『人生を遊ぶ』

毎日、「今・ここ」を味わいながら、「あぁ、面白かった~ッ!!」と言いながら、いつか死んでいきたい。

  

リアルファンタジー『名人を超える』最終話

2022-10-15 09:34:47 | 創作

* 48 *

 フランクルは、その人が自分の運命を受け入れて、それに対してどういう態度をとるかということが、周囲に大きな影響を与える、と語った。          

                              養老 孟司

 

*         

 東京と大阪に続き、名古屋にも「将棋会館」が建てられた。 

 それというのも、ひとえに、棋界始まって来の「四〇〇年に一人の天才」とその弟子ゆかりの地であるからである。

 親子二代が「永世八冠」となるという偉大な事跡は、今後の将棋界に起こり得るかどうか、というほどの奇跡でもあった。

 そして、そのどちらも夭逝した。

 それゆえに、「伝説の棋士」ふたりとなった。

 会館の三階にある『藤野の間』はタイトル戦や重要な棋戦にのみ使用される特別対局室とされた。

 その床の間には、愛知が産んだ天才棋士ふたりの肖像画が飾られている。

 

 *

 

「なんだか、照れちゃいますね・・・」

 と、カナリが言った。

「でも、ここで、加奈梨ちゃんが、タイトル戦を闘ってくれるようになるのが楽しみだね」

 と、ソータが言った。

「ほんと・・・。そうですね・・・」

 と、カナリも、その日が来るのが楽しみでならないようだった。

「じゃ、まず、今晩にでも、お邪魔して、ふたりで一局指そうか?」

 と父が誘うと

「師匠。お願いします」

 と娘が応えた。

 

 

    

 

全編【縦書き/BGM】版

http://www.onyx.dti.ne.jp/~yoko-s/m0.html


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 鐘は、突き割るつもりで!! | トップ | タイム・ディル・バジル・ニ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

創作」カテゴリの最新記事