prisoner's BLOG

見た映画のメモと、ツイッターのスクラップで出来ています。

「恐怖劇場アンバランス 木乃伊の恋」

2015年12月20日 | 国内ドラマ
鈴木清順が劇場用映画を撮れないでいた時期にテレビで撮った怪作。

死んでも死なない男の話を、雨月物語風の説話形式で描くのと現代の話と二重にだぶるようにして描いている。これだけでも「ツィゴイネルワイゼン」をすぐに想起させるし、実際脚本は同作の田中陽造。
素っ頓狂というか時空を断ち切り普通つながらないようなカットを平気でつなげてしまう清順演出はテレビでもまったく変わらない。

いったい入定して悟ったはずの男がいっこうに悟れず現世でうろうろし続けるというあたりが可笑しいしもっともらしい。演じるのが大和屋竺。「ルパン三世」ファースト・シーズンの脚本家であり、「荒野のダッチワイフ」「毛の生えた拳銃」の監督であり、清順の「殺しの烙印」ではハンカチで自分の顔を覆って死んでいく殺し屋を演じた怪人。
ここでの出演の奇怪さは特筆もの。
ホスト(「世にも奇妙な物語」)役が青島幸雄というのは驚いた。
タイトルデザイン(炎に猫のシルエット)は「ウルトラセブン」にちょっと似ている。

DVD恐怖劇場アンバランス Vol.1
クリエーター情報なし
ビクターエンタテインメント
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「香港明星迷」

2015年12月08日 | 国内ドラマ
山田太一作、テレビ東京製作。タイトルの中の明星はスター、迷はファンのこと。

2002年製作とあって、日本女性がアジアスターの追っかけをやるにしても香港のイーキン・チェン(本人役で出演)が相手、ということになる。もっと後なら韓流スターになるのだろう。

もっともスターの追っかけのドラマかというとそうでもなくて、接点がありそうにないまるでタイプが違う薬師丸ひろ子、室井滋、山本未來という三人の女性たちが知り合うきっかけにすぎず、本筋のドラマは国内で完結している。
もっともこういう会いそうにない組み合わせを実現するのがドラマであり、そういう出会いが大事であることも確か。

外資系の企業に勤めている薬師丸ひろ子が本社の方針とは別に独自の路線をとろうとしてあさりクビになるあたり、今の方がもっとありそうな話。上役が岡田真澄、恋人?役がブレイク前の堺雅人。

香港明星迷 - テレビドラマデータベース



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「ナイフの行方」

2015年06月16日 | 国内ドラマ
ナイフで無差別に人を襲いかけていた若者を取り押さえた元警官が、若者を警察に突き出さず自分の家に軟禁するというありえそうにないが不思議に刺激的なフィクション性を生かしたドラマ。

松本幸四郎と松坂慶子が昔一緒に見に行ったのがミュージカル「ヘアー」というのがおもしろいセレクション。反体制運動との関わりがあることがわかる。

ナイフを振り回す青年の深層にはあまり迫ろうとしない。というか、迫っても案外つまらないものではないかと思わせる。山田太一作だから「心の闇」なんて空疎なマスコミ用語を埋めようとはしていないのは当然だろう。

クライマックスで海外の凄惨な体験を長台詞で処理する場面、アメリカ産の「LAW & ORDER」あたりだと台詞だけの描写にすごい重量感が出るのだけれど、日本でやるとなんか軽くなる。芝居の巧拙だけの問題ではない気がする。

