prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶブリブリ3分ポッキリ大進撃」

2005年04月30日 | 映画
なんか、スジが通っていない。
もう一つの世界でやたら怪獣が出没して、それを野原一家がヒーローに変身しては倒すのだが、倒すのに失敗したらどうなるのか、こちらの世界にどんな影響があるのか、だいたいどこから怪獣が現れるのか、きちんと設定されていない。

変身していられるのは3分間というリミットがあるはずなのに、クライマックスではどうみても10分は戦っているぞ。
アクション仮面がクライマックスで現れるのだが、この正体が怪獣というのも後からくっつけた理屈みたいで、ピンとこない。

とにかくいっぱい怪獣を出したいのが優先している感じで、数たくさん出ている割におよそ印象に残る怪獣がいない。
こうなるとギャグが下品なのもひっかかる。
(☆☆★★)



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上野公園と「ベルリンの至宝展」

2005年04月29日 | 写真
上野公園に出ていた大道芸人。「サウンド・オブ・サイレンス」を演奏していました。


こちらはブルーノートについて蘊蓄を傾けてました。


何十人、いや何百人の単位のホームレスが集まっているので、何事かと思って見てみたら外人の宣教師らしき人が説教していました。

「ベルリンの秘宝展」は、時代順に並んでいるので、ギリシャ・ローマ時代やビザンティン美術を丁寧に見過ぎると、最後の方のフリードリッヒあたりでバテてしまう。

東京国立博物館の中の連絡は、今もって黒電話が使われています。




突然の故障

2005年04月28日 | Weblog
突然、インターネットもメールも使えなくなる。
何事かと思ったら、ルータの故障らしい。運良くNTTに来てもらって交換し、無事復旧する。明日以降の連休にずれこんでいたらと思うと、ぞっとする。

引き出物代わりにカタログで好きな商品を選べというので包丁セットを選んだら、これがすごい切れ味。トマトでも実演販売みたいにすぱすぱ切れる。手を切らないよう気をつけないと。




「阿修羅城の瞳」

2005年04月27日 | 映画
歌舞伎とそれ以前のの世界、鬼や阿修羅といった俗流仏教世界、剣と魔法のファンタジーなどのごった混ぜ世界。
日本映画ではチャチになりがちなセットや衣装・VFXなど、かなり充実している。
染五郎のメリハリの効いた台詞と立回り、宮沢りえの風情、ともによし。他、役者がそれぞれ生きている。
ただ、およそ現実離れしていて見ていて普通に共鳴したり共感したりする部分が全然ないので、あれよあれよと目の前を通り過ぎるものを見ておしまいという感じ。
(☆☆☆)



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「フライト・オブ・フェニックス」

2005年04月26日 | 映画
ロバート・アルドリッチ監督「飛べ! フェニックス」のリメーク。
墜落シーンの特殊効果はすごくて、尻がこそばゆくなるほど。
男ばかりのキャストだったのを、一人を女にしたのは可もなく不可もなし。
武器商人を絡めたのは余計。なんであんな金目のものなさそうな飛行機を襲う必要あるのかわからないし、人のいる場所から隔絶された感じが薄れた。
余計な人物が増えそうなのをあっさり殺して処理するのもひどい。

クズと呼ばれる連中ばかりが集まり、力を合わせて一つのことを成し遂げる話ではあるのだが、細部が微妙に裏切っている。オタクっぽい飛行機の設計家や重役などが自分を特別扱いするよう要求し、それが割とそのまま通って、アルドリッチの粘りと馬力は要求しないにせよ、嫌でも力を合わせないと助からないというぎりぎりの感じが出ていない。

クライマックスの構成・演出はかなり拙い。
まずフェニックス号が飛べるか飛べないかの瀬戸際に、武器商人が襲ってくるのを挟んで、ポイントがぼけてしまった。
あと、フェニックスが飛び立つより早くカメラが空中に飛び上がって上から撮影しているので、肝腎の飛び立つ瞬間の快感が薄れた。
ショーアップに傾いてドラマの論理を十分に把握していない演出。

元のハナシが面白いから、まあ面白くは見られるけれど、いじって悪くしているところが目立つ。
(☆☆★★★)



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六本木大道芸

2005年04月25日 | Weblog
六本木ヒルズに行ったら、アフリカから来たと思しい3人組が大道芸を見せていた。
ポールを後ろ手でつかんで昇ったり、火をつけた輪を通ったり。
輪をちょっとひっかけてしまい、客に向かって転がってきたのにはひやっとした。



ヒルズ中、こういう熊が何百体も並んでいた。

幻に心もそぞろ狂おしのわれら将門

2005年04月24日 | Weblog
清水邦夫作・蜷川幸雄演出によるシアターコクーンの芝居をWOWOWで放映されたのを見る。
芝居の中継は途中で投げることが多いが、これは最後まで見通せた。

