「私的6連休」中のイベントとして、
十年ほど前に一度訪れた
懐石店を再訪してみた。
生湯葉の「向付」は、
鮪節を用いて
酢を利かした出汁が
なかなかに佳かった。
つづいて、
「松茸の土瓶蒸し」。
中に"名残り鱧"と"新銀杏"が
海老・松茸と共蒸しにされている。
焼いた鱧の骨からも
出汁を取っており、
松茸の香りと共に
得も言われぬ旨味を
醸し出していた。
「お造り」は、
炙った北寄貝が
香り豊かで甘味があり、
肉厚の平目は旨味がのっており、
槍烏賊も張りのある身が美味だった。
饅頭型に模った秋茄子は
なかに慈姑(くわい)が鋳込んであり、
シャリリとしたその感触も
楽しめた。
「焼き物」は、
カマスの幽庵焼き。
添え物の辛子蓮根も
佳いアクセントになっていた。
「揚げ物」は
秋刀魚、銀杏、海老頭、
そして、海老すり身を挟んだパン。
「口直し」に、
やや酸味のある「とろろ」と
スッポン生き血の林檎ジュース割りが
供された。
生き血は、
林檎の香りで
生臭さは全くなかった。
そして、本体の身は、
「羹(あつもの)」として、
関西で言うところの
「丸吸い」に仕立てられた。
エンペラや首の処もあり、
久しぶりにその旨味を
堪能した。
〆は「鱧鮨」。
これは、
土産としても供された。
巨峰とバニラアイスの「甘味」で
仕舞いとなった。
大阪で修行したという
主人の味は、やはり、
関西風で、すっきりした中にも
はんなりした和らぎが感じられ
好感が持てた。
これからも、
四季ごとに味わいたくなる
真っ当な懐石と言えよう。
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