エンドタイトルに石田徹也の作品(消防士を描いた無題の作品)が使われているのが印象的。

ナイフの行方 - テレビドラマデータベース



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キー局 NHK GTV 放送曜日 月~火 放送期間 2014/12/22~2014/12/23
放送時間 22:00-23:15 放送回数 2 回 連続/単発 単発
番組名 特集ドラマ
主な出演 松本幸四郎(1)(2)、今井  翼(1)(2)、津川 雅彦(1)(2)、松坂 慶子(1)(2)、相武 紗季(1)(2)、玉野 るな(1)(2)、石橋  凌(1)(2)、久保 酎吉(1)、久下 恵美(1)、阿部百合子(1)、青木 和代(1)、原田 裕章(1)、野添 義弘(2)、久世七曜会(1)(2)、クロキプロ(1)(2)、劇団ひまわり(1)(2)、(擬斗:久世  浩(1))(医事指導:山本 昌督(1)(2))
主な脚本 (作:山田 太一(1)(2))
主なプロデューサ 大越 大士、
主な演出 吉村 芳之(1)(2)、(記録:石川真紀子(編集も))
局系列 NHK
制作会社 (制作著作:Shin企画、NHK)(制作:NHKエンタープライズ)
制作 (制作統括:近藤  晋、海辺  潔、遠藤 理史)
音楽 住友 紀人、(音響効果:下城 義行(1)、矢崎 裕行(クレジット表示では「崎」は「たつさき(立崎)」))
撮影技術 宮田  伸、(照明:吉澤 一生)(音声:国沢 藤一)(映像技術:富澤 信義)(編集:石川真紀子(記録も))
美術 川口 直次、(タイトル:(絵画:石田 徹也)(資料提供:静岡県立美術館))
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「昭和怪盗傳」

2015年05月20日 | 国内ドラマ
このドラマの制作は説教強盗が出没していた頃から約50年後の1977年で、古い家などにロケして時代色を出す一方で新宿西口の高層ビル群に説教強盗が現れカメラに向かって直接語りかけるという形で時代を超えた官憲やお偉方の権威主義や偽善性を批判しているあたりは戯作者の本気が見られる。

このドラマが作られてからまた40年近く経っているわけで、浅草六区の映画館街など今ではなくなった風景が見られる。
タイトルでわざわざ「せうわくわいたうでん」とルビを振っているレトロ感の凝りよう。
わざわざ内務省の検閲による○○○とか×××とかやっていたのを取り入れているのもギャグっぽくやっているけれど、みんな50年後さらには90年後の今につながっている。

だいたい、このドラマ自体2時間ドラマの創世記でまだ1時間半枠で試しに長めの単発ドラマを作り出した頃の一編。これとか同じ岡本喜八監督の「幽霊列車」が成功したので2時間ドラマ枠に進んだといっていいだろう。

誤認逮捕してから田中邦衛の刑事が「指紋がぜんぜん違うんです」と言うのが笑いごとではないのだが笑ってしまう。
誤認逮捕された友人を見捨てられずに自主するあたりは「レ・ミゼラブル」のジャン・バルジャンみたい。

昭和怪盗傳(昭和怪盗伝) せうわくわいたうでん

昭和に入って間もない頃、東京に横行した奇妙な強盗、説教強盗の悲哀を描く異色コメディー。
キー局 ANB 放送曜日 土 放送期間 1977/11/19
放送時間 21:00-22:24 放送回数 1 回 単発
番組名 土曜ワイド劇場

主な出演 仲代 達矢、田中 邦衛、岸田今日子、神崎  愛、横森  久、大木 正司、小川 真司、松本 克平、嵯峨 善兵(嵯峨 喜兵)、佐伯 赫哉、早川 純一、加太こうじ、松田 春翠(特別出演)、成瀬 昌彦、阿部百合子、遠藤  剛、檜 よしえ、青山 眉子、森田川利一、川本 高大、鈴木  朗、水野 悟郎、河津さえ子、後藤  緑、井上 憲子、有田美和子、中山 広通、張  明男、姿 鉄太郎、小山 友成、栗又  厚

脚本 廣澤  榮(広沢  栄)
監督  岡本 喜八
原作 加太こうじ
音楽 佐藤  勝

局系列 ANN
制作会社 大映映画、俳優座映画放送、ANB
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「春の惑星」

2015年02月03日 | 国内ドラマ
山田太一作、緒形拳、ともさかりえ、いしだ壱成、中井貴一、倍賞美津子、手塚理美出演。1999年放映。

ともさかりえが新卒で会社の面接に行き、そこで面接官を務める緒形拳に今だったらパワハラ、セクハラそのまんまの質問を受けて憤慨し、同棲中のいしだになんとかいろと訴えるところから話が入っていくのが時代が出てます。
しかし、会社に入ってからだったら訴えようもあるのだろうが、入る前だったら今でもハラスメントはどんなものだろうか。

