prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「フルートベール駅で」

2017年05月31日 | 映画
冒頭の事件の映像で何が起きるのかはもうわかってしまうが、前半は事件と関係ない主人公周辺の家族の描写が淡々とつづられる。ここが地味だがじっくり見られるのが重要で、主人公が「犯罪者」というレッテルではなく家族をはじめ何人もの人と関わっている「人間」であることがわかる。

当たり前のように刑務所に入れられていて、それがクライマックスのトラブルに関わってくるあたり、刑務所にぶち込むことが全然犯罪の抑止になっていないどころか逆効果であることが端的にわかる。

クライマックスで黒人であることがほとんど自動的に犯罪者扱いに結びついてしまうのはこれまで何度も映画で見ていた光景だが、改めて理不尽はに怒りを覚える。

監督脚本のライアン・クーグラーはこれが認められて「クリード チャンプを継ぐ男」の監督脚本に結びつくわけだが、新作は「ブラック・パンサー」だという。期待したい。






5月30日(火)のつぶやき

2017年05月31日 | Weblog

「ワイルド・スピード ICE BREAK」

2017年05月30日 | 映画
このシリーズ、友だちの友だちどころか友だちの敵まで友だちになってしまうのだから、あれ?と思うことが多々ある。前作の敵ジェイソン・ステイサムがいつのまにか仲間になるっていつのまにというか、同じヴィン・ディーゼル主演のトリプルXの第一作と最新作を最近見たばかりなので、どれがどれだか。

アクションシーンのものすごさはどんどんエスカレートしていて、基本的にCGには頼らないとはいっても車のテクノロジーと撮影技術(空中をたぶんドローンで移動しながらカーチェイスを捉えるカメラワークがほとんどデフォルトになっている)の進歩はすさまじく、中盤のゾンビカーの暴走のあげくビルから雨あられと降ってくる壮絶な光景などどうやって撮ったのかと思わせる。
これでメイキングつきのDVDが売れるということだろう。

シャーリーズ・セロンが敵役で出てくるわけだけれど、ステイサムみたいにお友だちにまわってしまったりするのではないかと思わせる。
(☆☆☆★★)

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5月29日(月)のつぶやき

2017年05月30日 | Weblog

「夜に生きる」

2017年05月29日 | 映画
暗黒街もので情婦ではないヒロインとかボスとかが黒人というのはあまり見た覚えがない。「マグニフィセント・セブン」ではないが、映画で見せられると結構実際にいたのではないかという気になってくる。

カメラも役者も自由に動き回って銃を撃つと同時に弾着するというのは今の技術からするとさほど難しくなさそうだが、実際に見せられるとおっと思う。

ストーリー映画とすると、ナレーションで運ぶハードボイルド風の語り口が平板になってしまうところがかなりある。ベン・アフレックも監督主演に加えて脚本を兼ねるのはどんなものだろうか。
ハリウッドに行って麻薬漬けにされ宗教にはまって教祖みたいになって足を抜く娘の描き方の暗さなどもう少しどろどろした迫力が出てよさそう。
(☆☆☆)

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5月28日(日)のつぶやき

2017年05月29日 | Weblog

「トリプルX」

2017年05月28日 | 映画
なんだか見たつもりでいたら見ていませんでした。
ヴィン・ディーゼル主演では「ワイルド・スピード」シリーズなどスキンヘッドのマッチョが共演していて車の暴走と大爆発があってとただでさえ混同するのがあって、しかもやたらと間をあけていたり二作目は主演がアイス・キューブに代わったりとスティーブン・セガールの沈黙ものほどひどくはないにせよ、どれがどれだか状態。

はっきり区別がつくのはセクシーでキツめの美女アーシア・アルジェントが出ていることで、父ダリオ・アルジェントと母ダリア・ニコルディの両方に似ている。

人工雪崩を起こしてそれに乗って敵地を破壊する大破壊シーンで先頭に立っていた主人公は平気といういっそ立派なご都合主義。

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ヴィン・ディーゼル Is トリプルX スペシャル・エディション (字幕版)
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5月27日(土)のつぶやき

2017年05月28日 | Weblog

「歓待1.1」

2017年05月27日 | 映画
同じ深田晃司監督の「淵に立つ」と似た感じの小さなごちゃごちゃした感じの印刷会社にいきなり金髪白人女性が裸にバスタオルを巻いただけの姿で現れるあたりから、外国人の闖入者が増えていき、それまでの世界が壊れていくオフビート感は「家族ゲーム」の下町版みたい。

