prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス」

2022年05月21日 | 映画
同じ役者が違う平行世界でもう別の自分を演じるのは、役者の腕の見せ所になるだろう。

カンバーバッチが今回はフランケンシュタインの怪物がかった役もやっていて、実際、舞台でフランケンシュタイン博士とモンスターをジョニー⋅リー⋅ミラーと交互に演じたりしていた(ご丁寧にもミラーはやはりテレビの「エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY」でホームズ役をやっていた)のを思い出した。

単なる巡りあわせと言ってしまえばそれまでだが、映画(ドラマシリーズも)のキャラクターが何度もリサイクルして使える経済モードに完全に突入して、プログラム・ピクチャー時代の一本一回で完結する世界とはずいぶん違うところに来たものだと思わせる。
早い話、前のストーリーどういうのだったか忘れていることが多い。それでも構わない作りにはなっているけれど、どうももどかしい感じはつきまとう。

監督がサム⋅ライミだからなのか、グロ味が濃いところは相当に濃い。
極端に遠近感を誇張する画面作りもお馴染み。
正直、役者によってはどうも華がなくて場面が盛り上がらないところはある。