prisoner's BLOG

見た映画のメモと、ツイッターのスクラップで出来ています。

ルーツ 第4話:世代を超えた絆

2016年09月29日 | 海外ドラマ
南北戦争の黒人部隊ががっちり描かれるのも、旧作からリメイクの間に「グローリー」が現れた甲斐があったと思える。
捕虜になった北軍のうち、黒人兵だけが射殺されるのが実にむごたらしい。

奴隷制度に反対しリンチで殺される白人も描かれる。旧作でもプア・ホワイトが描かれていたが、今回は比重が軽くなったように思える。

旧作が作られてから人種問題の状況が変わったところと変わらないところがあるわけで、表現としていてよりリアルになったり、歴史研究の進歩を取り入れた部分が多々あって、リメークの意義は大いにあったと思うが、日本ではどうも評判になった形跡がない。

原作者のアレックス・ヘイリー役は旧作ではジェームズ・アール・ジョーンズだったが、今回はローレンス・フィッシュバーン。
一人の人間のルーツにはこれだけ大勢の人たちの希望や苦しみがあったのだと目で見て実感させるラストシーン。



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ルーツ 第3話 チキン・ジョージ 父との確執

2016年09月23日 | 海外ドラマ
闘鶏用の鶏を育てる腕に恵まれ「稼げる」ので、白人の主人トムに気に入られていると思っている三代目チキン・ジョージの勘違いがもたらす悲劇がメイン。
トムとの関係が一見して対立一方ではなくなるが、決して信頼とか友情とかいった関係ではまったくない。
それどころか、トムが実の父であることがわかってくるあたりから、ただでさえクズだと思われていたトムの、そのクズっぷりはほとんど唖然とするレベルになる。

ジョージを手に入れたい白人の陰謀の結果、トムが上流階級の白人と決闘になるのだが、こんな長く血みどろの決闘シーンは見たことない。
まず順番を決め、離れたところからピストルを撃ち、それから順番を変えて射撃を受ける。弾丸が手に当たって銃を撃てなくなったら、今度は剣に持ち替えて斬り合い、そのたびに負傷が重なるのがなんとも凄惨。
ここは闘鶏場だ、というセリフが出てくるのが効いている。

白人社会でしきりと紳士という言葉が誤って使われているが、まったくの無内容な見栄とプライドに過ぎないのがわかる。折しも時代は19世紀はじめで、「バリー・リンドン」で何度も見せられた決闘の内実を新大陸でもっと野蛮で生々しく見せられた感。

叛乱を起こした実在の黒人指導者ナット・ターナーの噂話が出てくる。赤ん坊を殺して食べるなどという荒唐無稽な噂が白人の間で堂々と通用しているグロテスク。

黒人が「道具」としての役に立つからといって尊重されるわけでなく、金の生る木であるジョージを手に入れるためだったら一見お上品な連中の方がはるかに悪辣な真似をするし、実の息子を動物同様に手放すトムの人非人ぶり。



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ルーツ 第2話 部族の誇りと魂の伝承

2016年09月18日 | 海外ドラマ
逃亡したクンタ・キンテが映画「グローリー」で描かれたような南北戦争の黒人部隊に参加するという旧作にはない展開になる。
奴隷解放という大義名分はあっても、北軍側も黒人を差別していることに変わりはなく、なかなか銃を渡そうとしなかったりする。

二度と走れないように爪先を切り落とされるのを見せるのはショッキング。
アフリカで馬の扱いを覚えていたので、御者として雇われるというのも旧作になかった展開。



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「ROOTS/ルーツ」(2016) 第1話:クンタ・キンテ 苦難への航海

2016年09月05日 | 海外ドラマ
旧作に比べて、かなりアフリカの歴史の研究が進んだのを取り入れたと思われる。

冒頭、アフリカの現地人側にも奴隷を狩って売る王国があることが描かれる。おそらくダホメー王国だろう。(なぜ西アフリカ諸国は奴隷貿易に加担したかより)。
さらに父親が銃を持っており、馬も貴重ながら使役され、この馬はサハラ砂漠にいたというセリフもある。
若者を厳しく鍛える一種の軍隊組織があったり、街に行き大学に入りたいとクンタが言ったりと、クンタが属するアフリカの共同体も西欧とは違う独自の文明・文化を築いていたのを見せる。

