ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

メルシャン「甲州 淡紫 2008」誕生

2009-10-09 10:39:29 | ワイン&酒
日本のワイン界のリーダー的存在である「メルシャン」によるメディア向けセミナーの中で、

10月21日に新発売される甲州ワイン が紹介されました。


「甲州 淡紫 2008」 

あわしむらさき と読み、その名の通りの淡い紫のパッケージが上品です。



実は、甲州ブドウの果皮の色は淡い紫色をしています




シャルドネなどの緑色の果皮のブドウは「白ブドウ」、カベルネなどの赤ワイン用ブドウは「黒ブドウ」と呼ばれますが、
甲州のような薄紫の果皮のブドウは「グリ(灰色)ブドウ」と呼ばれます。

ということから、甲州ブドウの色合いと高貴な色である淡い紫色から、
「淡紫」という名前がつけられました。



今まで色々な甲州ワインを生み出してきた同社が新たに送り出したのは、

「和食」と「甲州」の相性を徹底的に追求したワイン です。

繊細でクールな和食には、重すぎず、しつこすぎないワインがベストマッチ。

そう考えた結果、従来の甲州ワインよりも
アルコールや甘さの度合いが控えめで、甲州独特の渋味が強めに出た
「甲州 淡紫 2008」 が誕生しました(限定5000本)。




飲んでみると、ザラザラした質感の渋味があります。
しかし、イヤな渋味ではなく、非常に心地の良い、旨味を含んだ渋味で、ワインに厚みを与えています。
甲州種には元来独特の渋味がありますが、それがいい形で表現されているようです。

ベースは「甲州 きいろ香」で、それにほんの少しだけ「甲州 グリ・ド・グリ」になる原酒の甲州を加えているとのこと。
(「きいろ香」と「グリ・ドグリ」については前回レポート参照)

色も、「きいろ香」より濃く、「グリ・ド・グリ」より薄い色調です。


今回、よく冷やした「淡紫」と、いったん冷やしたボトルをクーラーから出したボトルの2パターンを飲み比べたところ、

よく冷えたワインは「きいろ香」に近いスッキリ&サッパリ系で、
温度が上がってくると「グリ・ド・グリ」に近く、コクのある飲みごたえを感じました。



「淡紫」は「ご飯」に合うワインということで紹介されましたが、冷たい温度では味がバラバラで、相性はイマイチかな。
温度が上がったものとよく合うと思います。



ご飯の生春巻き                   ライスコロッケ

ご飯メニューもアレンジ次第でマリアージュが色々変わりますので、「ワインとは合わない」と一蹴するのではなく、あれこれ工夫してみると面白いでしょう。
特に、上記で試したような「温度」を変えての提供は、マリアージュの可能性をより増やしてくれますのでオススメです。



そうそう、この「甲州 淡紫 2008」 は、コルク もユニークです。



「甲州」の「甲」が亀の甲羅で、しっぽに見立てた「州」が水の中を泳いで流れている様子がイメージされています。

ラベルの中にも「亀」がいますので、探してみるのも楽しいですね


コメント (2)
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