ストレンジャーが大勢わさわさしながら一定のアンサンブルが成立しているのは珍しい。

日本が否応なくさまざまな外国人とつきあわなくてはいけない現状のカリカチュアではあるだろうけれど、社会の反映というだけでなく一見リアルな状況の崩壊感そのものに奇妙な快感がある。

1.1とは何でついているのかわからないが、劇場公開版にはついていないはず。今回日本映画専門チャンネル放映にするにあたってのディレクターズ・カット版のことだろうか。英語字幕つきなのが、日本をいくらか外から見て異化する効用があるよう。

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5月26日(金)のつぶやき

2017年05月27日 | Weblog

「死刑弁護人」

2017年05月26日 | 映画
出だしで安田好弘弁護士が電車の中で抱え込んでいたパソコンをじいっと見ている眼つきがもうただごとではなく、単純に「人権派」と揶揄される左翼といったイメージを飛び越えてくる。
正義感とか人権感覚という以上のデモニッシュな顔つきで、どこかで見たようだと思ったら、劇映画「首」で小林桂樹がやっていた正木ひろしだ。

場合によっては国家権力が独占している「人を殺していい」権利に異議申し立てしているのだから、強大な相手に通常の感覚では立ち向かえないというのか、あるいは通常の感覚ではないから死刑の論理に噛みついているのか。
死刑を当然とする一般市民の感覚にも当然刺さってくることになる。

司法試験に合格したのが7回目の受験で30歳過ぎというから「優秀」だったとはいいにくい。
抱えている事件が55件、そのうち死刑事件が8件というから忙しさは殺人的。

学生運動に参加し山谷の暴動で警察がピンハネしていた暴力団ではなく労働者を摘発していたのに、理不尽だと怒りを覚えたと語る。

電車の中吊り広告で次の総理は前原か枝野かなんて出ているのにびっくり。

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5月25日(木)のつぶやき

2017年05月26日 | Weblog

「帝一の國」

2017年05月25日 | 映画
マンガの映画化だから当然のようだけれど、演技や装置のカリカチュアライズの仕方が上手くて、前半は見栄がびしびし決まるように快調。

高校の生徒会の選挙という小さな世界の政治のようで、それが現実の政界のランキングにもろにつながっているというのは実際の話だろう。あるいは実際の政治の方がマンガみたいなのかもしれない。

ただ中盤から後半にかけて圧倒的に不利な状況からどう反撃していくかといった娯楽映画の基礎に従って盛り上がるのかと思ったら、投票そのものの場面に主人公が姿を現さず、その後も何度も展開をひねっているのがいじりすぎてぴしっと決まらず拡散してしまう印象で終わるのは残念。

イケメンがずらっと並んだとあって(女性の登場人物はほとんどヒロインだけ)ほぼ満員の女性客の多い客席では不思議と笑い声があがらなかったが、終わった後おもしろかったの声をいくつも聞く。だったらもっと声出して笑っていいと思うのだが。
(☆☆☆★★)

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5月24日(水)のつぶやき

2017年05月25日 | Weblog

「PARKS パークス」

2017年05月24日 | 映画
自転車に乗った橋本愛が公園を走り抜け、近くを通る井の頭線の中にいる永野芽郁とそれと知らないまますれ違う、という冒頭は好調で一膝乗り出す。

永野の祖母の遺したオープンリール式レコーダーのテープを聞き、そこに録音された未完成の曲を染谷将太を加えて完成させて公園フェスで発表するのがクライマックスになるのかな、と思ったら、ところがそれがだんだんズレてくる。

単位を落としかけていて佐野史郎の教授とかけあってテープの曲を再現するので卒論の代わりにする(ずいぶん甘い教授だな)というのも結構ムリな話だし、肝腎の演奏シーンが公園の風景を生かさない屋内シーンになってしまっていて、しかも役者自身が演奏しているにも関わらず盛り上がらず中途半端なところで終わってしまう。
このあたり全体の構成・設計がかなり弱い。

井の頭公園とその周辺のロケが魅力になっているのだが、一方で過去絡みのシーンが大林宜彦風に人工的だったりして、異質な映像をまぜる手際が今一つで間延びした印象を与える。
(☆☆☆)

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映画『PARKS パークス』 - シネマトゥデイ

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