prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「タチキ」

2004年10月31日 | 映画
スウェーデンの母子家庭の、ギリシャにいる父親と会うのを夢見ている男の子が主人公。
角張った顔の警官やいじめっ子や恐そうなホームレス風のおじさんなども出てくるが基本的には出てくるのはみんな良い人。父親に実際に会いに行き、いったんは失望するのだがちゃんと救われてほっとさせられる。母親がロックバンドをやっていて父親がいないのに一向に悪びれるところがないのはお国柄か。よくできたキンダーフィルム。

客席も子供が多かったが、すこぶるお行儀がよい。
声優たちがスクリーンの横にいて画面を見ながら生で吹き替えていた。活弁ともまた違った味わい。

写真は映画祭の噴水の後ろにしつらえられた広報板。
(☆☆☆★)


本ホームページ

「マレーネとフロリアン」

2004年10月31日 | 映画
ウサギのキャラクターの切り紙アニメ。国境の川を隔てて遊んでいた男の子と女の子が戦争で遊べなくなり、男の子の父親は出征して片脚をなくして帰ってくる。それでも二人の子供は降りしきる雪を玉にして積んで川を越えて一緒に踊りだす。ちらっと「話の話」の一景を思わせて、あれほどのスゴ味はないにせよ教育的にはよろしからん。

写真は六本木ヒルズに来ていた東京国際映画祭の広報車。
(☆☆☆★)

キャベツ

2004年10月31日 | Weblog
嬬恋キャベツが380円とあったので喜んで買ってさっそくロールキャベツを作る。なんで普通の値段で売っているのか、不明。

ネットオークションで見も知らぬ相手と競ってラスト3分で競り落とす。結構興奮した。

アメリカにいる知人がメールでハロウィンカードを送ってきたので、日本のハロウィンの様子の写真を添付して送ったら喜ばれた。アメリカのそれとは当然違うのが面白いみたい。
しかし今年はハロウィンが結構はやっているみたい。子供たちがお寺(!)に集まってお菓子をもらっていた。

wowowで見た映画をまとめて

2004年10月30日 | 映画
「極道恐怖大劇場 牛頭」

なんだか思いつきを並べたみたい。

「ぼくんち」

観月ありさの素性を伏せておいて、ラスト近くで明かしてからの芝居はまずいラーメンの使い方を含めて快調。ただ、そこに行く前の“ぼく”が見る芸術映画じみたイメージはどうも感心しない。

「スピリット」

馬の走りが気持ちいい。眉毛があるウマっていうのも変な感じだが。だが馬の自由さより捕えられるシーンが繰り返される印象が強い。
騎兵隊がまったくの悪役になっているのは御時世。

「コーリング」

こういうスピリチュアルな世界との交感でインディオみたいな“未開人”を出してくるのは、何か御都合主義に感じる。「ダンス・ウィズ・ウルブス」みたいな異文化のリアリティを出す努力が感じられない。ラストに出てくるコスナーの亡妻の生まれかわりの小さな女の子が、亡妻にそっくりなのにちょっと感心。

「ローマの休日」のクレジット

2004年10月30日 | Weblog
日本テレビで「ローマの休日」デジタル・リマスター版が放映される。
タイトルで日本語タイトルが出たのがヘッパパーンだけで、配役トップ(当時ヘッパバーンは新人だから二番目)のグレゴリー・ペックの名前が出ないのもどうかと思うけど、原作「イアン・マクラレン・ハンター」と出るのは困りもの。
実はリマスター版は初めて見るのだが、タイトルにどーんとstory by Dalton Trumboと出ているのですね。原版ではダルトン・トランボの名前は当時赤狩りにひっかかっていたから出さなかったはずで、後にトランボの関与が公式に認められたのでリマスター版では名前が出るようになったのだろう。
IMDBで調べてみたらハンターの項でRoman Holiday…story(front for Dalton Trumbo)とトランボの代理と明記されている。
原作(storyといわゆる原作とはニュアンスが違うが)ダルトン・トランボと出すのが本当。ただ、脚色にも関与したらしいのだが、クレジットはされていない。。
もっともこれが脚本を全部トランボが書いたみたいな論考(左翼系に多かったりする)を読むと、どうなのかなと首を傾げさせられる。“有名人”の名前が入ると他が無視されるというのはありがちだからだ。