かつては社内で威勢良く肩で風きっていたの緒形拳が落ち目になって、それだけにひねくれて権柄づくになっているのをだんだんわからせていく語り口が毎度のことながら巧み。しかもいざバックがなくなってみると仕事の仕方も驚くくらい甘いのがわかるのが、鋭いところ。

音楽が「エスクアロ」などアストル・ピアソラの曲を使っている。ちょうどヨーヨー・マによるピアソラの「リベルタンゴ」カバーがサントリーのTVCMに使われて、ピアソラがポピュラーになってきた時期ということになるだろう。

登場人物全員が集まってピクニック風になるのが山田太一のドラマのひとつの終わらせ方で、ここでも全員集合するのだが、窓の外でヒッチコックの「鳥」みたいに不気味に烏が集まっているのを大声を出して追い払う、という異様な結びになっているのが、何か予感的。



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春の惑星 - ドラマデータベース

春の惑星 - Wikipedia
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「霧の旗」(2014 堀北真希版)

2015年01月11日 | 国内ドラマ
ヒロインの冤罪をかけられる兄が知的障碍者というのが脚色の新工夫で、ある程度気のきく弁護士だったら善悪の判断がつくかで争うと思うのだが、それがあっさり認められて有罪になってしまうあたり、障碍者に対する無理解ひとつだけでドラマが出切るのをはしょってしまった感じはある。
妹が働きながら足りない分は生活保護を受けているのにナマポの不正受給しているかのような目で見られるのも今風。

弁護士が冤罪事件を解決したのを見てヒロインが依頼しに来るのだが、結局正義感より勝てる裁判だから引き受けていたというあたりも、人権派といっても単純な正義漢・弱者の味方ではないという事実を押さえていて、それだけにこれまたもっと突っ込んでほしいと欲を言いたくなる。

山口百恵版ではヒロインに協力する新聞記者に三浦友和を配してのが工夫だったのだが、今回それにあたる役をやっているのがなんと高橋克実。

倍賞千恵子をキャスティングした時にもっと小悪魔的な女優の方がよくないかと言われたのに対して、監督の山田洋次は小悪魔的でない女性がやるから意味があるのだと反論したそうで、今回のもその線に沿ってはいるが、一種の悪役は映画の「白夜行」でもやっているのだし、意外性は必ずしもない。

しかしこの話、何度見ても逆恨み、というか恨む相手違うだろうと思う。ただ、大岡昇平は松本清張を「ひがみ根性の文学」と評したがそういう歪み方に清張の人気があるとも思える。
昔の貧乏人と金持ちの関係とは変わっているが、今の貧困あるいは社会的弱者のあり方がまたややこしくなっている感あり。

堀北真希が水商売をしているセクシーな扮装が宣伝に使われていた、というかメディアが勝手に変な盛り上がり方していたが、あれだけ綺麗で素人っぽいホステスしたら売れるなんてものではないだろうな。

改めて見てみると、ずいぶんこの原作ドラマ化されているのにびっくり。ヒロインだけ並べてみると、広瀬みさ、栗原小巻、植木まり子、大竹しのぶ、安田成美、若村麻由美、星野真理、相武紗季といったところ。

霧の旗(2014)- テレビドラマデータベース



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バリバラ特集 ドラマ“悪夢”

2014年12月21日 | 国内ドラマ
手記「統合失調症がやってきた」を著した自身統合失調症のハウス加賀谷が主演するドラマ。
大駱駝艦が演じる白塗りの男たちが、子供たちの背後からぬっと現れたり、すりガラスの向こうで蠢いていたりと神出鬼没に現れる幻覚表現の、特に思いがけないところから現れる怖さというのは、こういう障碍者を扱ったドラマをつかまえて言うのはなんだが、Jホラー表現そのもの。というか、悪夢的な恐怖表現を狙うと自然にそうなるのかもしれない。

本物の障碍者たちが集まるクラブなど、昔だったら石井輝夫的(「恐怖奇形人間」はまさに土方巽主演だった)な見世物として扱われかねないシーンだが、考えてみると画そのものは実はそれほど変わっておらず、見世物映画として見られるかNHKの番組として見られるか、社会的文脈によって見え方が変わってくるということだろう。
「恐怖奇形人間」など日本ではDVDが発売されずアメリカからの逆輸入盤だけなのだから。

