prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のメモと、ツイッターのスクラップで出来ています。
時折、創作も載ります。

「土を喰らう十二ヵ月」

2022年12月06日 | 映画
オープニングで東京の風景にジャズ調の音楽がかぶり、そのまま雪に埋もれた地方に車で移動する。
都会にジャズというのはありがちだけれど、雪景色にもかぶせるのが、こういう地産地消の生活も同じようにお洒落なのですといった目配せに思える。

沢田研二が登場した時はずいぶん老けたなと思わせてお茶を本格的にたてるあたりで逆に「TOKIO」を歌っていた頃の毒気がある人から毒気が抜けた味わいを出すのが、里芋を洗って調理する素朴なようでお洒落な感覚に通じる。
沢田研二自身は鳥取の出身。

おそらくご多分に洩れずだろうが、水上勉の原作(原案)は「美味しんぼ」で知ったのだが、エコ志向と経済効率至上主義批判の臭みからは周到に距離を置いている。

通常の土井善治の一汁一菜のシンプルさをちょっと本格的にしたら、逆の意味ですごく贅沢なことをしているのがわかる。





「天使にラブ·ソングを」

2022年12月05日 | 映画
「サウンド·オブ·ミュージック」の裏返しというか、修道院から出ていくのと入ってくる違いはあるにせよ、音楽=歌のない世界にいた人たちに音楽を通じて生きる喜びに帯する感覚を甦らせる話という点では同じ。

教会の聖歌隊でも黒人教会のゴスペルといったらノリノリなんてものではないが、こちらはリーダーを務める羽目になるウーピー·ゴールドバーグを除いてみな白人。
教会や修道院と歌との関係というのもずいぶん地方や宗派によって違うのではないか。

予告編などで繰り返し流されるラスベガスの街を尼さんの群れが横切る図というのがなんとも可笑しい。

「明日なき追撃」

2022年12月04日 | 映画
カーク・ダグラスが主演を兼ねた監督した西部劇というのが興味で、当時の最近メディアだった新聞を利用して名を売り上院議員に立候補しようという保安官役。
出世作の「地獄の英雄」や「チャンピオン」の野心と出世のためなら手段を選ばない役につながっている。

ずっと前に日曜洋画劇場で放映されたとき淀川長治氏の解説だけ聞いていたのだが、たびたび挿入される乾板式のカメラに映る像が上下逆さになっているのが後の展開の逆転を暗示していますと解説していて、実際に見てなるほどと思う。
こういう解説って本当は必要なんですけれどね。

敵役のブルース·ダーンは「11人のカウボーイ」でジョン·ウェインを後ろから撃って殺す悪役で名を売ったあたりで、狡猾で仲間も平気で見捨てる強盗のボス役は、ダグラスと事実上表裏一体で、物語もそういう結末になる。

ダグラスが議員に出世した後の部下たちの身の振り方はどうなるのか部下たちに聞かれ、警備員の口があるといい加減な回答をするのだが、部下たちは収入が減るのが大不満で、ことにインディアン(と、BSPの字幕に出た)の部下は再就職などムリとあからさまに反発する。

西部劇のタテマエとしてのフロンティア·スピリットもへったくれもなく、アメリカ建国にあるのは暴力とカネと権力と売名だけという身も蓋もない価値観の世界だが、振り切ってユーモラスですらある。

ダグラスの役名がハワード·ナイチンゲールというのがなんだか可笑しい。
もっともナイチンゲール(小夜啼鳥)は啼き声がきれいな一方で夜に啼くので墓場鳥と呼ばれたりするらしい。ダグラスのええ格好しいとその裏の野心とに合わせているのだろう。

原題はposse。(保安官が犯人捜索・治安維持などのために召集する)警護団,民兵隊,一団,集団

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「窓辺にて」

2022年12月03日 | 映画
稲垣吾郎の、妻が浮気したこと自体より、それに対して怒りが湧かない自分にショックを受ける、というのは、そういうこともあるのではないか、と思えて、あるべき常識に異なる反応がぶつかるというより、無風状態そのものが不思議としぶとく続くこと自体が描かれているように思える。

