もーさんのひとりごと

ここでは工作に関する話の他に趣味の家庭菜園の話、時事(爺イ)問題、交友禄など日々の雑感を気まぐれに更新していきます。

展覧会の疑惑?におこたえします

2009年04月03日 | 工作
 展覧会場でいろいろな人にお会いし、いろいろな質問を受けるが、その中から代表的な質問におこたえをします。

「こういうことは、どこで習ったンですか?」
「えっ! これ全部がひとりの作品ですか!」
 さらに・・・
「本当にあなたが作ったのですか?」という疑惑?を持たれたのは「ぴーなっつ人形一座」である。
 私のゴツイ指先と小さな人形を見比べながらその人は尋ねてきた。
 
 今回はこれらの質問におこたえします。
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子どもの頃は皆工作好きだった。


 まず、どこで習ったのかと言う質問に対する答えは「子どもの頃の私自身」としか答えられない。
 70歳までのカウントダウンが始まった私たちの世代の子ども時代は、誰もが竹を削ったり、木を切ったりして遊んだ時代だった。

 そんな中で、私だけが他の子どもたちより優れた能力を持っていたわけでもない普通の子どもだった。
 中学生になってそんな遊びもしなくなり、もう一度少年の頃の遊びが蘇って来たのは、我が子が生まれて4年目、今から36年前のことだった。
 
 私なりの子育て方法として、息子と娘が小学校を卒業するまでの間こんなことをしながら子どもの遊びを教えて来たが、昔の遊びをそのまま再現しようとすると、昔のままの素材が手に入らずやむをえず現代の材料に置き換えて遊んでいたことが、この36年間に進化を遂げて、この形に発展したもので、その意味では私の子ども時代が私の師匠でした。


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大人たちはこの会場で、また子どもの頃の遊び心を取り戻しているかのようだ。

 次に、これは一人の作品ですか?という問いには、アイデアの数の多さの他に普通創作活動をしている人なら、レザークラフト、陶芸、リボンフラワーなどひとつの材料を追うか、またはそれなりの主義主張があり、作風の一貫性というものがありそうだが、私の展示物は面白いが方向性のないことへの疑問のようだ。

 一見私の作った展示物には方向性がないように見えるが、私の中では遊び心というコアがあり、私はそのコアから放射状にアイデアを発信させているので、作品の向いている方向には一貫性はないが、根底に私なりの考えを持っているのです。

「本当にあなたが作ったの?」という質問は、24年前に最初の展覧会を開いたときにも3人の人から同じような質問を受けた。

 この質問は疑惑というより、その太い指でこんな細かい作業が・・・といったほめ言葉なのだが、これは人形そのものより、囲炉裏、火鉢、掛け軸徳利 茶わんなどの極めて小さな小道具類や背景などの細工についての感想だった。

 この人形を作っていた当時は、私自身が江戸時代の小道具作りに凝り固まっていて、夜な夜な囲炉裏に燃える炭、さらに小さなたばこ盆など執念で作っていた頃で、人間は執念を燃やせば自分の指の太さなど忘れることができるものだ。


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<大石東下りの場>での火鉢、灯、長持ち、さり気なく掛け軸に書かれた文字の冗談も楽しんでもらえます。


 こうして皆様の禿げましのおかげで、展覧会も今日を含めてあと3日となりました。