このドラマに関連したトーク番組で、障害が消えるか記憶が消えるかという果実は、実際の障碍者施設で行われているアンケートをヒントにしていると語られ、それに対する答えも障碍者によってというか、人によってバラバラで、また人によっても時期によって変わってくるともいう。かなり自己肯定感との兼ね合いで答えが決まってくるように思われ、そのあたりはやはり人間一般にいえることだろう。

チャンネル [Eテレ]
2014年12月10日(水) 午前0:00~午前0:55(55分)
ジャンル 福祉>障害者
情報/ワイドショー>健康・医療
ドラマ>国内ドラマ
番組内容バリバラが障害者週間に送る特集ドラマ。幻覚に苦しむ統合失調症の男が、障害のある人たちとの交流を通じ、自分を受け入れていくハートフルコメディー【主演】ハウス加賀谷
出演者ほか【出演】松本ハウス,カンニング竹山,桂福点,片山真理,【朗読】杉田かおる
詳細バリバラが障害者週間に送る特集ドラマ。幻覚に苦しみ就職できない統合失調症の男が、さまざまな障害者との交流を通じ、自分自身を受け入れていくハートフルコメディー。主演は、自身も統合失調症であるハウス加賀谷。その他40人のもの障害者が自身の障害の役で出演。ドラマには、障害が消えるが、記憶も消えるという果実が登場。食べるべきか、食べざるべきか。悩んだ末に主人公が選んだのは…?【主演】ハウス加賀谷
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「旅の途中で」

2014年11月15日 | 国内ドラマ
山田太一作の2003年作。
考えてみると、金で人の女房を借してくれと言いだす山本学も、奥田瑛二の世にもいい加減な髪結いの亭主(自分も理髪師ではあるのだが、印象として)もせっかくだからと隠れて金を受け取っているあたり、男のセコさとリアリティが出た。
なぜ山本が竹下恵子に一日つきあってくれなどと言い出すのか、ずいぶん教養があるみたいなのにどういうつもりかといった謎でストーリーを展開していって、10年あまり前より今の方が切実なモチーフが見えてくる。このあたりのストーリーテリングは冴えているが、今だったら逆にラストか話を起こしてしまいそう。

以下、テレビドラマデータベースより
2003年日本民間放送連盟賞優秀賞受賞作品。不景気のため人影のめっきり少なくなった愛知県豊橋市の商店街にある理髪店『バーバー春日』は、近所の美容院のせいで閑古鳥が鳴いていた。この店を夫婦で切り盛りする春日直也(奥田瑛二)と良子(竹下景子)は、高校1年生の一人息子・俊也(金井勇太)と3人で暮らしていた。ある午後、良子は、何かにつけ店を抜け出してスナック『ナポリ』のママ・麻美(金久美子)のところへ入り浸っている直也と喧嘩になる。店を飛び出し、フルーツパーラーで休んでいると、知性の感じられる初老の男・岩上始(山本學)が声をかけてくる。鎌倉から旅行に来たという始は別れ際、突然、良子に「なんて綺麗なんだ」と言う。翌々日、店に始が現れ、直也に「一日、奥さんを100万円で貸してもらいたい」「一緒に歩くだけでいい」と言い出す。いちおう断ったものの金に未練たっぷりの直也の態度から、夫婦はまた喧嘩をしだした。謝って店を出て行く始。何か気になるものを感じた良子は、金抜きならデートすると言ってしまう。翌朝パーラーで待ち合わせた後、楽しい時間を過ごすが…。
【以上、文・練馬大根役者】

