prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「サクロモンテの丘~ロマの洞窟フラメンコ」

2017年02月28日 | 映画
フラメンコといっても、スペインのというよりロマ(ジプシー)のフラメンコのドキュメンタリー。といってもどこがどう違うのかあまりよくわからなかった。あらかじめそれがわかる人向けという感じ。

出演者たちの服装といい室内のインテリアといい、実にお洒落。
アメリカのダンサーみたいにシェイプされた体形をしているわけではないのだけれど、踊り出すと恰好よく見えてくる。

アントニオ・ガデスの作品とかは見てきたけれど、ああいう具合に精錬されたフラメンコよりもっと野趣がある。
始まってすぐ下ネタ話が飛び出し、その後もちょこちょこ出てきて締めくくりも下ネタ。

セレブとの交流も出てくるが、一瞬アンソニー・クイン写った写真が出てきたような気がした。

サクロモンテの丘~ロマの洞窟フラメンコ 公式ホームページ

映画『サクロモンテの丘~ロマの洞窟フラメンコ』 - シネマトゥデイ

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2月27日(月)のつぶやき

2017年02月28日 | Weblog

「愚行録」

2017年02月27日 | 映画
監督がポーランドで映画を学んできたと聞いていたので、どんよりと鉛色に濁った色がクシシュトフ・キェシロフスキの「殺人に関する短いフィルム」のようだなと思ったら、撮影監督がピオトル・ニエミイスキとポーランドの人でした。

オープニングからなめるような移動撮影が随所に使われ、なんともいえない粘着的な感触を出した。 

出てくる人間たちの顔が今の主流のつるんとした顔ではなく、独特のくさみを持ったのが並ぶ。美人だ美人だと言われ全てに恵まれて育ったという設定の女性も例外ではない。一番端正な妻夫木聡が実はとんでもないことになっていくのが計算だろう。

満島ひかり周辺の狂気の表現はうまくいっているのもそうでもないのも混ざっていると思う。

記者がぐるぐる関係者に話を聞きながら一家惨殺事件の核心に迫っていく話かと思っていると、いつのまにか迫る核心が円の中心から円の外に出てしまうような奇妙な展開を見せる。

最近、こんなに登場人物がぷかぷかタバコを吸う映画珍しいと思ったら、ちゃんとストーリーに絡んできたのに感心する。

かなり観客の想像に任せている表現を目指しているけれど、もう一つアクセントをつけてもいいと思う。
(☆☆☆★)

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映画『愚行録』 - シネマトゥデイ

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2月26日(日)のつぶやき

2017年02月27日 | Weblog

「白銀のレーサー」

2017年02月26日 | 映画
ロバート・レッドフォードがスピードスキーヤーを演じるスポーツ映画。
監督はのちに「がんばれ!ベアーズ」を撮るマイケル・リッチーで、いわゆるドキュメンタリー調というのとも微妙に違う独特のスポーティなセンスで切り取られたスキーシーンが、撮影技術が遥かに進歩したはずの現在から見ても魅力的。
レッドフォードがどの程度実際にスキーをやったのかわからないが、うまく出来てます。

疾駆するスキーヤーにとりつけられたカメラで撮った主観カットなどオリンピックではなかなか撮れないだろう。
不思議なのは、とにかく転倒するシーンが多いこと。72年の製作なのだが、その頃のスキーってあんなによく転んだのだろうか。
この手の映画の常でラブ・アフェア絡みのシーンは退屈。




2月25日(土)のつぶやき

2017年02月26日 | Weblog

2月24日(金)のつぶやき

2017年02月25日 | Weblog

「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」

2017年02月24日 | 映画
原題はDemolition。取り壊し、特権などの打破といった意味。
「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」という邦題は宣伝部がスカしてつけたのかと思ったら、映画の終わりの方で意外な意味があるのがわかる。

交通事故で突然妻をなくした男が、まったく悲しくないアパシー(無感情)状態になってしまう。
当人が一種、壊れた状態になるのだが、それが鬱っぽい調子で描かれるのではなく、妙にすっこ抜けた、時にはよってはユーモラスですらある調子で描かれるのがユニークなところ。

特に周囲の機械部品を本当に分解しだしてしまい、中を見たがるようになるという症状はかなり可笑しい。
さらに解体業者の仕事を見ていて急にやりたくなってスーツ姿のままハンマーをふるって家の解体を始めるという冗談みたいな展開が痛快。一方で家を壊すというのは相当な重労働なのだなと思わせる。

