とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

温室効果ガス削減のための地球規模の対策とは

2009-11-08 21:03:55 | サイエンス
英国の科学者団体・イギリス王立協会が「地球温暖化はもう止められない可能性が出てきた。非常事態に備え『プランB』を策定すべし」という報告書を発表したそうである。『プランB』とは、地球工学を発動して、地球を人為的に寒冷化できるようにしておこう、というものである。大きく分けると(1)大気中の二酸化炭素を除去する(2)太陽エネルギーを遮断するのふたつのやり方があり、具体的には、下記の5つの“地球冷却策”が検討されている。

1. 空飛ぶ火山
 火山が噴火すると二酸化硫黄を含む小さな粒子が大気中に噴出される。その粒子によって一部の太陽光線は宇宙に反射され、地球は素早く冷却されることになる。これまでに複数の研究者が同様の粒子を放出するジェット機や風船など、独自の“空飛ぶ火山”を用いた地球温暖化対策を提案している。

2. 雲を生み出す船
 コンピューター制御の船が遠方の海を航行し、海水を吸い上げて霧を噴射すれば、低空に厚い雲が形成され、その雲で太陽光線を宇宙に反射することが可能だ。こうした船を数百隻航行させるには10億ドル以上の費用がかかるが、地球工学的な方法の中では比較的小さな額だ。だが、船に局地的に温度や気象を変化させる機能が備えられることで、雲の制御をめぐって国家間で衝突が起きる恐れがある。

3. スペース・ミラー
 地球の大気で太陽光線を遮断する代わりに、宇宙空間に挑戦する方法もある。巨大な鏡や反射する円盤を地球周囲の軌道に乗せれば太陽光線を遮断できるという。この手法は安全で副作用が少ない。だが、費用は数兆ドルに上り、設計から建設、打ち上げまでに数十年はかかるため、従来の何倍もの規模の巨大な宇宙計画が必要になる。

4. 人工的な樹木
 樹木は主要な温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)を空気中から大量に吸収しているため、より多くの木を植えることは、空気中から温室効果ガスを除去する最もコスト効果の高い方法の一つだと言える。だが、利用できる土地は限られているため、科学者たちは現在、化学反応を起こしてCO2を吸収する人工的な樹木を研究中だ。人工的に吸収されたCO2は、濃縮して洞窟や古い石油貯留層などの地下へ送り込む必要がある。この方法は地球温暖化の根本原因である温室効果ガスを処理できるため、CO2の排出自体をゼロにしてしまうという方法を除けば、最も強力だという。だが、費用も最もかさむことになりそうだ。

5. 山を溶かす
「岩石の山を溶かす」と言うと、まるでマッド・サイエンティストの妄想のように聞こえるかもしれない。だが、CO2を吸収する一つの手段として、岩石の自然な風化作用の速度を上げるという方法も提案されているのだ。通常の弱酸性の雨水では、何十万年以上もかけて山や岩石が溶解され削られてゆくが、CO2はその過程で空気中から取り出され、石灰石などの鉱物となって封じ込まれる。この風化作用を人工的に再現するという大規模な作業を実現するには、大きな鉱山がいくつも必要だ。また、海水を化学的に分解して酸を作り、岩石の上に噴霧するために大量の電力を使う。大規模な鉱山の運営と大量のエネルギーが必要となり、大変な費用がかかるという。

どれも、想像もつかない大規模なプロジェクトになりそうであり、実現できたとしても副作用の心配があり、これまでは「禁じ手」とされてきたそうである。だが、もうそんなことを言っていられない事態だともいう。これらの対策を実施するうえで科学的、技術的な面は可能であるらしい。むしろ最大の障害は社会的、倫理的、あるいは法律、政治上の問題だろうと言われている。たしかに、地球の“温度調節”の支配権をめぐり争いが起きかねないことだろう。このまま、地球温暖化が進んだ場合、50年100年先の地球がどうなっているのだろうか?自分たちの子供や孫の世代の将来が心配である。

参考として、こちらを紹介しておく。
「地球温暖化に抗する」クレージーな地球工学的計画ベスト10
http://wiredvision.jp/gallery/200804/20080423094240.html

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。