風景も川べりの緑豊かな土地で、乾燥したサバンナに住む未開人という紋切型を否定している。

生まれた息子に名づけた父親が名前は魂であり盾だと言い聞かせる。これがのちに奴隷としての「トビー」という名前を押し付けられるのと対応してくる。
「千と千尋の神隠し」で湯婆婆が千尋から名前を奪ったのを思い出した。宮崎駿がインタビューで言っていたが、名前を奪うことでアイデンティティを奪うというのは、かなり普遍的に見られる現象のようだ。

息子が旅立つと足跡の土を拾い上げる。無事に戻ってくるようにというおまじない。 

フィドラー(ヴァイオリン弾き)役が旧作ではルイス・ゴセット・ジュニアだったが、今回はホイットニー・ウィテカー。

暴力描写は旧作よりかなり激しくなっている。実際はもっとはるかにひどいものだったろうが。

それにしても、旧作はテレビ朝日系列でゴールデンタイムに鳴り物入りで放映されたのに、今回はCSだけ。海外ドラマを本当に地上波でやらなくなった。

ヒストリーチャンネル ROOTS/ルーツ



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「ファーゴ」(ドラマ版)

2016年06月21日 | 海外ドラマ
映画版同様に「これは実話をもとにしている」というウソを冒頭にもってきている。
映画版でほったらかしになった大金を実話ならまだ隠されたものと勘違いして探しに来て遭難した日本女性を主人公にした映画「トレジャーハンター」が作られたりしている状況で「実話です」と堂々とウソをつくというのは、ウソぶりに拍車をかけていると考えていいだろう。

実際、どう考えてもこれ実際にはありえないだろうというシーンを連発して持ち込んでくる。ビリー・ボブ・ソーントンが演じる死の使いのようなキャラクターが聖書でモーセが行ったような水を血に変えたり無数のイナゴを襲来させたりする奇跡を起こしたりするあたり、実話ですというのがウソですというのと同じになっている人を食った効果を出した。
しかもシリーズのエピソードの冒頭にいちいちこれは実話ですと断るのだから、「空手バカ一代」で「これは実話であり、この男は実在する」といいながらウソを連発した、さらにその先をいっている。

映画版の二人連れの殺し屋とか妊娠している警察署長といったキャラクター設定を生かしながら縦横に設定を膨らませたのも俳優陣の健闘とともに見事。
ヒドい場面が続くわりにスタイリッシュな表現とあまりのヒドさで笑ってしまう。
ラストが一応きちっと決着がついてムリに後にひっぱらないのもいい。

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お題「夢中になっていた海外ドラマは?」

2016年02月29日 | 海外ドラマ
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好きなドラマ面白かったドラマは数ありますが、夢中になったといったら「プリズナーNo.6」にとどめを刺します。

まったく何の予備知識もなく中学の時深夜放送で再放送をたまたま見たのがよかったと思うのですが、第一話の巨大な球が行く手を阻み追ってくる奇怪なイメージや、石像が動いてNo.6を見る(像の目が監視カメラになっている)今見るとコクトー風のシュールなシーンなど唖然呆然。

それからも次々と一話ごとにパターンを自ら壊し解体して、どのジャンルが入るのかもよくわからない、一作でひとつのジャンルを作ってしまっているようなのが凄い。

誰かの形容ではジェームズ・ボンドとジョージ・オーウェルとルイス・キャロルとコミックブックを混ぜたみたいとあった。さらに言うと西部劇も入ってます。

ついには今でもツイッターのアカウント名にも一部採用しているのだから、我ながらどうかしている。



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「ザ・フォロイング」

2015年03月20日 | 海外ドラマ
「羊たちの沈黙」的な安楽椅子探偵や、ホームズもののモリアーティばりのカリスマ的リーダーといった要素が混ざっていて、さらにエドガー・アラン・ポーの作品がモチーフが絡むといった調子で、かなり欲張っています。

