もーさんのひとりごと

ここでは工作に関する話の他に趣味の家庭菜園の話、時事(爺イ)問題、交友禄など日々の雑感を気まぐれに更新していきます。

「付けペンって何ですか?」

2016年03月15日 | 不思議

ここ10年くらい子どもの工作用の絵は描いてはいるが、大人向きの小説の挿絵などは描いていない。
 
左の絵は現在工作おじさんのゴトー孟として描く絵、右は何年か前まで牛坂浩二として描いていた挿絵。

 絵ならどんな絵でも同じと言うわけではなく、工作用には太い線でざっくりと万人に向くように可愛いい絵を描いているが、挿絵を描いていた頃には、登場人物の性格から生活感までもを表現しようと思うから美男美女ばかりを描いていたわけではなく、どちらかと言えば、万人に好まれる絵ではなく、数人の作家からはこの小説の挿絵は牛坂に描いてもらってほしいと指名をされたこともあったが、一方牛坂の絵はあまりにも日本人臭くて嫌だというマイナス評価もされていた。
ただ、あまりにも日本人臭いという評価は、その人の文章には合わないが、それなりに日本人的な生活感のある人物の表現が出来ているのだと、私自身は喜んでいた。

  そんな私が挿絵を描き始めた40年も前のころの印刷事情も考慮して、墨一色の付けペンでの線描き、ベタ面は筆で塗る。

 ペン先はいろいろ試した結果、日光ペンの*〇〇〇番というペン先の太さが私が描きたい線の太さにマッチし、紙の上のすべりも滑らかでインクの延びもよかった。
〇〇〇と記したのは企業秘密として秘したのではなく、単に忘れてしまっただけである。
  

 インクもパイロットの製図用、あるいは開明堂の製図用が気に入っていた。

 紙はケント紙では滑らかな線は描けるが、私のこだわるタッチが出ないので、あえて凸凹の表面で、インクのにじみが少ない水彩紙のような紙を使っていたが、これもメーカー、品名は思い出せない。
また、当時挿絵などを描いていた原画でもあれば画材店などで訊ねることも出来るのだが、10年ほど前に原画はすべて畑で燃やしてしまっていて今はもうない。
 ここにアップした絵は燃やす前にパソコンに取り込んでおいたものである。

 この紙とインクとペン先のマッチングはすべての人に好いと言う訳ではなく、ただ私にとってベストマッチングと言うに過ぎないが、私はこのインクをこのペン先につけ、この紙の上を滑らせる。
 それもスラスラとペンを走らせるのではなく、ペンのスピードを殺して生まれるタッチに自己満足をしながら小説の登場人物を描いていくのが楽しみだった。

 先日あるところで茶飲み話としてこんなことを話していたら、付けペンって何ですか?と訊かれた。
 
付けペンを知らない若い世代の人たちのタメに、一応その写真をアップしておくが、多分私のブログを読んでいる人たちの年代には不要の写真かもしれない。
 2本のペン軸の短い方が現在も売られているものだが、下の長い方はご覧の通りの時代を感じられる昭和の頃の年代モノ。
 右側の写真は矢立といって、伊能忠敬、松尾芭蕉などが旅に出るときに持ち歩いた携帯用の筆記具で、もちろん私の時代には使わなかった、単なるオマケの写真です。
 
 えっ 付けペンを知らないの?

 ほら、郵便局でも、銀行でも、市役所でも事務員は皆付けペンで帳簿をつけているだろう・・・ほら、あのペン軸にペン先を差して・・・

 説明をするほど先方は引いていくようだ。

 も-さん、今は帳簿なんてペンなどでは書かないで、パソコンの時代ですから、それにメモなどをとるときなどの筆記具はボールペンですよ。

 ・・・と、この話は書き始めてみたが、まだまだ終わりそうにないから、続きは次回に・・・