ロケ協力・伊良湖ガーデンホテル、伊良湖ビューホテル、ファッションセンターしまむら、MARUEI豊橋、豊橋ステーションビル、西武百貨店豊橋店、精文館書店、豊鉄タクシー、蒲郡駅前本通り発展会、吉倉理容館。理容指導・下里 之夫(下里理容店)。データ記載の放送枠は東海地区のもの。関東、関西地区の放送枠は、同じ日の土曜14:00~15:24。
キー局 CBC 放送曜日 土 放送期間 2002/10/26~2002/10/26
放送時間 14:00-15:21 放送回数 1 回 連続/単発 単発
番組名 平成14年度芸術祭参加作品 山田太一スペシャル2002
主な出演 竹下 景子、奥田 瑛二、山本  學(山本  学)、金井 勇太、森 絵梨佳、金 久美子、大島 久枝、伊沢  勉、巣山プロ、ともだち、全映、N・A・C、劇団タハラジャ、(豊橋ことば指導・伊沢  勉、伊藤 亜季)
主な脚本 (作・山田 太一)
主なプロデューサ 山本 恵三、冨永 晃一、(プロデュース補・松井 智人)(番宣・横地 晶子、重松 和世)
主な演出 山本 恵三、(演出補・佐藤 和成、青山 貴洋)(記録・阪野亜矢子)
原作 (詩・平田 俊子「あいさつは大事」「ひ・と・び・と」)
局系列 JNN
制作会社 CBC
制作協力 名古屋東通企画、第一舞台、若尾綜合舞台、エヌティービー
制作 (制作進行・田中 靖浩)(制作デスク・廣瀬 幸江)
音楽 矢野 立美、(音響効果・高野 浩夫(ビズ))(MA・樋渡 和祐(東海ビデオシステム))
撮影技術 柘植 昌紀、中村 寛志、長崎 康弘、(技術・伊藤 義之)(調整・後藤 稔彦)(音声・伊藤 敏明、渋谷  昇)(照明・中濱  守)(編集・藤田 憲史(東海ビデオシステム))
美術 三木 和彦、(衣裳・山崎  武(東京衣裳)、林  洋子)(化粧・竹市 直美(ストロベリーキッズ)、倉本 〆子(ストロベリーキッズ))
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「天才脚本家 梶原金八」

2014年04月14日 | 国内ドラマ
時代劇専門チャンネル製作のオリジナル・ドラマ。
昭和初期に共同ペンネーム・梶原金八を使った京都の八人の若い映画人たちの群像劇で、志を一にする青年たちが集まってもっぱら好きなジャンルへの愛情と互いの友情で嫉妬や反発なしに結ばれている情景は、まんが創成期のトキワ荘みたいな感じもある。
一時間枠なのでアウトラインを描くのに絞って、女性の登場人物は庶民代表といった感じの下働きの女の子だけ、色恋抜きなのですっきりしている。

ほとんど八人の青年が集まってわいわいやっているシーンで構成されていて、当時の風俗を限られた範囲内ながらかなり力を入れて再現している。京都組協力とあるけれど、いまさらだけれど日本映画は大雑把に京都と東京で別々に発達したのがわかり、上方の意地を見せている感もある。

「天才脚本家」といいながら、メンバーは当時もその後の進路も監督やプロデューサーなどごっちゃになっていて、はっきりした分業制になっていない。劇団みたいな感じで、本質的に共同作業の上にしか成り立たない映画というメディアで作家性とか著作権とか限られたところにだけ認めるというのはどんなものなのだろうと思わせる。

しかし、この頃の映画人って集まっては呑んでばっかりいますな。

山中貞雄の戦病死の報を聞いたところで、はっきり死んだとはセリフで聞かせず、近くにいた子供が落とした紙風船がころころと転がるので表現している。知っているのを前提にした表現と思える。

製作 時代劇専門チャンネル
脚本 松下隆一 
撮影 金原美穂 照明 清水克彦 録音 本所伸啓 美術 伊藤祐太 安田幸二 編集 山本浩史
監督 宇喜田尚
主演 ヨーロッパ企画(劇団)

天才脚本家 梶原金八 - 時代劇専門チャンネル



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「ダブルフェイス 潜入捜査編・偽装警察編」

2014年04月11日 | 国内ドラマ
香港映画「インファナル・アフェア」の日本版リメーク。
トニー・レオンにあたる暴力団に潜入した警官が西島秀俊、アンディ・ラウにあたる警察に潜入した暴力団員が香川照之。ちなみにハリウッド・リメイクではレオナルド・ディカプリオとマット・デイモン。香港オリジナルがオリジナルであることによって一番ではあるけれど、ではまったく代替不可かというとそんなことはないので、基本的な発想が黒澤映画のように単純明快でだから変奏可能ということになるだろう。それぞれ男っぷりの良さを競うことになるが、並べると香川照之だけ二枚目ではない。
二人の男が互いに鏡像のような関係になるのだが、ナルシズムより「龍馬伝」以来の歪んだ嫉妬の感じの方が強くなった。