タイトルになっているフォロワーというのはカリスマ的犯罪者に一見普通の連中が心酔して従っているので、思いがけないところで裏切りや落とし穴が現れるのは意外な展開という点ではいいけれど、ちょっと話を引き延ばすのに使われている感もある。

悪役もやれるケヴィン・ベーコンが刑事役なもので善悪の境目が曖昧なのは、最近ではデフォルト。



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オーファン・ブラック 暴走遺伝子 シーズン1

2015年01月23日 | 海外ドラマ
自分と同じ顔の人間が飛び込み自殺する、というオープニングのつかみが最高で、続いてどんどん自分が増殖していくあたりの展開も好調。ただ「俺俺」みたいに不条理劇式に自我が分裂していくわけではなく、遺伝子操作による結果であることがわかってくるのがまた今風。テクノロジーの進歩によって、人間性とか自我といった近代社会の前提になっている概念が解体されていく時代にいかにも即したエンタテインメント。

六種類以上(もっと増えそう)な同じ顔の役を扮装を変えて演じ分けるタチアナ・マズラニーの演技が見もの。一見していわゆる一般的な白人とは違う感じなのが、役柄によく合っている。ウクライナ・ポーランド、ドイツ、オーストリア、ルーマニアの血が混ざっているというカナダ人。カナダにはスターリンから逃れてきたウクライナ系の人が多いというが、先祖の一人がそうなのだろうか。

製作もカナダとアメリカBBCとの合作という混血ぶり。カナダのトロントで撮影されているせいかちょっと一般のアメリカ製ドラマと雰囲気が違う。もっとも最近はアメリカを舞台にしてもロケは外国ということが珍しくはないが。

あまりに大勢同じ顔の人間が入り乱れるのでストーリーがわかりにくくなったり、役名とどんな役だったか結びつかなくなったりするのはちょっと困った。ガイドが欲しいところです。



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アンダー・ザ・ドーム2

2015年01月05日 | 海外ドラマ
スティーブン・キングの原作では無数のピンクの星が降ってくるところで終わるはずが、ドラマがヒットしたものだからオリジナルで続きが作られることになった。ロコツですねえ。

冒頭でシーズン1の重要人物が殺されてしまうのにびっくり、ただしこの世界では死んだ人間が蘇ってくるのであって、シーズン2になって死んだはずの人間が何人か登場する。よく人が死ぬのだが、そのまま退場するのかどうかわからないのが微妙なところ。役者のスケジュールや人気も関係してくるのだろうなと想像する。

シーズン1ではもっぱらドームの中で話が終始したわけだが、2になって限られた形にせよ外部との通路ができて外のシーンもいくらか出てくる。
ビック・ジムとジュニアが善悪の両端を激しく振れるのがおもしろいし、バービーと父親の関係も3からまた展開しそう。父親と息子の葛藤のモチーフはいかにもアメリカ的です。

ドームが何をしようとしているのか、というところで、ちゃんと説明がつけばいいのだが、ちょっと無理じゃないかなと思える。「LOST」にせよ「ツイン・ピークス」にせよ、謎でひっぱっていくとたいてい着地があいまいになる。



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「ゲーム・オブ・スローンズ 第一章:七王国戦記」

2015年01月03日 | 海外ドラマ
アメリカでえらい人気だというので見てみた。日本でもはまる人はやたらとはまっているみたい。
ヴィジュアルはSword and Sorcerer(剣と魔法使い)なのだが、シーズン1だけ見ている分には、魔法の要素は薄く、スローン(王座)をめぐる複数の家の権力闘争がメインで、ファンタジーというか複雑などろどろ劇のところが受けているのかな。
アメリカのテレビは日本みたいに全国で系列化されておらずケーブルテレビで見るので、見たい人が見ているという前提なものだから血みどろの暴力や裸もばんばん出てくる。
馬を殺して血で魔術をかけるシーンなど、動物愛護団体にケンカ売ってるのかと思わせる。

