とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

映画『ジョン・カーター』

2012-04-26 21:40:28 | 映画
映画『ジョン・カーター』 - オリジナル予告編 (日本語字幕)


チェック:ジョージ・ルーカスやジェームズ・キャメロンの作品に構想のヒントをもたらしたエドガー・ライス・バローズの小説「火星」シリーズの最初の作品「火星のプリンセス」を映画化したファンタジー・アドベンチャー大作。『ウォーリー』の監督アンドリュー・スタントンが自身初となる実写映画にチャレンジし、地球から滅亡寸前の惑星“バルスーム”に迷い込んだ主人公の戦いを描く。主人公ジョン・カーターを演じるのは、『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』のテイラー・キッチュ。ほかに、リン・コリンズとウィレム・デフォーらが共演。最先端の映像技術で再現される、神秘的な宇宙と驚異の冒険から目が離せない。

ストーリー:1881年のニューヨーク、大富豪のジョン・カーター(テイラー・キッチュ)がこつ然と姿を消す。おいのエドガー・ライス・バローズに託された日記には、未知の惑星“バルスーム”でのジョン・カーターの驚きの体験がつづられていた。それは、全宇宙を支配しようとする“マタイ・シャン”によって滅亡の危機に直面していたバルスームが舞台で……。(シネマトゥデイより)

久しぶりに映画を見てきた。この「ジョン・カーター」という映画は、チェックの所に書いてあるように、ターザンの原作者であるエドガー・ライス・バローズの小説「火星」シリーズの最初の作品「火星のプリンセス」を映画化したものだ。もう何十年も前に、この「火星のプリンセス」という小説に出会い、その世界観に魅了され全シリーズ11巻を読破し、他の金星シリーズやターザンシリーズも含めて、エドガー・ライス・バローズの世界にはまり込んでいたのが思い出される。もう100年以上も前に書かれた作品なので、科学的な根拠に基づく内容とはいいがたいが、ファンタジーアドベンチャー小説と割り切れば、楽しめる内容だった。

この「火星のプリンセス」を初めとする火星シリーズや金星シリーズは当時、東京創元社から文庫版で出版されていた。何といっても、表紙のイラストの美しいプリンセスの絵に惹かれて読み始めたといっても過言ではない。イラストは、SFアートでは第一人者の武部本一郎画伯によるもので、写実的で幻想的、しかも高貴な美女が見事に描かれていた。次巻を買うたびに、表紙がどんな風に描かれているのかが毎回気になっていたものである。武部画伯が描く火星の絶世の美女「デジャー・ソリス」のイメージが、未だに頭にこびりついている。


アリゾナの洞窟から忽然として火星に飛来したジョン・カーターが、乱世戦国時代の火星で縦横無尽に活躍するのが痛快である。しかも重力が地球よりずっと少ない火星では、地球人のカーターはまるでスーパーマンのように飛び跳ねまわるのである。また、登場するキャラクターは四本腕の獰猛な緑色人、地球人そっくりの美しい赤色人、八本脚の馬、十本足の犬といったモンスターたちもいる。この荒唐無稽といってもいいスペースオペラが、実写で映画化されるなんて思ってもみなかった。

この映画のことを知って、何十年前に嵌った火星シリーズの名作「火星のプリンセス」がどんなふうに映画化されたのか気になってどうしても見たかったのだ。「スター・ウォーズ」のジョージ・ルーカスや「アバター」のジェームス・キャメロンも影響を受けたという古典的作品であり、まさに原作の世界観がきちんと描かれていたといっていい。四本腕の獰猛な緑色人や、不気味な顔だが愛嬌のある犬のウーラ、光をエネルギーにした飛行艇など、最近のCGは凄い。何の違和感もなく、キャラクターに感情移入できる。ただ、唯一違和感があったのは、プリンセスのデジャー・ソリスの女優さんだ。武部画伯のデジャー・ソリスに嵌った世代の人間としては、イメージが合わない。プリンセスは、薄物をまとい、はかなげな雰囲気だが強さを感じるというイメージでなければ納得できない。剣の達人で、戦闘ゲームにでてくるような筋肉もりもりの美女では、イメージが違うのである。映画の女優さんが魅力ないわけではないのだが、それだけは残念だった。アメリカでは、大コケした作品だったそうだが、火星シリーズの文庫を読みふけったものとしては、充分楽しめた作品だった。続編を見たいと思うのだが、本場でコケたということだから無理なのかなあ。題名も「火星のプリンセス」にして欲しかった。