ときどきストーリーと関係ないフラッシュバックやイメージカットが入ってきて適度に通常の映画の流れを壊すとともに美的センスを見せる。

一方で相当にムチャな自分の身体を傷つけるような真似をして平気というあたり、ひやっとさせられる。

さらに自動販売機がうまく動かなくて商品が出ず、わざわざ機械に書いてあるトラブル時の連絡先をスマホで撮って、それで苦情の電話かメールをするのかと思いきや、不思議なことにわざわざ手紙を書く。
手書きの手紙、という今どき連絡するだけだったら誰が使うのか、というツールを改めて持ち出したのがおもしろいところ。
(☆☆☆★★)

雨の日は会えない、晴れた日は君を想う 公式ホームページ

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映画『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』 - シネマトゥデイ



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2月23日(木)のつぶやき

2017年02月24日 | Weblog

「イエスマン “YES”は人生のパスワード」

2017年02月23日 | 映画
うまくいかない毎日を過ごしているジム・キャリーが人生をポジティブに過ごす、何にでもYESと言いましょうというセミナーの集会に出て、そのリーダーに感化されてやたらと何でもやってみる、ポジティブに行動するよう選択するようになったら色々といい方に?動き出す、のだけれど、そのリーダーがテレンス・スタンプなのだから後で何か後でひっくり返るのではないか、皮肉な展開になるのかと思うとそういうわけでもなく、なんだか曖昧でどっちつかずな展開になるので気が抜ける。
元気になるところでキャリー得意の珍芸を見せるのかと思うとそれほどでもない。

日本でイエスマンというと上司の言うことをみんなご無理ごもっともと苦言を呈すべき時にもいうことを聞いてしまう男の意味なのだが、そういう意味のイエスマンが逆襲する話にしたってよかってのではないか。
ちょっとだけ出るスタンプの怪しげさ加減がおかしかった。

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映画『イエスマン “YES”は人生のパスワード』 - シネマトゥデイ



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2月22日(水)のつぶやき

2017年02月23日 | Weblog

「独裁者と小さな孫」

2017年02月22日 | 映画
いかに権力を失った落魄の身になり、可愛い何の罪のない孫を連れているといっても、過去に侵した弾圧と虐殺に対する人々の恨みは失われず、ずうっと突きまわされる。

かなりぎりぎりのところで同情を覚えるのを断ち切るように元独裁者が何をしてきたかを思い出させる繰り返しで、自業自得だという感じが終始抜けない一方、復讐のリンチが行われそうになるとそれやったら暴力と報復の繰り返しになるだけだとわかっているわけで、なんとかならないかと嘆息する。

特に孫までリンチしそうになると、それは許されないことだと絶えずブレーキとして見ているこちらに打ちこまれてくる。

ただ実際の独裁者は権力を近親者に移譲するわけで、ここでは可愛い孫がまた独裁者になる可能性はあるのも頭に置く必要はあるかなと思った。

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2月21日(火)のつぶやき

2017年02月22日 | Weblog

「ドクター・ストレンジ」

2017年02月21日 | 映画
ミラー世界のヴィジュアルがまあ凄くて、画面の設計をどうやったのかすらちょっと見当がつかない。メイキングが見たくなる。監督が自腹で作ってプレゼンに使ったというサンプル映像も含めて。
香港の時間逆戻りもめまいがしそうな密度とスケール。

ベネディクト・カンバーバッチのシャーロック以来の変人キャラをうまく取り込んだ。
イシュエル・イジョフォーとは「それでも夜は明ける」ではコンビ組んでいたけれど、バディものにはなりそうにない。
悪役のマッツ・ミケルセンの出はいいのだけれど、退場前に別のラスボスが出てしまったり、レイチェル・マクアダムスがやたらと可愛いが恋愛関係までいかず、全体に脇キャラに対する配慮は今一つ。

毎度のことながら、エンドタイトルの後に次につながるもったいぶった場面が続くそこに行くまで一体何分のまぁ細かい字を読まされるのかと思う。

グル(導師)をやっているのがスキンヘッドの女性(ティルダ・スウィントン)と言うのは本来だったら東洋人を使うところをホワイトウォッシングしたととるべきか、マイノリティー同士で交換可能と考えたのか。

クライマックスの時間のループというのは、映画の独壇場みたいなもので、よく考えてみるとどういう意味なのかよくわからないなりになんとなく納得してしまう。
もっともいくらなんでも大風呂敷を広げ過ぎて、宇宙意思みたいな相手が目があって英語を話すってどうよという気はするけれど、他に表現のしようもないか。
(☆☆☆★★)

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映画『ドクター・ストレンジ』 - シネマトゥデイ

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2月20日(月)のつぶやき

2017年02月21日 | Weblog