敗走する平将門が、自分を「将門を追っている武者」だと思ってしまうという設定のドラマ。
学生運動の投石を思わせる石の雨が降り注ぐオープニングから、もろに当局の取り締まりの音をバックに流す処理まで、かつてあった一種の理想あるいは理想化されたものが失われた状態が示され、それを改めて再生したり追い直すのではなく、何か「めまい」の一人二役のヒロインを思わせる非常に数学的ですらある論理のアクロバットの末、「追うべきもの」として答案を出すラスト。

場の雰囲気よりはロジックの展開が先だったから、一枚幕を隔てたような中継でもさほど障害にならなかったか。

木村佳乃は眉を剃って登場、発声その他「乱」の原田美枝子を思わせる(と、言うとすごくほめているように見える)。



「ブリジッド・ジョーンズの日記 きれそうな私の12カ月」

2005年04月23日 | 映画
前作、確かに見たはずなのに、恐ろしいことにまったくと言っていいほど細かいシーンを覚えていなかった。要するにマークとブリジッドが無事結ばれたのだろう、という前提で見る。つまらなかったという記憶もないのだが、こういうことも珍しい。

だから前作と比較することもなく、そこそこ楽しめた。脚本が4人いて、なぜかクレジットされる時脚本だけ一人一人の間にいちいちandと浮かび出たと思ったが、シーンによって担当が違うのではないか。かなりテイストの違うシーンが混ざっている。

タイのシーンは笑うには深刻すぎるシチュイエーションでペースが狂う。いくらなんでも外国で麻薬所持の濡れ衣着せられて逮捕されてずっとマークのことを気にしてられるか?

どうでもいいけれど、ブリジッドのオフィスに、グレイ(頭と眼がでかくて手足が貧弱な宇宙人)の等身大(?)の人形が置いてある。
(☆☆☆)





「隣人13号」

2005年04月22日 | 映画
オープニング、小学生の悪ガキ3人が同級生を押さえて顔に硫酸をかけるが、こういう人間以前の連中がやる悪ふざけをもろに描くことが、何を表現することになるのだろう。
作品(といえるのか)自体が、公共の場で躾の悪いガキの悪ふざけを見せられるのと変わるところはなく、常識=common sense(共通感覚)、つまりはヒトがあがれる共通の土俵を持っていない人外の行動を見て、人間が感じるべき何物もない。

気弱な主人公の中から凶暴なもう一人の自分が出てくるというお話のつもりのようだが、もともとありもしないない自分がいくら出てこようと、知ったことか。

それをまたモノモノしく押し付けがましい色と音響で塗りたくっていく、ガキが銃をふりまわしているみたいな、機械的に力だけ奇形的にボリュームアップした、精神年齢十二歳映画。
(☆)



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「微笑みに出逢う街角」

2005年04月21日 | 映画
じっくりしたテンポで、細かいところで省略をきかせながら小出しに描写を進めていくタッチで、緊張感が続く。ずらり揃った役者のさばき方といい、ソフィア・ローレンとカルロ・ポンティの息子だという監督の出自のよさを思わせる。

マルカム・マクドウェル(年とったなあ)が不良少年グループに襲われるシーンは、「時計じかけのオレンジ」の楽屋落ちみたいなのだが、観客と馴れ合った雰囲気ではない。

3人の女性の家庭のエピソードが平行して絡むことなく描かれていき、どこでクロスするのか割と早くわかってしまうのはちょっとわかりすぎの観もあるが、キマッた感じは出る。
厳しいムードの話が展開していき、登場人物はみな辛そうな顔をしていて、「微笑み」って感じではないなと思っていたら、ラストでこの邦題をつけた意味がわかる。
(☆☆☆★★)



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寝床

2005年04月17日 | Weblog
TBSの「落語特選会」が再開する。
榎本滋民氏の解説がつかないのは残念だが、まずどーんと大ネタで「寝床」をやる。
「あの人の声はウワバミが火あぶりになる声だ」とか、蔵にこもった相手に義太夫を語りこむ、といったナンセンスメギャグは前にあったもの(志ん生だったっけ?)をうまく使った。



「アビエイター」

2005年04月16日 | 映画
なんだ、結構おもしろいじゃない。

まず、感心したのはキャサリン・ヘップバーン役のケイト・ブランシェット。
演出も、実家のシーンで召使が何だかやっているのを(贅沢をいうなら、何をしているのか、わかるよう演出していれば、もっとよかった)ずうっとフレームに入れているなど、まことにコマかい。育ちのよさがよく出た。ヒューズに対して色々気を使っているあたりの人間性の表現も、さすが。本家の“動き”の美しさまではコピーしきれなかったが。

ディカプリオとしては、強迫神経症の演技を見せたかったのかもしれないが、ちょっとこれ見よがしすぎ。
ディテールは充実しているのだか、全体像が、よくわからない。
(☆☆☆★★)



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ジム・キャリー

2005年04月13日 | Weblog
録画しておいたCBSドキュメントを見る。
ジム・キャリーのインタビューで、もともと貧困家庭で母親を笑わせようとしたのが、コメディを始めたきっかけだとのこと。
抗うつ剤を服用していたとも告白していた。
やはり、人を笑わせるというのはしんどい作業のよう。