今回は洋画風に格好つけた演出なのだが、映画館で秘密の話をする、とか、警察と暴力団が街中で銃撃戦を繰り広げるというのはどうにも不自然で困った。
もともとナルシズムと泥臭さとがせめぎあうのがおもしろいところで、その配分がそれぞれ違う。

全体に男ふたりの一種の様式美で見せるので、女の出番が弱くなるのはいたしかたない。



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ダブルフェイス ~潜入捜査編・偽装警察編~ [DVD]
クリエーター情報なし
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プレミアムドラマ「大島渚の帰る家~妻・小山明子との53年~」

2013年10月07日 | 国内ドラマ
しゃべり方からいかにも言いそうなことを言うところから何まで、大島渚という人は人前に出ていない時、若い時こうもあったろうと、あるいはこうあるべきだと望まれるような大島渚像を作っていた。

酒盛りの場面が何度か出てくるが、NHKだから仕方ないのかもしれないにせよ、どんな銘柄の酒、特にウイスキーを飲んでいたのかわからないのはちょっと不満。どんなものを飲んでいることでどれくらいの経済状態なのか、端的に出せたと思うのだが。
それにしても、大島プロ周辺の人たちの酒量たるや大変なものだったみたいで、脳出血の原因になったのではないかとも思う。

創造社の仲間が集まって酒盛りしながら進歩的かつ高尚な議論をたたかわせている傍らで、夫人の小山明子が働いて帰ってきたばかりなのに酒の肴を作るあたりなど、まるっきり昔風の亭主像というギャップがなんともいえない。

なんとなく介護疲れから鬱病になっていたような気がしていたが、大島が倒れた直後にもう入院していたと知る。

大島が亡くなって一日後にはもう舞台初日を迎えた毒婦高橋お伝役と、大島・小山夫妻と、さらに「愛のコリーダ」のお定・吉蔵がだぶる構成は秀逸。
演出が誰なのか知らないで見ていたのだが、瀬々敬久とエンドタイトルに出たのでちょっとびっくり。(脚本 久保裕章・瀬々敬久)

虚実皮膜というのか、社会党の浅沼委員長が刺殺される場面など、一瞬どちらか迷う。さらにその事件が原因といわれる「日本の夜と霧」上映中止の直後の大島夫妻の結婚式の再現シーンが、色彩からしゃべりだした人間に素早くカメラを向けるパンなど、映画本編とよく似た調子で撮っている(さすがに長まわしはしていないが)。

「絞死刑」「少年」の撮影風景が現れるが、どちらも日の丸が出てくるのが印象的。

チャンネル [BSプレミアム]
2013年10月6日(日) 午後10:00~午後11:00(60分)
ジャンル ドラマ>国内ドラマ
ドキュメンタリー/教養>社会・時事

映画>その他
番組内容今年1月に亡くなった映画監督・大島渚。その妻で女優の小山明子は、大島が脳出血で倒れた後、ともに病と闘い、大島の遺作「御法度」完成を支える。夫婦の知られざる物語。

詳細
今年1月に亡くなった映画監督・大島渚。妻で女優の小山明子は、大島が1996年に脳出血で倒れた後、自らもうつ病と闘いながら夫を支え、不可能とさえ言われた大島の遺作、映画「御法度」の完成を支えていく。あわせて17年間の介護と闘病の日々。隠された夫婦の物語を描くドキュメンタリードラマ。主演:豊原功補(大島渚)、奥貫薫(小山明子)。
ドキュメンタリー部分には、小山明子さんご本人も登場する。

