とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

映画『ナルニア国物語/第3章:アスラン王と魔法の島』

2011-03-02 22:36:36 | 映画


チェック:C・S・ルイスの児童文学を映画化したファンタジー・アドベンチャー、『ナルニア国物語』シリーズの第3章。親せきの家に預けられたペべンシー兄妹が帆船の絵の中に吸い込まれ、再びナルニア国へと冒険に出る。『007/ワールド・イズ・ノット・イナフ』のマイケル・アプテッドが監督を務め、前作に登場したカスピアン王子役のベン・バーンズが続投。魔法使いやクリーチャーたちと遭遇しながら、運命に立ち向かう兄妹の成長劇が見もの。
ストーリー:ペべンシー兄妹は大嫌いな従兄のユースチスの家に預けられるが、壁に掛かった帆船ドーン・トレダー号の絵の中に吸い込まれ、再びナルニアの国へ。兄妹は、親友のカスピアン王子(ベン・バーンズ)とネズミ戦士のリープチープと再会を果たし、ナルニアの東の果てへと再び冒険の旅に出ることになるが、行く手にはさまざまな困難が待ち受けていた。(シネマトゥデイより)

全7章にわたる長編ファンタジー小説「ナルニア国物語」の第3章が映画化され公開されている。第1章、第2章を見て大ファンになってしまい、大いに期待して見に行った。第3章は今流行の3D作品である。

前章までは、ペベンシー4兄妹の長兄のピーター、長女のスーザン、次兄のエドマンド、末っ子のルーシーが登場してナルニア国のそれぞれの王として活躍するストーリーであったが、第3章で活躍するのは次兄のエドマンドと末っ子のルーシーである。そして、新たなキャラクターとして従兄弟の理屈っぽい合理主義者のユースチスが登場する。また第2章では王子だったカスピアンが王として登場するのも時の経過を感じさせる。

3Dになって迫力を感じさせる映像を期待していたのだが、最近の3D作品をいろいろ見てきているせいかちょっとした3D効果では、それほど凄さを感じなくなってきている。冒頭の帆船の絵から海の水が溢れ出てきて、エドマンド、ルーシー、ユースチスが絵の世界の中に吸い込まれていくシーンや、奴隷商人達との格闘シーン、ドラゴンと海蛇との格闘シーン等3Dならではの効果がわかるのだが、慣れてしまうともう驚きもそれほど感じなくなってしまっている。むしろ目が疲れそうなのが心配である。

第1章、 第2章は2時間半もあり結構長い映画だったが、その長さを感じさせないほど作品に入り込めていた。それに引き換え第3章は3Dに金をかけすぎたのか時間は2時間に満たない長さとなり、細かい描写を省略してしまったような感があった。邪悪なミラースから逃れるためにナルニアを離れた7人の貴族を見付け出す展開は、あっさり進んでしまっていた。もっと艱難辛苦の末に全員を見つけ出す様子を描いたほうが作品の深みが増したような気がする。

一番残念だったのは、長兄のピーター、長女のスーザンがほとんど登場しなかったことだ。ペベンシー4兄妹が登場するのは第2章までのようだ。これは原作でもそうなっているから仕方がないのであろう。ナルニア国に招かれるにはあくまで子供でないといけないということみたいだ。もう大人になったピーターとスーザンは招かれないのだ。エドマンドとルーシーも第3章で終わってしまい、その後はユースチスが主役になっていきそうなエンディングであった。

全体的には、充分楽しめる作品にはなっていたといえる。エドマンド役を演じるスキャンダー・ケインズとルーシー役を演じるジョージー・ヘンリーは前作からさらに成長したなーと感慨深い。エドマンドは凛々しく、ルーシーも可愛いく美しい女の子になっていた。カスピアン王役を演じるベン・バーンズは、前作以上に格好いい。そして、今後の主役になりそうなユースチスが小憎らしい子供から、悪との戦いで成長していく姿はよく描かれていると言っていい。そして、全能の神のような存在アスランの登場は、最後に作品の質感をピリッと決めてくれる。この作品もハリーポッターのように最後まで映画化してくれるのであろうか。今後も期待したい映画である。