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『人生を遊ぶ』

毎日、「今・ここ」を味わいながら、「あぁ、面白かった~ッ!!」と言いながら、いつか死んでいきたい。

  

爺じい旅 8 ― 『熊彦』再訪の巻―

2025-03-24 16:29:33 | 懐石

三日目の昼は、
桂川河畔にある
懐石の名店『熊彦』を
昨年の霜月来の再訪である。

予約なしの飛び込みだったが、
平日の正午とあって空いており、
川沿いの上席ではなく
裏庭に面した席だった。

ま、眺めを喰むわけでもなし…。
😅

外の景色に季節感がないだけに、
煮物椀や八寸に描かれた
春の風情が愉しめた。

先付けは、
生湯葉、胡麻豆腐。

初日の美濃吉に続いての
精進物である。

身を潔斎してから、
生物を頂くようになる。

 

煮物椀は、
海老真蒸の碓氷仕立て。

丸大根の桂剝きが
半透明の薄氷を表している。

春先なので、
往く冬の名残りの情趣である。

 

お造りは、
明石鯛に本鮪。

鯛は、やはり、
関西でおますなぁ…。😍🌸

直に開花する頃の
桜鯛である。

鳴門の渦潮に揉まれ、
伊勢海老を喰っているという
ゴージャスなやつである。🤣

かのフレンチの巨匠
ロブションは、
蛸嫌いだったが、
『次郎』でトライした時に
「Ça a le goût de langouste…」
(ロブスターの味がする)
と言ったと言う。

実際にその餌が
伊勢海老だったと言う。

八寸は目にも楽しい
懐石のお花畑である。

鱒の白味噌焼きは
家庭では真似しようのない
職人仕事の逸品であった。

鴨のロースも
フレンチのロティとは
異なる技法で、
血の風味がする
野趣に富んだ野禽の旨味を
引き出していた。

強肴は…
野菜の炊いたん。

若竹煮、穴子、丸大根、
海老芋などが、
二番出汁でほっこりと炊かれた
上品味の煮物だった。

〆は、
唐墨の振り掛け鯛飯。  

しみじみとした
深い味わいのご飯であった。

主菓子には、
わらび餅と
グレープフルーツのゼリー。

……

昼餐は、
夜の懐石の半額で
予約要らずだが、
器が全く違っており、
作家物なぞ一つもなく、
すべて量産の数物なので、
料理の見映えと格が
グンと堕ちている。

やはり、
きちんとしたものを頂くには、
晩餐のそれなりの懐石でないと
唸るような物には
お目にかかれないようだ。


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