【出演】豊原功補,奥貫薫,清水伸,ダンカン,相島一之,井土紀州,武田義晴,伊藤雄太,佐藤勇真,志賀廣太郎,大島葉子,小林沙世子,津田寛治,渋川清彦,富山加津江,浅川蓮,戸田昌宏,北原佑志人,吉岡睦雄,川瀬陽太,宇野祥平,西尾英子,篠田光里,山口遥,伊藤清美,鍋島淳裕,花村也寸志,小山明子,大島武,大島新

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「事件」(NHKドラマ版)

2013年10月04日 | 国内ドラマ
なんとなく新藤兼人脚色・野村芳太郎監督による映画版の方が先のような気がしていたが、この中島丈博脚色・深町幸男演出のテレビ版の方が先行していたのですね。といっても放映されたのが1978年の4月、映画の公開が6月だからほとんど連動していたようなもの。ただ今日のようにテレビと映画が連動しているわけでなく、完全に別々に作られていてキャスティングもほとんど違うのがのが不思議な感じさえする。

弁護士役が若山富三郎(映画版は丹波哲郎)で、これが好評だったらしくテレビ版では大岡昇平の原作から離れたオリジナルが五本作られた。銀河チャンネルで放映したのを録画はしているので、楽しみ。

アメリカ版法律ドラマ「LAW & ORDER」にどっぷり浸かってから見ると、あちらのは言葉を武器に使ったバトルなのに対して、日本製の法廷ものは良くも悪くも人情劇ですね。だから被告が反省しているか、事件の背景はどうだったのかといったことが重視される。

弁護士が歯が痛いのに医者にかかるのを怖がってなかなか行かないというあたりの時間をたっぷり使った描き込みはテレビでないとできないところ。

キャストはほとんど映画とは別だが、唯一大竹しのぶが同じ役で出ている。この頃の大竹しのぶは山出し娘そのまんまといった感じ。イモっぽくて今見ても素人がそのまま出てきたみたいに見えるのだから驚いてしまう。もちろん芝居の上でも役柄の上でも実はすごくしたたかな女で、それがよく出た。

あとのキャストはそれぞれ裁判長役が宮口精二(テレビ)=佐分利信(映画)、検事が勝部演之=芦田伸介、被告が丹波義隆=永島敏行、大竹しのぶの姉役がいしだあゆみ=松坂慶子、そのヒモのヤクザが石橋蓮司=渡瀬恒彦といった布陣。どっちが良い悪いとも簡単に決められない出来。
芝居の再演に近い感覚か。

事件-全集- [DVD]
主演 若山富三郎
NHKソフトウェア
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「続・夢千代日記」

2013年09月29日 | 国内ドラマ
わけありというか、哀しさを背負った女たちばかりが集まってくるモチーフと、雪景色と武満徹の音楽の叙情の魅力は今見ても大きい。

小さなナイフが誰を刺すためのものか、というどんでん返し的扱いの効果。

胎内被曝というのは、このドラマの製作時に思われていたほど成人期のがん発生率が有意に上昇しているというデータはないというのが結論になってきているようだが、被爆に対する恐怖感自体は消えていないどころか、また改めて再生している感。

フィリピン人風に見えるが実は日本人というストリッパー。当時とすると、フィリピン人自身が来るという設定はまだ考えにくかったのだろう。

石坂浩二は当時(1982)はインテリ代表という感じだったろうから、教師であるとともに悪者かもしれないと
いう疑いが持たれるのがドラマになったわけだけれど、今では悪役専科にシフトているものなあ。

十四歳の女の子が一方的な性的被害者ではない、どころか一人前以上の女として嫉妬を燃やすあたりの凄み。

続・夢千代日記-全集- [DVD]
脚本 早坂暁
主演 吉永小百合
パイオニアLDC


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5月28日(火)のつぶやき

2013年05月29日 | 国内ドラマ

七人の侍 #好きな映画挙げてTLを映画祭にする 何がすごいって、「七人の侍」がない状態で一からこれを作り上げたのがすごい。パターンができてからなぞるのとは訳が違う。


#好きな映画挙げてTLを映画祭にする 映画中の時間と上映時間の一致。4ラウンドを起承転結に振り分けた構成美。非情と詩情。巨匠ワイズの若き日の低予算の傑作。


バリー・リンドン #好きな映画挙げてTLを映画祭にする 完璧な絵画美、完璧な映画。わからないのは、なんであんなつまらない原作を映画にしようと思ったのか、ということ。