無風状態というのが必ずしも無気力や無関心ではなく、それなりに何かがあるのを感覚的に表現できていると思う。

玉城ティナの、文学賞を受賞して居並ぶメディアに対しても臆しも緊張もしないで応対し、一方で普通のというか普通よりバカっぽいボーイフレンドとつきあっている高校生作家、というあんまりありそうにない設定がもっともらしく見える。

稲垣と並んでパフェを食べると、二人とも左利きなのがわかる。
若い女性と中年男がパフェを食べたりラブホテルをただのホテルとして利用したりするあたりが不自然でもわざとらしくもない。
作り手の腕と共に時代でもあるのだろう。

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「奈落のマイホーム」

2022年12月02日 | 映画
韓国映画らしいパワフルさと脂っこい笑いの一方で不思議と淡白だったりさらっといているのが混ざっている印象。





2022年11月に読んだ本

2022年12月01日 | 
11月の読書メーター
読んだ本の数:19
読んだページ数:4613
ナイス数:1

煉獄の獅子たち (角川文庫)煉獄の獅子たち (角川文庫)
読了日:11月27日 著者:深町 秋生




おんなの窓 3おんなの窓 3
読了日:11月25日 著者:伊藤 理佐


おんなの窓 2おんなの窓 2
読了日:11月25日 著者:伊藤 理佐


おんなの窓おんなの窓
読了日:11月25日 著者:伊藤 理佐


山本五十六(下) (新潮文庫)山本五十六(下) (新潮文庫)
読了日:11月12日 著者:阿川 弘之


山本五十六(上) (新潮文庫)山本五十六(上) (新潮文庫)
読了日:11月12日 著者:阿川 弘之




アントニオ猪木の謎アントニオ猪木の謎感想
プロレスラー猪木ではなく、政治家(?)実業家(?)の猪木像が、かなり猪木と近い体質の元地上げ的不動産屋の筆で描かれる。 推測が大幅に入るとはいえ、都知事選立候補表明とその取り下げに関する呆れるしかない経緯の記述は動いたカネが具体的に目の前を通り過ぎるのだから生々しい。 また新日本プロレス株式会社を上場させようとする人たちの尽力を自分もトクするはずなのに破壊衝動のようなものが先に来てブチ壊してしまうなど、およそ付き合いきれない人としての猪木が描かれる。 楽しくはないが、あまり類書はない。
読了日:11月09日 著者:加治 将一




会社員でぶどり6会社員でぶどり6
読了日:11月04日 著者:橋本 ナオキ


会社員でぶどり 5会社員でぶどり 5
読了日:11月01日 著者:橋本 ナオキ


会社員でぶどり 4会社員でぶどり 4
読了日:11月01日 著者:橋本 ナオキ


会社員でぶどり 3会社員でぶどり 3
読了日:11月01日 著者:橋本 ナオキ


会社員でぶどり 2会社員でぶどり 2
読了日:11月01日 著者:橋本 ナオキ


会社員でぶどり会社員でぶどり
読了日:11月01日 著者:橋本 ナオキ


「ジュゼップ 戦場の画家」

2022年11月16日 | 映画
実在の画家の作品をモチーフにアニメを作るという発想がまず面白い。

画とすると日本のアニメに慣れた目にはぎこちなく粗っぽいように見えるが、そのうちこういう画でもアニメが成り立ちうるかのかという蒙を拓かれる感にうたれる。

片渕素直監督などは世界的な潮流からするとアニメこそこういう一種重い内容、大人が見るべき内容を取り上げるのであって、日本にあるのはいつまでたっても思春期のつもりでいる人向けのアニメばかりということになる。