ショーン・ビーンというと映画では「ロード・オブ・ザ・リング 旅の仲間」ほか脇を固める印象が強いけれど、ここでは最も武人で家長らしい貫禄と責任感を見せて、それが陥れられる展開となるとなると続きが見たくなるので、作り手の仕掛けにはまることになる。vol.1の特典で役者がそれぞれ自分の役を説明するのが複雑な人間関係を整理するのに役立つのがありがたいところ。
ドラゴンの血を引いた一族がプラチナ・ブロンドにしてあるのが分かりやすいとともに逆手をいっている印象。

最近は、特にアメリカのは海外ドラマの方が劇場用映画よりおもしろくなっているとはよく言われるし、実際そうだと思う。劇場用映画といってもこうシリーズものがやたら多くなると、でかいテレビという気がしないでもない。というか、もともといわゆる映画全盛期のプログラム・ピクチャーというのも型が決まっていたので、一般的なお客さんというのは安定感を求めるものなのかなと思う。
映画みたいにきちっと最後まで見られれば何らかのけじめがつけられるのだけれど。
しかしこれシーズン6まで製作が決定しているのだよなあ。全部見るとみると時間とられて仕方ない。あちらのドラマは受けるとえんえん続きを作るのだが、初めはおもしろくても次第に停滞ぎみになってきて、どこで見るのをやめるかも結構難しくなることも珍しくない。人気作でも全部見るのは少ない。



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「ALMOST HUMAN / オールモスト・ヒューマン」

2014年08月17日 | 海外ドラマ
近未来、人間そっくりのロボットと人間の刑事コンビがさまざまな犯罪捜査に挑むという、ロボコップと「エイリアン・ネイション」を足して二で割ったような趣向。もちろんブレードランナー風味つき。人間に近い存在と人間とを対比することで人間性とは何か、人間を人間たらしめているものは何かといった問いが自然に出てくるわけだが、ややそのあたりの扱いは常識的な線を出ない。
刑事が白人、ロボットが(外観)黒人という組み合わせなのが意味深。

「LOST」のJ.J.エイブラハムズの新作が「サイバー諜報員 インテリジェンス」と並んだわけだけれど、それぞれどこまで関与しているのか知らないが、表現の斬新さよりはこれまでのSFものでよく使われた要素を組み合わせて使うのが目立つ。



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サイバー諜報員 ~インテリジェンス~

2014年08月14日 | 海外ドラマ
サイバー諜報員 ~インテリジェンス~
脳にありとあらゆるデータベースにアクセスできるチップを埋め込まれたエージェントが、外部のデータと人間の想像をミックスさせながら(当人にその区別はつかないというのがひとつのサスペンスの種になる)さまざまなインテリジェンス工作に挑むテレビシリーズ。
原題はずばりIntelligence。

「LOST」のJ.J.エイブラハムズが製作、同作でも詐欺師の経験もあるワルがかったイケメン・ソーヤー役(なんとなく「ガッチャマン」のコンドルのジョー的役柄)のジョシュ・ホロウェイ主演。

あらゆるデータベースにアクセスして利用できるヒーローというと先日のリブート版の「ロボコップ」がそうだったが、わが日本の寺沢武一の「ゴクウ」がずっと前にやっていたことではある。漫画の連載は1987年、川尻善昭監督によるアニメ版は1989年、そして作中の時代設定はちょうど2014年。

初回の敵役が中国というのはまあ昨今当然だろうが、さすがに政府機関そのまんまではなくはねっ返りという設定にしてはいるが、これ中国に売れるかね。

現実に中国がOSから検索エンジンからブラウザに至るまで、IT技術全般でアメリカ製を拒否して国内で囲い込みを始め、さらには第三世界への売り込みも画策しているわけで、もちろんとうにサイバー戦争は始まっているし、現在進行形でもある。



