prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ベイビーわるきゅーれ」

2022年05月05日 | 映画
冒頭、コンビニのパワハラセクハラそのまんまの圧迫面接から一転したアクションシーンで、リュック·ベッソン風の女殺し屋の荒唐無稽なアクションものかと思ったら(ただし腕力や体格で劣る女の子が男を倒すのにナイフでざくざく何度も刺すといったフィクションとしてのリアリティは確保している)、すっと現実に戻る、のかと思ったらもう少し荒唐無稽な展開が続くという調子で、どういう風に見ればいいのかしばらく戸惑った。

「タクシードライバー」みたいな現実と願望・幻想が微妙に混淆しているのか分離しているのかわかりにくく、それが失敗なのかというとそうとも言い切れない。

そのうちウザさとそれに反発する爆発と行き来する、どちらかに偏らない作りであるらしいと見当がついてくる。

わるきゅーれとタイトルについているだけでなく、大幅に編成を小さくしたワーグナーの「ワルキューレの騎行」が流れる。

セリフがどうもぼそぼそしていて聞き取りにくいと思ったら社会不適合者という設定らしい。

ヤクザの兄貴分格の、お店で買い物して店の人がお釣りを200円を200マン円と言うつまらない冗談にマジで絡むあたりのいきなりシャレがシャレにならなく気味のわるさ。

なんだか歯切れの悪い言い方になったが、知ったかぶりしたり簡単に割り切るよりはいいだろう。