グレーゾーンの1700万人

 

まだまだ残暑きびしき折、
来談するJCたちにも
微妙に体調不良のものたちが
多いようだ。

いかな10代であっても、
HSCの子たちにとっては、
猛暑と冷房の寒暖差は
物理的ストレスとなるのだろう。

かくいう自分も、
老齢もあって、
この夏の猛暑には
ずいぶんと疲弊させられている。

毎朝の寝起きは、
なんとなく怠いし、
お腹も時々張って
膨満感が繰り返したりもする。

来週の中頃から、
ようやく秋めいて
気温が下がるようだが、
そうなったら、そうなったで、
また季節の変わり目の
心身の不調が起こりやすい。

暑熱順化したカラダが
平温順化するのに
いくらかシステム改変の
エネルギーの負荷を要するだろう。

**

おとつい、
古物店で120円で見つけた
木製の味わいのある家を
箱庭療法の遊具に加えたら、
さっそく、JCが使用してくれていた。

ただ、アイテムを
立錐の余地もないほどに
羅列させた作品を創り上げたので、
「自閉傾向」が疑われ、
AQを実施してみたら
やはりASDのようであった。

成績は学年でも
トップクラスなので、
高機能自閉症と思われる。

加えて、
アルコホーリック・ファーザーを持つ
典型的なACOA心性でもあり、
アクト・アウトも多いので、
ややBPDの素因もありそうである。

*

きのうの
手作りベントは
前夜に作りおいた
パスタ・ランチだった。

職場に買い替えで
廃棄するつもりだった
古い電子レンジを搬入したので、
別皿に取り分けてチンして
熱々に還元できた。

もっとも、
ゆで上げたものを
宵越しさせたので、
腰はなくノン・アルデンテの
フヤフヤ給食麺みたようだった（笑）。

*

仕事柄、
滅多なことでは
カウンセリング中に
腹立たしい事はないが、
それでも、たまに、
不真面目だったり、
反抗的だったりする子が
来ることがある。

たいがいは、
生徒指導係や担任から
強制的に行かされて来る、
という来談動機のない子が多い。

それ以外では、
とりわけ、グレーゾーンが多い、
ということに、最近やっと
合点がいくようになった。

集団内での対人関係が構築できず
欲求不満や疎外感があり、
承認欲求もあるが、
それらの内的な葛藤やモヤモヤを
言語化することができず、
彼・彼女たちなりに
辛く苦しんでいるのである。

なので、なんとか
支援の手を差し伸べたいのだが、
反抗的だったり、
不貞腐れてたりするので、
それと解かってはいても、
ついつい、もう･･････と、
諦めと失望を抱くことがある。

【縁なき衆生は救い難し】
という思いも
浮かんだりもする。

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『ケーキの切れない非行少年たち』
という新書が、
いっ時、話題になったが、
時折、ID（知的能力障害）の子にも
試行してみることもあるが、
これまでは、案外、
120°に三等分できる子がいて、
必ずしも「切れない」わけではない、
という思いはしている。

最近では、
コグニティヴ・トレーニングなる
メソッドもあるが、
心理臨床のジャーナル（学会誌）では
それを用いたエビデンス・ベーストの
論文はまだ載ったことがない。

IDやグレーゾーン、ASDなど、
脳内のハードとソフト両面が
関与していそうな事象が
トレーニングで
どこまで改善できるかは、
確かなデータに基ずく
論文を見ない事には
何とも言い難い。

ただ、
MCI（軽度認知障害）の段階で、
運動とコグトレによって、
認知機能の低下が抑制される、
という研究結果はあるようである。