もーさんのひとりごと

ここでは工作に関する話の他に趣味の家庭菜園の話、時事(爺イ)問題、交友禄など日々の雑感を気まぐれに更新していきます。

ボウズ

2011年11月14日 | 子育て

「爺ちゃ~ん!」
 早朝6時半ころに近くに住む小学校1年生の孫から電話がかかってきた。

 孫がこうして語尾を伸ばして私に呼びかけてくるときは何か頼みごとがあるときだ。

「今日学校から帰ってから釣り出来ない?」
 最近になってどういうわけか、急に魚釣りに興味を持ち出したようで、しきりに釣りの話を私にするようになっていた。

 そして先週の日曜日には釣竿を持っているかと尋ねるから、20年前に世田谷から海老名市に転居をした当時に私自身が子ども時代の記憶を呼覚まされ、昼の休み時間には仕事場の近くの小川で釣り糸を垂れていた頃の3本つなぎの釣竿を見せてやると孫の目の色が変わりテンションはピークに達した。

 これまでは枯れ枝に凧糸を結んだだけのザリガニ釣りの道具しか見たことのなかった孫は「本物」に出会った興奮で頭の中は<釣り>一色になって、すぐにでも釣りに出かけたいと言い出した。

 しかし、今日はそろそろ日暮の時刻だし、餌のミミズも急には探せないので、今度の日曜日には釣りをしようということでようやく納得をさせて帰らせた。

 しかし本物の釣竿を見てしまった孫はもとても1週間も待てずに二日後に電話をしてきたのだった。

 畑で釣り餌のミミズを掘り出し、フナ釣りの仕掛けを調整し孫の帰宅を待って畑の近くの小川に着いたときはもう午後3時半を回っていて、この季節の太陽はもすでに夕暮れのような傾きをしていて、釣りのできる時間は限られている。

 加えて気温も下がってきたことから魚の食いも悪くなっていて、1時間ほど糸を垂れてみたがやはり釣果はゼロだった。
W
 
 このままでは帰れそうにない孫のためにこんなこともあろうかとあらかじめ準備もしていたことがある。

 ポケットに隠し持ったパンの耳を出して、孫の気持を釣りからカルガモの餌やりに切り替えさせる作戦だ。

 作戦は見事に功を奏し、カルガモ相手の餌付けを堪能してやっと帰路についた。

「今日みたいに、が一匹も釣れなかったときのことを坊主というんだよ」と教えておいたが、夜になって会社から帰ったパパに魚釣りの様子を聞かれた孫はただ一言「ボウズ」と答えたそうだ。