収容所など出てくるところからして第二次大戦頃かと思ったら、スペイン内線で大勢がフランスに亡命してきた頃の話。

被害者側だけでなく加害者側まで取り込んでいる視点の広さ。




「人生は二度とない」

2022年11月14日 | 映画
インド映画ではあるけれどスペインを横断して各地の祭りを見て回る観光映画でありロードムービーでもある。
トマト祭りや牛追い祭りなどの実写を取り込んで、特に牛追いなどどうやって撮ったのかと思わせる。

初めのうちいつも悪ふざけ気味のキャラがあまりにシャレにならない許しがたい悪ふざけをするもので、キャラクターばかりかこういうキャラを放っておく映画の作り手にも問題ありはしないかと思うくらいなのだが、これが終盤でそっくり許す、という一点で見事に反転して着地する作劇の見事さ。

インド映画というと長いのが通例で、マサラムービーのように歌や踊りがえんえんと入るから長くなるという印象だったが、この場合は個々のキャラクターを書き込んでそのひねった着地まで追っているのだから長くなった感がある。

終盤、野宿するあたりの風景がマカロニウエスタンでアメリカ西部に見立てられてロケされたような荒野だった。たぶん近い場所のだろう。





「犯罪都市 THE ROUNDUP」

2022年11月13日 | 映画
使われている携帯がガラケーなので一体いつの話なのだろうと思ったら、作中の監視カメラの映像に2008年と入っていた(前作は未見)。
なぜこの時代でないといけないのかよくわからないが、国際的な捜査協力制度が整っていない設定にする必要があったのだろうか。
どちらかというと、今ではこういうことありませんよというエクスキューズみたいな印象。

とはいえ、見せ場はもちろんマ·ドンソクのぶっとい腕を振り回しての大暴れで、強すぎてハラハラする感じはあまりない。
誘拐した人質も平気で殺すソン・ソックの凶悪犯ぶりが凄まじいのだが、血生臭い割にドンソクのバカ強さが中和して陰惨な感じはあまりしない。

前半は「フレンチ·コネクション2」みたいに捜査権も言葉も通じない外国ベトナムに渡って強引な捜査をするので、正規の手続きを重視する連中と軋轢を起こすのだが、後半韓国に戻って正規の捜査を始めても実はあんまり調子は変わらない。





「恋人はアンバー」

2022年11月12日 | 映画
タイトルだけだとまったくどんな話なのかわからないが、ゲイの男の子とレズビアンの女の子のラブ・ストーリー。
そんなの成り立つのかという設定だが、やはり少なくとも最終的には愛の話としか言いようがないと思う。

ふたりは1995年卒業予定のアイルランドの高校の同級生なのだが、学校の性教育の授業でわざわざ尼さんが出てきて生殖目的以外のセックスは全部ダメですと教えるビデオを見せられるような環境で、同性愛者であることなどとてもカムアウトできるような空気ではない。

その中で同性愛者であることを隠すために女の子としたくもないキスやデートをしないといけない男の子エディに同級生アンバーが文字通り石をぶつけるのが最初の出会いになる。全編にわたるアンバーの乱暴だが率直な態度が大きな魅力。
この石をぶつけるというアクションが何度か繰り返され、最終的に本当に相手を目覚めさせる一撃になる組み立てがうまく、そうさせたのはやはり広い意味の愛だろうし、同性愛者であっても男女で立場や扱いが不平等なものでもあるのも外さない。

ふたりは同性愛者なのを隠すためにデートを重ねるのだが、アンバーの父親が自殺している事情や、尻軽女は安く見られると母親に教えられる一方、エディは父親が軍人で同じように「男らしく」軍人になる道を押し付けるようでなくしかし現実としては追い込んでいく。
このあたり、同じ性的少数者といっても女の方がさらに軽く見られていて、その分激しく遠慮なく反発するコントラストが出る。