「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」

2004年10月29日 | 映画
10年ぶりの再見。前に見た時は、キャラクターデザインの独創性、ミュージカル・センス、アニメーション技術に圧倒されながら、ダークサイドの住人が“悪”ではないのにやや違和感をもって世界観がちょっとつかみきれなかった。今ではよくわかる、どころかこの世界観こそが最大の魅力と思える。
サンタクロースが結構悪役顔。主役のジャックの声がクリス・サランドン(スーザン・サランドンの前の旦那)なのを初めて知った。

併映の「ヴィンセント」「フランケンウィニー」はモノクロだが、ティム・バートンの最新作「ビッグ・フィッシュ」のカラフルな画面への変遷は、孤独と疎外感を抱え込んだ作者が成功するにつれて自然に移行したものと思える。今こういう作品は作れないだろうが、作ったらむしろイヤミだ。

字幕でブギーマンを鬼のブギーと訳していたが、普通にブギーマンで通じるのではないか。
写真は近くのスーパーのハロウィンセール。
(☆☆☆★★★)


本ホームページ

ハロウィン近し

2004年10月29日 | Weblog
ハロウィンも強引に定着させようと色々やってます(写真)。
一番いいのはクリスマスとケーキ、バレンタインとチョコレートみたいに特定の食べ物とタッグを組むことでは。漠然とお菓子というのでは弱い。子供も少なくなっていることだし。

切った指のバンドエイドを外す。直りかけの傷口は、何か果物のタネを縦に割ったような形。

「予言」

2004年10月28日 | 映画
つのだじろうの「恐怖新聞」の映画化だが、未来の出来事が載る新聞と鬼形礼という名前だけ使ってあとは創作。
未来の出来事がわかってそれをずらすというのは、因果関係を混乱させるからタイムパラドックスみたいなややこしいことになる。ずらしてから後の展開はいやに飛躍が始まるのでどうなることかと思ったが、一種の地獄巡りと思えば一応納得できる。座して予言が当るのを待つか、予言に逆らってその報いを受けるか、どっちに転んでもロクなことにならないわけで、ぐるぐるさまざまな苛烈な状況を巡っていったあげく、ラスト冒頭に戻るあたりは、ちょっと仏教的と思ったりした。
(☆☆☆)


「感染」

2004年10月28日 | 映画
病院というのはもともと気味の悪い場所だし、ここでは経営が傾いていてケアがいいかげんになっているのだからそれだけで十分コワい。セットもよくできているし、色を抜いて陰影の深い画面作りもいい。キャストも有名どころが揃っているし、「予言」より製作費はかかっている感じ。

だが肝腎の「意識に感染するウィルス」っていうのがどんなものかさっぱりわからない。フツーの院内感染で十分コワくなると思うけどね。意識の中の出来事だからってやたら飛躍した展開をするっていうのは一種の夢オチ=ズルではないか。
それと身体が緑色にどろどろにとろけていく生理的な気持ち悪さとがうまくつながらない。
(☆☆★★★)

何やってんだか

2004年10月28日 | Weblog
新潟地震を見てさっそく備蓄用の米を買ったのだが、炊飯器のスイッチを入れ忘れて早速手をつける羽目になる。危機意識が薄いなあ。

ハロウィンが近付いたもので、スーパーで重さ十キロもあるでかいカボチャを置いている。
食べるものではないね。置いてあるのが鮮魚売り場というのも、ヘン。

「ガーフィールド」

2004年10月27日 | 映画
人間と本物の動物とフルCGIのガーフィールドとを共演させるというずいぶん手のこんだ真似をしていている割に、CGも動物の可愛さもこれ見よがしでなく軽くさばいている作りで、気軽に楽しめる。吹き替えで見たのだが、動物が話すところは口の動きと発音とを合わせているのだろう。
エンドタイトルにアニメ-ターの名前がずらり50人も並ぶ。

