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『人生を遊ぶ』

毎日、「今・ここ」を味わいながら、「あぁ、面白かった~ッ!!」と言いながら、いつか死んでいきたい。

  

駄作と名作

2013-09-01 09:35:00 | 映画


これまで『リング』シリーズを
すべて見てきたので、
録画したものを観てみたが、
あまりの駄作に呆れかえって
笑えてしまった。

CGを多用すると
かくも馬鹿げたものになるのか
と言葉もなかった。

唯一、見どころは
貞子役が
「おっ。ユイちゃんじゃん」
と、『あまちゃん』のユイちゃんで
驚いたくらいである。




昨夜は、原点である
『リング』も放映された。

録画して、今朝、
久しぶりに通して観たが、
やはり、これはうまく出来た
作品である。

生涯の十本の一本に
入っている。

以下は、公開当時の
ホームページに載せた
感想と分析である。


***********


『リング』


生涯、もっともビビッた映画は
これしかない。

仕事が休みの平日、
「ヒマだから、映画でも観てくっか…」
と、気軽に出かけて、
珍しく2本立てを見つけたので、
「邦画だけど、ま、いっか…」
と、何の気なしに観たのだが…。

ラストで、あまりの怖さに、
のけぞり過ぎて、
椅子から滑り落ちそうになった。

 \(@_@)/

平日の地方の映画館なので、
学校サボリの女子高生が
二人ほどいるだけの広い映画館で、
しかも、前から3列目のあたりで見たものだから、
貞子の、どアップに、

ギョエー )'0'(

…と、ムンク顔になってしまった!

もう、ほとんど半泣きで、
扉を開けて出たが
女子高生がマジに震えて
「めっちゃ、コワ~!!」
と、出てきたので、ロビーで
虚勢をはって、ハハハと、
引きつり笑いをしてしまった。

その後は、リング・ショックが
しっかりトラウマになってしまい、
深夜のテレビには近づけない
(もっとも、ウチのは14インチで
 貞子がつっかえて出て来れないのだが…(^♀^)>
というシャレが講演会で随分ウケた)

『リング』作品中の「呪いのビデオ」を自分も
観てしまったから、1週間後に貞子が出てくるかなぁ…とか、
(T0T)
夜、鏡をのぞくと静子が髪をとかしているのでないか…とか、
ほんとに参った。

怪談話が大好きで、
教員時代は、テニス部の合宿や
スキー訓練のたびに、
また毎年、夏の授業中には、
生徒たちを「怖い噺」でパニくらせたり、
女生徒を泣かせたりして
喜んでいたオカルト教師だったのだが…。
これには、してやられた。

ことに、作者の鈴木光司も、
監督の中田秀夫も57年生まれで
私と同い歳であるので、
「してやられた感」は強い。
タメにやられた、という感じである。

でも、見事である。
天晴れ、である。
こんなに凄い、上出来の、
スグレモノ・ホラー作品を生み出した。

ホラー映画は好きではないが、
『エクソシスト』のテープに吹き込まれた
不気味な声や、『キャリー』の突然、
地下から手が出てガバリと腕をつかむ、
といった手法が、ここで使われているのが解る。
フラッシュで顔面が固まるのは、
『四谷怪談』などで使われた。

ユング派の心理屋として分析してみるに…
超能力者が恨みを残して死ぬと、
ただならぬことになる…
という設定が秀逸だ。
 
落語のマクラに、
バカの与太郎が死んだら、
方々に見境なく化けて出て困る、
という噺があるが、
「そこが、バカだから…」
というオチ。

「バカは隣の火事より怖い」
と落語では云う。

ケタハズレの念力を持つ超能力者が
化けて出るのは、反則だ。
そんなの日本の怪談話の
「判例集」に乗ってません!裁判長!
…というくらい、シュールな発想である。

他に、怪談として、
成功している要因は…
 
*都市伝説の不気味さ
 
*7日間という時限爆弾的追い込みの切迫感

*美女・松嶋奈々子のシンメトリックな顔が、呪いの写真で
  アシンメトリック(非対称)になる・・・・。
  乳幼児に、アシンメトリックな顔の絵を見せると、不安反応が起こる。

*数学的直感の世界に生きる科学者である元・夫が持つ
  シャドウの部分である非科学的オカルティスティックな領域への
  違和感。誰もが、合理性と非合理性の二面性をもっているが、
  現実は合理性優位で暮らしているので、非合理性は劣等機能
  となり、シャドウとなって気味悪いものと感じられる。

*息子への「呪うべき気質」の世代間伝達。

*貞子の白い服・・・死に装束=花嫁の白無垢、を連想させる。
             (娘として死に、嫁として再生する)
*長い髪・・・・女性性の象徴だが、ネガティブな側面として、
          般若、夜叉、魔女、鬼婆、山姥、と
         女性の魔性のシャドウを想起させる。
         また、「少女から女へ」以降する過程での
          「死と再生」のイメージも喚起される。

*最後まで無言の貞子・・・『らせん』『リング0』『リング2』とも
                 生身の貞子が喋っている。
                 それでは我々の現実感に近く、
                 親近感が生じて恐怖感は薄まる。
                 無言電話同様、得体の知れないものに
                 人は不安と恐怖を抱くのである。

*松嶋奈々子のポジティブな母性性が、井戸で惨死した
  貞子の亡骸に頬ずりして慰霊し、呪いの連鎖の物語は
  大団円で終焉したかに見えたが(観客は一旦、安堵する)、
  その後、貞子のネガティブな母性性(殺す母)が突如現れ、
  父親を呪い殺す。安心させといて驚かすドンデン返しである。

*井戸から現れる貞子の動きが淀んでいて不気味である。
  人間らしい円滑な動きをしない人間に、人間は恐れを抱く。
  テレビから実体化? し、現出する、という非合理性の恐怖。

*非楽音的ノイズの多様。
  特に、金属が軋むような生理的嫌悪感を誘う音。
 
心理学者のユングは、元型に訴えてこない芸術作品は、
決して心に残ることはない、と言っている。
そういう意味では、
観る者の深層心理を刺激する映画といえよう。




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