まだ、さようならが言えません。
でも、言わなければならないのは、十分承知しています。
どんぐりさんが、深夜に起きたのも、
この為だとしたなら、
私が今日此処を訪れたのも、きっと
この為かも知れません。。。。
返信する
☆お返事です☆ (森のどんぐり屋より)
2006-11-26 18:15:20
mokaさんへ
ともすれば、何かアクシデントがあったときでないと気づかない、平凡な日々のありがたさ。
お互いに大切にしていきたいですね。
写真、気持ちを込めて選んだつもりでしたので、見てくださってうれしかったです。

chiemiさんへ
「さようなら」を言えるときは、自然にやってきます。
その日まで、お母さまの魂を大切に抱いておられていいのですよ。それが、供養というものだと、私は思っています。

両親ともに見送って10年以上になる私がいえる言葉は一つ。 耐えられないような悲しみも、いつの日にか思い出となって、穏やかに自分の心に落ち着いてくれること、信じていてください。
返信する
「向日葵の影」 (風の音)
2006-11-26 22:46:50
こんばんは。
この歌は、一度ラジオから聴いたことがあります。
とてもきれいな曲で印象に残っています。

大切な人父を見送って、もう8年・・・「ありがとう」も「さようなら」も未だに言えていない私です・・・。
返信する
さだまさし氏自叙伝 (秋結)
2006-11-26 23:08:32
NHKの連続ドラマで氏の自叙伝をドラマになさっていたのを続けて見ていた記憶があります。その最後に流れるのがこの曲であったように思います。
物語も人の悲哀を見守り続けたストーリーでありましたが、最後の曲が流れると、泣けました。私も一人の人として女として ひととおりのことを過ぎて参りました。そういう思いを涙で洗って洗って洗い流すような、そんな歌であったように思います。
さようなら そして ありがとう
そして森のどんぐり屋さん に ありがとう
返信する
グッと来ました (ブドリ)
2006-11-27 00:07:42
森のどんぐり屋さんの想いにも、さだまさしの歌詞にもグッと来ました。

母を亡くしてから4年半が経ちましたけど未だに気持ちの整理がつかないこともあります。

「さようなら」と「ありがとう」
その思いを込めてお墓参りを続けて行こうと思います。
返信する
☆お返事です☆ (森のどんぐり屋より)
2006-11-27 10:02:57
風の音さんへ
8年ですか・・・上のchiemiさんへのお返事にも書きましたが、なまなましい悲しみが“想い出”として、心の奥に穏やかに納まるまでには、長い時間が必要です。
それでいいのですよ。

秋結さんへ
私は、もう30年ほど、さださんのファンなんです。
かなり壮絶な人生の前半を過ごされて、めげずに柔らかく優しく育ってきたことを、尊敬しています。
そして、折々にどれだけ励まされてきたかわかりません。

さださんの回りには、彼を心から愛する人がたくさんいたから、紆余曲折はあっても乗り越えてこられたのだと思います。

苦しみや悲しみが人を育て、その人はまた他の人に、勇気や励ましを与える・・・

いじめられても、耐えて生きられる人が、増えて欲しい。
そして私自身、人間という生き物を丸ごと愛せるようになりたいのです。

ブドリさんへ
ブドリさんのお気持ちは、きっとお母さまに伝わると思います。
「さようなら」「ありがとう」・・・だけど、あなたのことは忘れない。あなたのこれからの命は、私が一緒に生きていくからね。
こうして何人分もの命とともに生きられる人は、とても豊かだと思いませんか?
返信する
Unknown (Unknown)
2006-11-27 11:24:08
>今はもう、あなたの姿は見えなくなってし
>まったけれど、あなたがくれたたくさんの幸
>せの記憶は、私の宝物。そんな時間を与えて
>くれたあなた、ありがとう。

母が亡くなって二週間、正直全然気持ちの整理がつきません。いまだその現実を信じられない、、、あんなに元気だったのに、あんなに気丈だったのに、あんなにたくさんの人に慕われていたのに、
 母の愛用のカメラを手にして、フィルムに書かれた手書きのメモを見て涙が出てきました。

 森のどんぐり屋さん ありがとう
 
返信する
ゆうさくのコメントです (ゆうさく)
2006-11-27 11:28:15
すいません、ゆうさくのコメントです。
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つづき (秋結)
2006-11-27 12:07:29
コメントのお返事、ありがとうございます。
森のどんぐり屋さんの確かさ 伝わってまいりました。

さだ氏のユーモアと たくましさと 音楽の清々しさ。
わたしは 実は それは 彼がクラシック音楽の出身者であるからではないかと密かに思っています。それを支えた母上の存在と。
とっても大雑把な言い方ですが 時代を経て残っている音楽(芸術)は人の心を浄化し勇気を与えるように思います。

なんとなく そのことをふまえたて 大きくなる為には 幼い頃にたくさんよいものに触れさせる誰かがいなければ。

一人でも 音楽があれば 行きて行ける。
とおもてました。(今は+パソ、でしょうか~。)

今夜は のだめカンタービレ ですね。
失礼しました
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