ど田舎のどうしようもないような閉鎖的封建的な環境なのだが、それに囚われている人たちの描き方がユーモア混じりなのがいい。

マッチョを任じているような父親が密かに泣いたりするところ、母親が息子がゲイであることに気づいて、しかし動じないあたりの描き分けも上手い。夫婦仲が悪いのはお互いだが、そこから向かうベクトルは大きく違う。





「RRR」

2022年11月11日 | 映画
全編見栄を切りまくり、上がりまくりの演出は「バーフバリ」同様、健在。

歌と踊りそのものは少ないようで、えんえんと流れる歌に合わせて編集されたブロマンス風のシーンなどミュージカル的な、あるいはマサラムービー的な快感は大きい。
本当言うとマサラムービーという言い方もインド全体に通用するわけではないので、こういう視覚と聴覚にまたがるトータルな表現というのは世界中にあるだろうし、国境を越える。
テルグ語映画でインド人内部でも言葉が通じたり通じなかったりするのを取り込んでいるが、おそらくこのスタイルなら言葉が通じない州でも通用するだろう。

で、内容自体がインド建国前夜の物語で、傲慢な差別意識と帝国主義意識ばりばりのイギリス人たちが徹底的な悪役として描かれる。
最近だと悪と正義の区別が曖昧な映画が娯楽大作でも多いので、この振り切り方は気持ちよくもある。

二人のヒーローが二大スター共演の等分のバランスをとりながら火と水に象徴される対称性をなす緻密さと気の使い方。
旗や二つに割ったネックレスなどの小道具の徹底的な生かし方、セリフを使わないでわからせる見事さ。
一方でバックに流れる歌の歌詞が興奮を煽る。

ただナショナリズムというのは他国に抑圧された状態では良い方向に向かう大きな力になるが、ある程度国作りが達成されると排他性や暴力性に結びつきがちでもある。そして他国の上に立つようになると今度はミイラとりがミイラみたいな帝国主義化するのは過去の日本を見てもわかる。

実を言うと、香港映画「プロジェクトA」とか「ワンス·アポン·ア·タイム·イン·チャイナ」シリーズなど大娯楽アクションの一方で、れっきとしたナショナリズム鼓舞映画でもある。
その後の中国や香港をみていると、前ほど曇りなく楽しむにはひっかかるところも出てしまう。余談だが。

エンドタイトルに出てくる実際のインド建国の父たちにガンジーやネルーといったなじみがある人がいない。
日本の明治維新の元勲たちを外国人がなじむのは難しいみたいなものかもしれないし、歴史的政治的評価も難しいのかもしれない。

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「ラ・ブーム」

2022年11月10日 | 映画
ソフィー·マルソー13歳のデビュー作。
これも見たつもりであまりちゃんと見てなかった。

初恋ものには違いないのだけれど、フランス映画だなあと思わせるのは両親や曾祖母の色模様も描きこまれていること。母親が「禁じられた遊び」の子役だったブリジット・フォッセーというのが歴史はめぐるという感じ。
特にレオノール·フジタと知り合いだという曾祖母の老いておよそ枯れない現役感。

初恋といっても絶対のものではないのをはっきり釘を刺すようなラストがやはりおフランス製という感じ。というか、最近のフランス映画ではこういうテイスト薄れてないかな。

主題歌が英語。二作目にハリウッド製ミュージカルへのオマージュが入っていたりしたけれど、昔からフランス映画はアメリカが好きなくせにツンデレ気味。




「さらば荒野」

2022年11月09日 | 映画
無法者の一団のリーダーのオリバー·リードが教師に見えた美人キャンディス·バーゲンを誘拐したら、その残忍な夫ジーン·ハックマンが執拗に追ってきて、ストックホルム症候群的にリードとバーゲンの仲が深まるのと、ハックマンたちによる長距離ライフルによる狙撃による皆殺しとが並行して展開する。

バーゲンはのちの「風とライオン」もだけれど、誘拐される役。見るからに都会的美人なので荒くれた環境に放り込んでコントラストを作りたいということか。

原題がThe Hunting Partyと人間狩りの趣向の方がむしろ眼目で、音楽がリズ·オルトラーニで撮影がスペイン出身でマカロニウエスタンをかなり撮ったセシリオ・パニャーガ が担当しているせいか、マカロニっぽい残酷趣味が目立つ。