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「アンダー・ザ・ドーム」

2014年04月08日 | 海外ドラマ
スティーブン・キングの原作は未読。ただし、こういう終わり方ではないだろうとはわかる。
なんでもドラマの視聴率が良かったので、シーズン2を作るべく原作の結末をそのまま採用しないでその手前くらいのところでとりあえず幕を下ろしたということらしい。
製作総指揮をキング自身がつとめているのだが、日本語版で全四巻ものボリュームがあるのにさらに続きを作ろうというのだから恐れ入る。
「一人だけの軍隊」のラストで死んだランボーが映画化では死なず続編がえんえんと作られたみたいなことになるのだろうか。

最近のアメリカの連続テレビシリーズはとにかく次にひっぱろうとしてなんだかモヤモヤしたところで終わること多い。

突然アメリカの平凡な田舎町チェスターズ・ヒルが透明なドームに覆われ、外部と完全に遮断される。もともと閉鎖的なコミュニティがさらに隔離され支配する者支配される者がそれぞれ抱えたダークサイドが表に出る「蠅の王」風ドラマと、ドームを作った何者かとのファースト・コンタクトテーマとが平行して描かれていき飽きさせない。

街の実力者ビッグ・ジムと偏執狂的なその息子ジュニアがそれぞれ邪悪さとともに互いの愛情と理解とを育てるかのように見えるドラマのねじくれた展開など、連続ドラマの長さをかけないと十分に描けないだろう。

ドームを作った何者の意思がまるでわからないところ、ドームが待ちの人々の隠された欲望や願いを現実化したり予言したりするあたりは「ソラリス」や「ストーカー」といったタルコフスキーSFを思わせるところがある。

もちろん続きは見たいけれど、ちゃんと着地するのか心配。



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心理探偵フィッツ 私を愛して

2014年03月18日 | 海外ドラマ
フィッツを信奉する女子学生が犯人。よくあんな性格が悪いでぶちんに惚れるものだと思うが、そのあたりからすでに性格のゆがみが反映している。
おなじみのフィッツが犯人を心理的に追い込んでいく見せ場も、犯人の心理がフィッツ自身に返ってくることなのだから、普段にも増してねじれた感じになる。



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心理探偵フィッツ 孤独な男

2014年02月06日 | 海外ドラマ
犯人役がロバート・カーライルというだけで、何か首筋が寒くなるような予感がするが、事実その通りになる。
1994年の製作だから「トレインスポッティング」(’96)や「フル・モンティ」(’97)より前の出演ということになる。

オープニングの父の葬儀のすぐ後で頭をくりくりに剃り上げてしまう、というあたりですでに異様なムードが漂う。プロレスラーのダイナマイト・キッドが初め貴公子風に長髪にしていたのがいきなりスキンヘッドにしてきたのを、小林邦昭が「あいつはキチガイだ、頭を剃り上げるというのはあちらでは囚人の印だろ」と評していたことがあったが、何か近い激しく破滅的な感覚がある。
カーライルは四歳の時に母親が家を出て行って父親に育てられたというが、イギリスの労働者階級出身で母親より父親との紐帯が強いというあたり、父親の形見の銃剣で連続殺人を犯す犯人と共通しているよう。

中盤で刑事を殺す場面、スーパーマーケットで刑事の夫人の胸を鷲づかみにして、かっとなって追ってきた刑事を密室に誘い込んで銃剣で刺すあたりの計算づくの犯行の冷徹さ、凄みはそうそう見られない。瀕死の刑事が路上に這い出た姿を画面の手前に置き、目撃した子供が奥に伸びる誰もいない住宅街に走っていく鮮烈な画面構成はドキュメンタリータッチのヒッチコックといった感じの傑作。あとで性的な意図はなかったとわざわざ断るあたり、なお怖い。

事件のバックに,ヒルズボロの悲劇という実際の大事故を持ってくるが、日本だったらそれらしい架空の事件にしそうな感じはする。
イギリス労働者階級の鬱積といったものがありありと出ている。ひとごとという感じはおよそしない。

しかし、こういうイギリス製ドラマの暗さというのは、癖になりますな。

Cracker - To be Somebody

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