ストーリーの方は昔のディズニーの実写ものみたい。ただし主役のキャラが違う分、かなりテイストも違う。デブネコのお腹の出方が、3D-CGに合っている。
いささか人間の役者は損。
(☆☆☆★)


キャベツ

2004年10月27日 | Weblog
中国産キャベツ一球150円というのがスーパーに並ぶが、一晩たったら消えていた。売り切れたのか、撤退したのか。ちなみに国産は台風の影響で500円。
実のところ値段から買おうかとぐらっと来たが、以前の中国産は農薬漬けという報道が頭にあって結局手を出さなかった。
新潟地震もあったし、これからはコメにも影響が出てくるだろう。

「雪国」

2004年10月26日 | 映画
日本映画の映画人口がピークに達した次の年(1959年)の製作だけに、画面作りはおそろしく念がいっている。
原作で「この人指し指だけが君を覚えていたよ」との人指し指を出すという件りがあるのだが、初め列車の窓に触れるのも左手、岸恵子の駒子のお酌を受けるところでは位置関係から初めは右手にお猪口を持っていたのが、改めて差し向いになると左手で受ける、いう調子。
いりすぎてテンポがいささかのろい感じもするが。

川端康成の原作はおよそドラマドラマしたところがなくて、ラストに火事の場面がある版とない版があってどちらでも大して変わらないくらいなのだが、八住利雄の脚色は戦争の影を入れたりして、もう少し目鼻立ちをはっきりさせている。
池辺良がぱらりと前髪をたらして前世紀の文士ばりのイメージで出てくるが、画家と言う設定で、パトロンがいると脚色で書き込まれている。原作だと何やって食っているのかさっぱりわからなかった。
前説に立った高山由起子が池辺の“受け”の芝居を称賛していた。同感。

バックに「中越バス」の看板が見える。時あたかも新潟大地震の直後。この豪雪は今でも変わるまいと思うと、ぞっとする。
(☆☆☆★)

2004年10月26日 | Weblog
デスクトップを写真の花に変える。だいぶ前に道端に咲いていたのを何気なしに撮ったものだが、今まであんまりきれいな観光絵はがきみたいな自然写真が続いていたので、なんてことないのに嗜好が動いた。もっと上手に撮るのだったら、まわりの蕾がほころぶまで待ったろうけれど、別にいいや。

毎度のことながら新聞(特に駅売りの)が地震についての政府行政の対応が遅いのなんのと文句をつけている。そういうおまえら何をしたんだ? なんでそこまでエラソーなこと言えるんだ?

新幹線が脱線して「安全神話」が崩れたって騒ぎたててるの、バカじゃないか?
直下型地震でも大丈夫なんて本気で思っていた人いないと思うよ。自然相手に100%完全な想定などできるわけないだろう。逆に思い上がりを感じる。

フランスで映画館の中で電波を妨害して使えなくなるようにする許可が下りたとのこと。いいねェ。もっとも時計代わりに使うのまでは防げないだろうが。

「奥様ご用心」

2004年10月25日 | 映画
「望郷」「ノートルダムのせむし男」「昼顔」「奥様ご用心」「太陽がいっぱい」。
スバル座で上映中のフランス映画特集のラインアップだが、高名なフランス映画という以外になんか統一性がないと思っていたら、全部プロデューサーがロベルトとレイモンドのハキム兄弟なのだね。なんだったら(悪名高い)をつけてもいいヒトたちだが、プロデューサーの功績とはこういうものかと思う。

ジェラール・フィリップがやたらと色々な女性とアフェアを繰り広げるわけだが、ゾラ原作のせいか脇筋が多くて軽妙洒脱とはいかず案外重ったるい感じ(あと金の話が多い)。
1957年製作だが、プリントはとびきりきれい。あと後ろ姿とのオールヌードやバストトップなどもちゃんと写っているのは意外。
(☆☆☆)