日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

そろそろ、桜の時期が近づいているような…においがします。

2015-03-09 08:56:46 | 日本語学校
 曇り。

 時折、薄日が差してきます。昼から雨になるとか、お天気もまた下り坂になるのでしょう。夕方からは本降りになるとか。

 最近は本当によく雨が降ります。これも春になった証かしらん。例年、こんなに降っていたかしらんと思うほどに、今年は、雨を感じています。

 「ウメ(梅)」の花は半ば散り、「ジンチョウゲ(沈丁花が)」の花が、今、盛りを迎えています。「ナノハナ(菜の花)」も咲き始めました。もうすぐ、このあたりでも、「カワヅザクラ(河津桜)」が咲き始めることでしょう。2月の末に厚木では満開になっていたそうですし…。そして3月下旬には「ソメイヨシノ(染井吉野)」前線がやってくる…春です。

 さて、学校です。

 去年の4月生の中に、7月生を、三人ほど入れ、様子を見ています(一名は2月中旬に、他の二名は三月に入ってから)。未習の漢字があるので、中国人の時のように、文法さえ判れば、あとは本人の母語のレベルだからと割り切ることはできません…それが少々きつい…。

 4月生の方は、一応、「N3の文法」も入れてありますし、「作文」、「速読」、「ヒアリング」、「N3漢字」などを復習かたがた、ぼちぼちですが、「N3もどき」で、学習してあります。

 4月生の大半はベトナム人であり(留学生は、一人タイ人がいるだけです。四名いたスリランカ人学生は、皆、下のクラスに行きました)、新しくこのクラスに入ってきた7月生は、皆、スリランカ人です。

 スリランカ人は他の南アジアの国々同様、ヒアリングがいいので、ヒアリングと会話は、まず大丈夫。それに反して、ベトナム人学生は、文法も単語(漢字を含む)も、ヒリングも弱いのです。漢字を失った中国人学生のようで、他と比較した場合の、いわゆる「強み」と言えるものがないのです。

 もっとも、そうは言いましても、この人達の方が、一応、三ヶ月ほど先を走っていた…。スリランカ人学生の方が、あとから駆けてきた…。

 何でもそうですが、言語というものも、ゆっくりやった方がいい人と、駆けた方がいい人とがいます。ベトナム人学生の大半はゆっくりやった方がいいのでしょう、何せ、ヒアリングの問題がありますから。一方、そういうヒアリングの問題がない学生達は、駆けられるのかもしれません。ただ、この後、どれほど漢字が覚えられるのかで、決まってくるのですが。

 今のところ、7月生三名は、「ディクテーション」に音を上げているようです。4月生は、習ったけれども定着はしていないという漢字を、二度目にまた別の本で習うという形ですから、どこか余裕があるようですが、初めての人たちは、本文を読まねばならぬは、漢字は漢字で覚えねばならぬはで、まだ頭の中で整理がついていないのでしょう。

 とはいえ、「読解」は弱いですね。これが一番大変。

 このクラスには、他に、在日の、フィリピン人、中国人、タイ人の学生たちがいるのですが、7月生のスリランカも含めて、300字程度の文章を読んで、理解できないのはベトナム人学生だけなのです。この中には、かなり頭のいい学生も含まれているので、おそらくは、ベトナム語の文法と単語とが、霞のベールならぬ鉄の壁を作っているのでしょう。

 ベトナム語は、文法は中国語であり、文字はフランス語的。ということは、漢字が分かるが故の強みも無いし、モンゴル語やタミル語(スリランカやインドの一部)のような文法の強みも無い。ないないづくしで戦わなければならないので、ちょっと気の毒です。

 で、まじめなベトナム人学生のためには、文を、接続助詞のところで切り(時には文節で)、それを一行ずつホワイトボードに貼って、ずらしたり、足したり引いたりしながら、相互の関係を説明するというやり方を取らざるを得なかったのですが、(内心、これは下手をすると、かなり時間がかかるかなと危惧しながらも)やってみると、驚いたことに、あっさりと通過できたのです。

 きちんと、「みんなの日本語Ⅰ・Ⅱ」が入っていたからでしょうし、「速読」を教えた教師が、苦手意識をつけないように気をつけていたからでしょう。「ああ、分かった」と、いつも理解できるまで譲らない学生がそう言ったので、ほっとしました。

 もちろん、こういうことを3,4課ほど繰り返してやっていけば、直に、接続助詞と接続詞の関係が、こういう説明抜きでも理解できるようになるはずで、まあ、今のところはそれを期待しています。

日々是好日
コメント
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