男二人と女一人の話には違いないけれど、男二人が直接話したりするシーンはないわけで、全体とするとどうも単調。




「ラーヤと龍の王国」

2022年11月08日 | 映画
舞台は東南アジアを思わせる複数の国が割拠している地域。ディズニーも世界中を相手にしているせいか、至るところを舞台にします。

火が滅ぼした世界とか、ダンゴ虫が巨大化したみたいなキャラクターが王蟲を可愛くしたみたいとあからさまに宮崎アニメっぽい。

ヒロインが追われる側だけかと思ったら追う王国側の女リーダーのウエイトが途中から高くなるあたりも、ナウシカとクシャナみたい。




「世界で一番美しい少年」

2022年11月07日 | 映画
「ベニスに死す」の美少年タジオ役で、一躍世界の美少年ファンを魅了したビョルン・アンドレセンを扱ったドキュメンタリー。

撮影現場のスタッフの大半が監督のヴィスコンティ同様の同性愛者で、しかもタジオ役のアンドレセンを見ることを禁じられていたという、同じ嗜好の者を身近に集めておいて、しかし一番肝腎なところは独占するというヴィスコンティのエゴイズムに恐れ入る。
助監督をつとめたフランコ・ゼッフィレッリがヴィスコンティの独占欲にジャマされてなかなか一本立ちの監督になれなかったと自伝に書いていたが、まあ流石にというか貴族で、人は自分に従って当然という感覚なのだな。

この映画に関するネット記事では性的搾取について詳しく書かれていたので映画もそうかと思っていたら、何しろ当人が登場してくるのでかなり慎重な形で扱われる。
代わりに顔を知らない父親や失踪して死体で発見された母親、やはり早く亡くなった妻といった家庭上の不幸が描かれて、こちらだけでも十分すぎるくらい重い。娘がいるのにびっくりした。一時期は死亡説も流れていたものね。

さほど望んだわけでもない映画出演の役で一生をそのイメージで見られるというのもきつい話で、中年期のテレビ出演でもタジオ役のことを聞かれていて、「ミッドサマー」の長い髪の毛が真っ白になっての映画出演でもあまりのコントラストに驚いたもの。

もっとも容姿とすると今のが一番出来上がっている感じで、映画出演時はむしろその移ろいやすさを記録しておきたいという欲望が創作の動機になっているる感があった。
こういうとなんだが、ヘルムート・バーガーの自伝というのが出ているらしいが読んでみたくなる(全然性格が違うが、クラウス・キンスキーのもね)。

池田理代子がインタビューに登場して、「ベルサイユのばら」のオスカルがタジオをモデルにしていることを話したり(ただ、オスカルの絵が原作マンガの絵ではなくアニメの方なのはどんなものだろう)、公開当時日本で歌を吹き込んだり(なんと、エンドタイトルでも流れる)、帝国ホテルに泊まった部屋を再訪したりといった日本での受容が世界的にも特別なものだったように描かれる。日本の今のBLものの繁栄を考えると当然にも思えるが、ただ不思議なのは意外と忘れられているが、日本での「ベニスに死す」の一般的な興行成績は良くなかったのにも関わらず、だ。
だから「家族の肖像」までヴィスコンティ作品は公開されず、その前後の「ルードヴィヒ」「イノセント」などはそのヒットを受けて後から公開された。

逆に言うと「家族の肖像」以降のヴィスコンティ・ブームがあまりにすごかったので多くの作品が積み残されていたことが忘れられている。結局全作品が劇場公開されているというのはかなり驚嘆すべきことに思える。

性的にも経済的にも搾取する、しかも美しさを称賛し溺れ込みながらなのだから悪気がないというこの世界の仕組みに粛然となる。