とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

2020姫越山(ひめごやま)

2020-12-29 07:03:40 | 山登り
熊野古道ウォーキングをした日は、紀北町の民宿に泊まる。直接宿に来たメンバーも含めて10名が集まった。宿では、荒磯料理の海の幸満載の素晴らしい夕食を満喫できた。翌朝早めに宿を出発する。


20分ほど車を走らせ、大紀町の日の出公園まで移動する。日の出公園では、日帰り参加で集まった5人を含めると15人の大パーティになってしまった。初対面の人もおり、自己紹介などをしてから、姫越山への登山口に向かう。




1週間ほど前くらいは、この日の天気は雨が降りそうな予報になっていたが、当日になってみれば、ポカポカ陽気の絶好の登山日和になっていた。この山は、知り合いのNさんが呼び掛けた企画だったのだが、急にNさんが来られなくなり、私の方で仕切ってくれと急遽依頼されてこの日に至った。頼まれたからには、無事に全員下山できるようにしなければならないと気を引き締めてメンバーに臨んだ。


しばらく歩くと姫越山の北登山口に到着する。コンクリートの階段を上っていく。


標高30m地点はシロハゲ避難所となっており、津波災害の時の避難所になるようだ。


シロハゲ避難所を過ぎると、ウバメガシが群生する森の急登を登っていく。展望台からは錦湾が望める。


歩き出して1時間10分ほどで姫塚に到着する。姫越山は、悲しい伝説が残る山だ。「戦乱の昔、落ち延びてきた姫君と侍従の老武士が峠にさしかかり、動けなくなった姫君のため水を汲みに行った老武士が戻ってみると姫君はこときれていた。もはやこれまでと老武士も後を追った」という昔話が残されている。この姫塚は、ここでこと切れた姫の墓のようだ。


姫塚の前には、誰が手向けたものか、花や飲み物が手向けられていた。


9:34。姫越山502.9mに到着する。


姫越山からは、グングン下っていく。登りは急登だったが、下りも急だ。


下っていく途中からは、芦浜の景色が良く見える。この芦浜は、かつて中部電力が原子力発電所の建設を計画していた場所だ。しかし、地元の猛烈な反対運動などもあり、2000年に計画の白紙撤回が表明され、事実上計画は中止されている。ただ、現在も中部電力が元計画地の土地の所有を継続している関係で、所々に中部電力の看板や標柱が建っている。そんな歴史を振り返ると、この美しい景色が現在も残っているという事は本当に良かった。まさに陸の孤島とでもいえる場所に、美しいプライベートビーチが広がっていた。


つづら折りの登山道を何度も曲がって下ってくるとやっと平らな場所に出た。広場には、何かの作業小屋が建っていた。


小屋前で少し休憩してから、先に進むとすぐに浜に出た。


下山途中で見えた芦浜だ。静かに波が押し寄せ、円弧状の美しい浜になっている。


海を見ながら、昼食休憩だ。山に登って下山すれば、こんな美しい浜に出るとは思いもよらなかった。


こんな風景は、山登りではほとんど見たことがない。


お腹が膨れたところで、浜沿いに歩きだす。




海から、もう一度山登りが始まる。この逞しい樹は、何の木だろうか?真っすぐ伸びているたくさんの幹と網目状に張り巡らされた根の張り出しが凄い。


芦浜峠に到着する。ここにも「社有地につき、立ち入りを遠慮してくれ」との中部電力の看板が建てられている。


姫越山の特徴に一つにシダの群生が凄いという事があげられる。この辺りは、登山道の数m上までシダが蔓延っている。


分岐点にあった標柱には、“錦中学校方面”と書かれている。まさかこんな山道が通学路なのかとビックリする。


飽きるほど似たような登山道が続き、もう終わって欲しいと思い始めたころ、やっと浅間神社に着いた。


浅間神社から石段を下っていくと、南登山口だ。


舗装道路に出る。


道路の反対側は、錦漁港があるので、漁港の中を通っていく。


13:45。日の出公園駐車場に、全員無事到着する。歩行時間は5時間半ほどで、当初の予定より2時間も早く下山できた。人数が多くて、時間がかかるのではと思っていたが、みんな健脚の人ばかりで、快適に登山できて良かった。低山だが、内陸の山では味わう事の出来ない景色を楽しむことが出来、今年の登り収めの登山が終わった。

参考1.姫越山のルートマップ


参考2.姫越山の高低図&コースタイム