ミツバチのささやき #好きな映画挙げてTLを映画祭にする 子供を主役にしたのではなく子供の感覚で世界を見ている。詩的な映画ではなく、映画言語による詩そのもの。


一見草食系だけれど中身は肉食なのをロールキャベツ男子と言うって、なんだかオヤジ系週刊誌発っぽいなあ。


【本棚登録】『BANANA FISH(4): 4 (フラワーコミックス)』吉田秋生 booklog.jp/item/1/B009JZG…


【本棚登録】『Banana fish (5) (別コミフラワーコミックス)』吉田 秋生 booklog.jp/item/1/4091324…


【本棚登録】『Banana fish (6) (別コミフラワーコミックス)』吉田 秋生 booklog.jp/item/1/4091324…


【本棚登録】『オリジナル・サウンドトラック「猿の惑星」』 booklog.jp/item/1/B000084…


片山祐輔被疑者の勾留理由開示。「湾岸収容所に入れられ108日、人権も何もありません…」と、否認するだけの以前の意見陳述とは全く違う内容に驚いた。留置場ではかなり特別な扱いを受けているらしく、精神的に追いやられてるように思える。

小暮 宏さんがリツイート | 137 RT

政治家や役人がブンカに口出そうとすると、外国の目を追認しているだけで何も知らないし判断もできないことが暴露されます。 #ss954

2 件 リツイートされました

TPPで著作権がアメリカ式にまとめられたら、日本から吸い出される一方になりゃしないかと心配になります。 #ss954


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5月27日(月)のつぶやき

2013年05月28日 | 国内ドラマ

「エクソシスト」には公開前の一時期「ニューヨークの怪談」という副題がついていた。


「カルテット!人生のオペラハウス」 #eiga #映画  goo.gl/lTeR1


福山雅治主演作『そして父になる』、カンヌ映画祭審査員賞を受賞!日本人では26年ぶり cinematoday.jp/page/N0053324 @cinematodayさんから 男優賞にブルース・ダーンの名前があるのにびっくり。アレクサンダー・ペイン監督「ネブラスカ」で。


先日の「ジャンゴ 繋がれざる者」にも出ていたけれど、コンスタントに出演作続いてはいたのですね。


この6月4日で77歳になります。


日本映画週間は上海では毎年チケットが売り切れるほど人気なのに、北京や大連ではガラガラなのだそう。上海の評論家いわく、上海人だけが日本映画が好きみたい、とのこと。

小暮 宏さんがリツイート | 18 RT

TBSで首相官邸の幽霊の話なんてのをやってるけど、サカスは元はといえば226の時の主力部隊がいた陸軍基地じゃない。


yapoono6さんの脳内は「H」15%「希」10%「恋」20%「夜」10%「星」10%「壊」15%「怠」15%「疲」5% ポイント:80pt ランキング:201801位 twimaker.com/?ref=yapoono6 #twimaker


「そういうお前だって」の言い合いでドツボにはまる最低のパターン。大新聞にアホが巣食っているのは韓国も一緒らしい。 #daycatch


<大阪母子死亡>「もっと食べさせたかった」母親のメモ発見(毎日新聞) - Y!ニュース headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130527-… いやな想像だけれど、これが在日の家庭が餓死したのだったらネトウヨは何というのかな。 


モーツァルト:魔笛::カラヤン指揮 ウィーンフィル タミーノ:デルモータ パミーナ:ゼーフリート パパゲーノ:クンツ ウィーン国立歌劇場合唱団 他 1950年録音


浮雲 #好きな映画挙げてTLを映画祭にする 終わったとき、文字通り椅子から立てなかった。


第三の男 ストーカー #好きな映画挙げてTLを映画祭にする 妙な組み合わせだけれど、一番繰り返しスクリーンで見た二本。前者はあまりによくできているので、後者はあまりにわけがわからないので。


魔法使いのおじいさん #好きな映画挙げてTLを映画祭にする 歌と踊りの入ったインド映画だけれど児童映画。風の又三郎。映画そのものが魔法。


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