とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

2013天狗石山・智者山登山(後半)

2013-12-22 22:24:16 | 山登り
天狗石山から猿見石山に行くつもりであったが、山頂の標識は七ツ峰か智者山しか方向が示されておらず、猿見石山へのルートが全く示されていない。この周辺の山岳地図を持っていけばよかったのだが、ガイドブックの地図しかなく智者山からどこにつながっているのか分からない。スマホの地図アプリで、ルートを確認しようとも思ったが、圏外でスマホは使えない。本来は、2万5千分の地図も持参し、ルートを確認できるようにするべきだった。今回のルートを甘く見ていたと大いに反省する。

それでも、次の行動に移らなければ先が見えないので、天狗岩経由智者山方向に向かうことにした。これらのルートについては、標識がしっかり整備されている。雪の斜面を、滑らないように気を付けながら下って行く。


ほどなく天狗石の看板の前を通過する。このあたりの累々とした岩を天狗石と呼ぶようだ。看板の由来を読むと、この山は江戸期までは天狗石橋山と呼ばれていたそうだ。言い伝えでは、天狗たちが山麓の崩野という村里まで一夜で石橋を作ろうとした所であったらしい。しかしいつからともなく「はし」が脱落し、天狗石山と呼ばれるようになったという事が書かれていた。


途中の樹林帯からは、富士山が何とか見えるが枝が邪魔してはっきり見えない。ずっと歩いて行っても見通しがいい場所がなく、端正な富士山の姿を写真に撮ることはできなかった。左側に見える黒い山は、七ツ峰。


40分ほどで、智者山(1292m)に到着する。


一応到着したものの、猿見石山へのルートは結局わからず、ヤバい状態になったと危機感を感じる。智者山で、みんなの知恵を出し合い、今後の対応を相談する。携帯が通じるか見てみようと、もう一度携帯の通信状態を確認するとドコモだけが3本立ちだった。ソフトバンクやAUは使えなかったが、ドコモはやはり山では強い。N山さんの携帯で、川根の観光協会に連絡を取ってもらい、ルートの確認をする。しかし、観光協会では山に詳しい人がおらず、地元の山に詳しい人を紹介してもらい、再度連絡を取る。ほどなくして、紹介された人と連絡が取れ、話を聞くと、猿見石山への下山ルートは、現在ほとんど使われておらず、今から下山するのはやめたほうがいいとの助言を受け、智者山から智者林道を経由して千頭まで下りるルートを教えられる。確かに、午後1時半となり、道なき道を下っても暗くなってしまうと遭難の危険がある。もたもたしていたら、本当に遭難してしまうので、すぐさま教えられたルートをたどり急ぎ足で林道に向かった。


林道の入り口に到着し振り返ると、天狗石山が後方に見えていた。


下山のめどが立ったので一安心して、展望のいい場所で記念撮影だ。まだまだ先は長いが、もうゴールにたどり着いたようなみんなの笑顔に一安心だ。


林道の途中には、崖崩れの場所もあり小石がごろごろと落ちてきていた。非常に危険な場所を恐る恐る通過する。


舗装された林道歩きは、登山靴だと足にこたえる。スマホの地図アプリでルートを確認しながら先を急ぐ。


林道の中間くらいで、智者山神社入り口に到着する。この神社は、室町時代前期の建立だという。昔から雨乞い、授乳の神、最近では入試の神として崇められているそうだ。智者山神社から直接、智者山に登るルートがあり、頂上まで戻っていれば、智者林道を経由しなくてももっと早く下山できたのだが、今更思っても後の祭りだ。


智者山神社から千頭までの道のりはまだまだある。林道沿いには、番号が振られた幟旗と観音像が見られる。全部で33体あるそうで、下に行くほど番号が減っていく。以後、番号が減っていくのを楽しみにしながら歩いていく。


茶畑の間を抜けていく。


やっと、千頭の街並みが見えてきた。でも、まだまだ先は長い。


観音様の番号も、だいぶ減ってきたが足もかなり疲れてきた。


やっと1番の観音様に到着し、これで終わりだねと記念写真を撮る。


ひょっとしたら0番があったりすると面白いねなどと言っていたら、そのまさかで0番が出てきた。呆れるやら笑えるやらだ。これが、本当に林道の始まりだったのだ。


千頭温泉「旬」前の吊り橋を渡ると、千頭駅は、もうすぐ近くだ。


橋の手前から、北のほうを見ると朝真っ白だった朝日岳が夕日に染まって赤くなっていた。


午後4時半、無事に千頭駅前に到着する。本当に長い林道歩きだったが、何とか日没前に下山できて一安心する。


最終の奥泉駅行きのトロッコ列車に間に合った。駅についてから10分後の発車だったので、本当にラッキーだった。列車の前には、クリスマスバージョンのモールが飾られていた。


トロッコ列車に乗ると、あっという間に夜になってしまった。山では、平地より日没が早い。30分後に、車を止めた奥泉駅に到着する。


駅員さんが切符に記念スタンプを押してくれる。切符は持ち帰っていいそうだ。


辺りは真っ暗になっていたが、車に戻ればホッとする。あとは、コンビニに忘れてきた財布だけが気がかりだった。さっそく、川根のコンビニまで車でひた走り、無事財布も受け取ることができた。まったく日本人は正直な人が多いもので、ありがたいことだ。お客の人が見つけ、店員さんに届けてくれていたようだった。終わってみれば、すべて満足できる結果だった。あとは川根温泉で汗を流し、無事帰宅する。長い一日でハプニングもあったが、楽しく充実した登山になった。山に行くときは、しっかりした地図を必ず持っていかねばならないという事と、山ではドコモが一番強いという事を再確認できたのが一番の収穫だったといえる。

参考:今回のコースマップ